FC2ブログ

名盤コレクション123 ワーグナー/楽劇「ニーベルングの指輪」4部作~「ラインの黄金」(ショルティ/VPO)

20201017_192132_R.jpg
ワーグナー/楽劇「ラインの黄金」
ゲオルク・ショルティ/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1958年10~11月

配役
神々
 ヴォータン(神々の長):ジョージ・ロンドン(B)
 ドンナー(雷神):エーベルハルト・ヴェヒター(Br)
 フロー(春の神):ヴァルデマール・クメント(T)
 ローゲ(火の神):セット・スヴァンホルム(T)
 フリッカ(ヴォータンの妻、結婚の女神):キルステン・フラグスタート((S)
 フライア(フリッカの妹、美の女神):クレア・ワトソン(S)
 エルダ(知の女神):ジーン・マデイラ(MS)
ニーベルング族
 アルベリヒ:グスタフ・ナイトリンガー(B)
 ミーメ(アルベリヒの弟):パウル・キューン(T)
巨人族
 ファーゾルト:ヴァルター・クレッペル(B)
 ファーフナー(ファーゾルトの弟):クルト・ベーメ(B)
ラインの乙女たち
 ヴォークリンデ:オーダ・バルスボルク(S)
 ヴェルグンデ:ヘティー・ブリューマッハー(A)
 フロスヒルデ:イラ・マラニウク(S)


オペラOperaは作品を意味するOpusの複数形で、本来は「音楽的作品」という意味で使われたもので、現在その語から連想される「歌で進行する演劇」という意味はないが、日本語の訳語「歌劇」は言い得て妙という感じがしないでもない。

オペラは音楽か、演劇かと問われれば、間違いなく「音楽」だろう。
台本がいくらダメでも音楽が優れていればその作品は残るが、逆は絶対に成立しないからである。
極論すれば、台本はどうでもいいのである。「魔笛」がいい例で、台本にいくら欠陥があっても、音楽は不朽の名作である。

そのような「歌劇」に飽き足りないワーグナーは、音楽と演劇を一体化し、演出や舞台美術、劇場そのものまで包含した総合芸術としてMusikdramaを創出した。これは「楽劇」と訳される。

ワーグナーによる楽劇の集大成が、中世ドイツの叙事詩「ニーベルンゲンの歌」や北欧の神話などを題材に「ニーベルングの指輪」4部作で、4つの楽劇を4夜を費やして上演する。
通して約15時間ほどを要する、史上空前の大作である。
楽劇「ラインの黄金」
楽劇「ワルキューレ」
楽劇「ジークフリート」
楽劇「神々の黄昏」

「ニーベルングの指輪」4部作全曲が初めて発売されたのは、フルトヴェングラー指揮のローマ・イタリア放送交響楽団による、演奏会形式の放送用ライヴだった。(1953年録音)
これは4部作を10日間かけて演奏されている。
その後多くの録音が世に出たが、ほとんどはバイロイト音楽祭のライヴである。

この巨大な作品の全曲スタジオ録音を企てたのは、デッカのプロデューサーだった当時まだ30代前半だったジョン・カルショーである。
50年代、その企画をまかせるべき指揮者はクナッパーツブッシュ以外には考えられなかった。
1957年、まず「ワルキューレ」の録音が開始されるが、第1幕を録音しただけでとん挫した。(この第1幕だけの録音は、今でも名盤として有名である)
録音嫌いのクナッパーツブッシュでは、この壮大な企画は実現しないと見たカルショーは、指揮者をショルティに交代するのである。
カルショーも凄いが、認めたデッカも偉いと思う。そして前人未到の仕事を重戦車のようなパワーで成し遂げたショルティも。
ここにレコード録音史上の金字塔と言われる録音が、7年をかけて完成した。
録音は、4部作の順番通りではなく、
1958年 「ラインの黄金」
1962年 「ジークフリート」
1964年 「神々の黄昏」
1965年 「ワルキューレ」
の順で行われた。


さて楽劇は音楽と演劇は一体であるから、一般のオペラよりもストーリーをよく理解し、台本を追いながらでないと、その世界観に入り込むことが難しい。「ストーリーはよくわからんが、音楽がいいから」と言っていられないのだ。「リング」がとりわけ取っ付きにくい一因だろう。
今回は自分なりに、あらすじをまとめて見ることにした。多少独自の見解もあるかも知れない。

■「ラインの黄金」に入る前に
神々の長であるヴォータンは、片目と引き換えに世界樹であるトネリコの木から1本の枝を折って槍の柄を作り、世界を支配する象徴とした。
ヴォータンは巨人族兄弟に壮大なワルハラ城を作らせる。
火の神ローゲは、その代償としてフライアを差し出すことを約束してしまう。
フライアは黄金のリンゴを育てており、そのリンゴを食べているおかげで神々たちは永遠の若さを得ているのである。
ラインの河底には3人の娘がいて、ラインの黄金を守っている。
地底にはニーベルング族(小人族)がいる。

「ラインの黄金」
■第1場
3人のラインの娘たちが泳いでいると、地底に住むニーベルング族のアルベリヒがやって来る。
アルベリヒは3人に次々に言い寄るが、娘たちはからかうばかりで相手にしないので、アルベリヒは次第に怒りを募らせる。
不意に上から光が射しこんで来て、川底の黄金を照らし出す。
3人の娘たちは、その黄金から指輪を作る者は世界を支配できることと、それが出来るのは愛をあきらめた者だけだということをうっかり話してしまう。
それを聞いたアルベリヒは愛をあきらめることを決意し、黄金を盗んで去ってしまう。

■第2場
ワルハラ城が完成する。
ヴォータンの妻である結婚の女神フリッカは、その代償として妹のフライアを差し出す約束をしたことに対し、ヴォータンを責めるが、ヴォータンにはその気はない。その約束をしたローゲに任せるつもりでいる。
そこにファ-ゾルトとファーフナーの巨人族兄弟がやって来て、フライアを要求するが、ヴォータンは拒否する。
怒った巨人族兄弟と神々が言い争いをしているところにローゲがやって来る。彼はアルベリヒがラインの黄金を手に入れ、指輪を作ったことを明かす。
アルベリヒの財宝を奪い、それをフライアの代わりに報酬として差し出すことを提案し、兄弟も受け入れる。
兄弟はフライアを人質に一旦去る。フライアの黄金のリンゴを食べられなくなった神々は見る間に衰えてしまう。
ヴォータンはローゲとともに地底の国に向かう。

■第3場
アルベリヒはニーベルング族に財宝を集めさせ、弟のミーメには隠れ頭巾を作らせる。その頭巾を被ると何にでも変身することが出来るのだ。
ヴォータンとローゲが地底に降りて来て、ミーメに隠れ頭巾と指輪のことを聞き出し、アルベリヒに会う。
ローゲは奸計を巡らし、アルベリヒをおだて、自分が驚くようなものに変身するよう仕向けると、アルベリヒは隠れ頭巾を被り、大蛇に変身する。
ローゲは大袈裟に驚いて見せ、それならば小さなものに化けられるかと言うと、アルベリヒは蛙に化けて見せる。
すかさずヴォータンが蛙を踏みつけ、アルベリヒを縛り上げてしまう。
そして、地上に上って行く。

■第4場
ヴォータンとローゲはアルベリヒに財宝を要求し、地底からニーベルング族に運ばせる。
アルベリヒは隠れ頭巾も指輪も奪われ、指輪に呪いをかけて去って行く。
そこに巨人族兄弟がフライアを連れてやって来る。
兄弟は、フライアの姿が隠れるまで財宝を積み上げることを要求する。
全ての財宝を積み上げたが、まだ隙間があると言い張り、隠れ頭巾も要求する。
最後に指輪も要求するが、ヴォータンは応じない。
すると、岩の裂け目から知の女神エルダが現れ、呪いがかけられた指輪は手放すように諭す。
ヴォータンは兄弟に指輪を渡し、フライアは解放される。
巨人族兄弟は早速諍いを始め、弟のファーフナーは兄のファーゾルトを殺してしまう。
早くも恐ろしい呪いの威力を見た一同は、ワルハラ城に入城する。(ワルハラ城への神々の入城)
ローゲひとりは神々の没落を予見しているようだ。
黄金を失ったラインの娘たちの、嘆きの歌が河底から聞こえてくる。


「ワルキューレ」に続く
関連記事

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

papageno620

Author:papageno620
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
フリーエリア