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名盤コレクション89 バッハ/平均律クラヴィーア曲集第1巻、第2巻(リヒテル)

バッハ/平均律クラヴィーア曲集第1巻、第2巻
スヴャトスラフ・リヒテル(ピアノ)
録音 1970~73年 ザルツブルク、クレスハイム宮殿

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1978年発売のLP 5枚組

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CDは4枚組


平均律とは鍵盤楽器の調律法で、1オクターブの12音を均等に割り振る方法である。
12で割るわけではなく、2の12乗根(1.059463...)を掛けて行く。12回掛けると2になる。

A音を440Hzとすると、
 A# 466.163762...
 B   493.883301...
 C   523.251131...
という風に増えていく。

平均律のメリットは、ひとつの楽器で全ての調を演奏できるところで、移調や転調が容易である。
デメリットは完全には調和しないことである。

2つの音が完全に調和するということは、その周波数が整数比にならなければならない。
例えばA音とE音(完全5度)では、2:3 つまり、E音はA音(440Hz)の1.5倍(660Hz)にならなければいけないが、先の計算では、
 E  659.255114...
となり、0.11%ほど低い。
完全には調和しない平均律は、言わば妥協の産物だが、全ての調を演奏できるメリットの方がはるかに大きいと考えられる。
もっとも、自分には660と659.255114...の違いはわからない。
ただ、上手い合唱を聴いて感銘を受けるのは、これがピタリと調和した時なのかも知れない。


バッハの平均律クラヴィーア曲集は第1巻と第2巻があり、それぞれ24の全ての調による「前奏曲とフーガ」で構成されている。
英語では ”Well-tempered clavier” と言う。「良く調律された鍵盤楽器」というような意味で、特に平均律と謳ったわけではなく、それがわかりやすと考えた人の訳なのだろう。
作曲者の本意としては「よく調律された楽器であれば、24のあらゆる調で書かれた作品を演奏することが可能である」という趣旨だろうと考えられる。
もっと意訳すれば「24の調のための前奏曲とフーガ」という名前がいいかも知れない。

曲順は第1番ハ長調から始まり、ハ短調、嬰ハ長調、嬰ハ短調、というように続き、第24番ロ短調で終わる。
この「全ての調を網羅した24曲で構成される曲集」というアイデアは多くの作曲家の創作意欲を刺激した。その代表的な成果がショパンの「24の前奏曲」である。
バッハの「平均律」は古今のピアノ作品の中で最も重要な作品と位置付けられており、これをピアノ音楽の旧約聖書、ベートーヴェンの32のソナタが新約聖書に例えられている。


リヒテルの平均律は、1970年から73年にかけて、ザルツブルクのクレスハイム宮殿で録音された。
使用された楽器はベーゼンドルファー。
LP時代から、平均律と言えばこれ、と愛聴してきた自分にとっての宝物である。

同じく名盤との誉れ高いグールド盤とは、何から何まで正反対のような演奏である。
グールド盤が、バッハ作品をピアノで演奏することの意味を極限まで追求した演奏であるならば、リヒテルによる演奏は、バッハの作品の中からロマン性を紡ぎ出し、ピアノの持つ無限の可能性を開示したものといえるだろう。この演奏に対しては、ロマンティックに過ぎるという否定的な意見もある。

録音は、宮殿という環境も影響しているのだろうか、残響過多で必ずしもいい録音とは言いがたい。ただ、第2巻に関しては残響が抑え気味になっている。

CDから2曲がリッピングできなかったため、2曲だけLPからデジタル化した。
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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