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ヤツガシラ

ヤツガシラ
ブッポウソウ目ヤツガシラ科
体長28cm
撮影 2010.2.28 千葉県

朝一番で銚子に向かう。
この日は1日銚子でカモメ観察をじっくりやるつもりだった。
午前中は雨だが、午後は回復するという予報だったから。

8:30ごろ銚子に到着。雨風ともに強い。
こういう時カモメたちは、陸上の平らなところに集まって姿勢を低くして風をやり過ごしている。
車中からの観察だが、特に珍しいものは見当たらない。
ミツユビカモメがかなり多くなって来たのは目立つ。
前回遠かったコオリガモを今日は幾分近い距離で観察できたが、風雨が強くて撮影は困難だった。
今日ここに来たのは、娘にコオリガモを見せるためでもあったので、一応目的は果たせたわけだ。
あとはこのまま天気の回復を待つか。

ところが

前日起きたチリでの大地震。この朝、かなり大きな津波予報が出た。
津波の到達時刻は午後1時過ぎだと言う。
これでは海岸での観察は論外である。
内心、三番瀬のヒメハジロにも食指が動いていたのだが、同様の理由でこれも不可能。
結局行く気がなかった鳥の観察に行くことに気持ちが傾いた。


「ヤツガシラ」
春の渡りの時期、どこかで突発的に現れ、短期間で去る。
日本海側の島嶼部でも数は少ないし、長居はしないので、見ることが難しい鳥のひとつである。
「関東地方では稀れ」という新聞記事も出たようだが実際はそうでもなく、毎年数箇所で報告がある。
私の地元でも去年見た人がいるが、その時限りだった。
去年だけでも数回ニアミスしている鳥だ。
あくせく追いかけるのは好きではない。「この鳥をぜひ見たい」と念願していればそのうち見られるというのが私の信念で、経験則では大体4年ぐらいで実現する。
「今回はその時ではない」と思ったのは、これが住宅地の公園で、マナーの悪いカメラマンが住民の顰蹙を買っているという話があったりしたからである。
2日ほど前、新聞にも出てしまったので、本来は行く気がなかったのだ。

津波に背中を押された形だが、結局は誘惑に負けたということか。

・・・・・・

銚子を10時過ぎに出ると、途中で霙混じりになった。
現地には昼過ぎに到着したが、相変わらず雨風が強い。昼食をできるだけのんびりと取っているうちに天気は回復した。
コートの下に双眼鏡を隠し、ザックにカメラだけを忍ばせて住宅地の公園を歩いてみた。
プロミナーは持たない。こういう場所で三脚を担いで歩くのは気が引ける。
そこまで用心して行ってみたのだが、案に相違して誰もいない。やや拍子抜けだった。
相手は鳥である。場所を変えたのだろうと、別の場所を探すことにした。
心当たりはすぐ近くにあるが、これが東西に長い。
とりあえず覗いて見た場所が当たりだった。こういう勘は我ながらよく当たる。

住宅地の中でなくてよかった。風変わりではあるがなかなかいい場所である。
午前中の天気のせいか、ギャラリーは10人ほど。
件の鳥は10分ほどで現れた。
ちょっと遠い。やっぱりプロミナーを持って来るのだったか、と少し後悔した。
しばらくすると飛び、木に止まった。
そちらの方に移動したが所在はわからず、10分ほど待つと今度は反対側に現れた。
動き回るのは私の悪い癖で、待った方がいい場合が多い。

1箇所で比較的長時間採餌するようで、いい場所に移動する余裕があり、結果的には至近距離で観察できた。
この間30分ほどの観察。


















扇形に開く冠羽が最大の特徴で、ヤツガシラの名の由来だが、実際は20枚ぐらいある。
オレンジ色の体に、翼は白と黒のコントラストが目立つ。
非常に美しいデザインの鳥で、やっぱりブッポウソウ目はスター揃いだと実感させられる。
フワフワと特徴的な飛び方をするので、飛んでくると意外と発見しやすい。

波乱の一日だったが、いいものを見ることが出来た。
祝杯を上げたい気分になり、帰りに飛び切りのベルギービールを買った。
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