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キヅタアメリカムシクイ





キヅタアメリカムシクイ
スズメ目アメリカムシクイ科
体長14cm程度(北米の図鑑による)
撮影 神奈川県

アメリカムシクイ科で過去日本で記録があるのはウィルソンアメリカムシクイのみのようだが、北米には50種類以上のアメリカムシクイ類が存在している。
本種は日本初記録であるらしいが、真木図鑑には以前から「今後記録される可能性のある鳥」として掲載されている。

英語名は”Yellow-rumped Warbler”で、腰の黄色に起因している。

本種には、”AUDUBON’S”と”MYRTLE”の2亜種があり、今回見られたのは後者である。(真木図鑑にあるのは前者)
ただし、この2亜種は別種であるという説もあるので、今後の研究によっては分類が変わる可能性もある。
ちなみに、ロシアでは前者の記録がある。北米での分布は、前者が西海岸中心、後者は北米全体で、どちらかと言うと後者が多いようである。日本に飛来するなら前者という見込みはあったのかも知れないが、実際は後者だった。

腰と腋羽、頭の3箇所に黄色い部分があるのが特徴で、亜種”AUDUBON’S”はこれに加えて喉も黄色い。
亜種”MYRTLE”は喉が白いのが特徴である。
ネット上では♀という説も目立つが、頭が黄色いのは♂の特徴だと思われる。
腰の黄色は♀の方が目立つように書いてある図鑑もあるが、腰の黄色は♂♀共通の特徴だと思う。
ただし、♂♀の判定は専門家の判断にまかせたい。


「キヅタ」という不思議な和名の由来については、詳しい記述が見あたらないので、少し考察してみたい。
MYRTLE(マートル)というのはギンバイソウという植物で、この鳥が冬季にこの美を食べることからの命名らしい。
はじめはギンバイソウをヘデラ(アイビー=セイヨウキヅタ)と混同した命名かと考えた。
色々検索してみると、”MYRTLE”を「百日紅」と訳している場合が多く見受けられる。
「百日紅」つまり「サルスベリ」は「ギンバイソウ」とは科も異なり、似ても似つかない植物である。
よくよく調べてみると、サルスベリの一種に「クレープマートル」という植物があることがわかった。
別名「バナバ」と言う。バナバ茶という健康飲料で有名な植物である。

結局のところ、この”Myrtle Warbler”という鳥は、冬季にマートル(ギンバイソウあるいはサルスベリの仲間)の実を食することから名前がつけられたらしい。
同時に、ベリーの仲間(ブルーベリーの類?)やアメリカヅタの実も食するという記述をアメリカのサイトで見つけることができた。
アメリカヅタはバージニアヅタとも言う。
アメリカンアイビー=セイヨウキヅタと考えると、キヅタアメリカムシクイの命名は「冬季にキヅタの実を食べるムシクイ類」という意味と捉えることができそうである。


ところで、これを発見した人の話によると。。。
聞き慣れない地鳴きを聞いたのがそのきっかけであると言う。
アメリカの図鑑でも「チェップ」とか「テップ」という地鳴きの記述があり、実際に聞いた声もウグイスなどよりもずっと控えめな声であった。
強いていうならばカラフトムジセッカのような声か(聞いたことはないのだが)と思った。
いずれにしても、自分のフィールドでの地道な観察がいかに大事かということを思い起こさせてくれる出来事ではあった。

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