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名盤コレクション90、91 ショパン/24の前奏曲(ポリーニ盤、アルゲリッチ盤)

新型コロナウィルスの影響で、今年行われる予定だったショパン・コンクールも延期になった。
自分はコンクールにはほとんど興味がないのだが、この際なので少しまとめて見よう。

ショパン・コンクールは5年に1回、ショパンの故国ポーランドで行われる。
ピアノ部門のみ、ショパンの作品のみで行われる、珍しいコンクールである。
また、出場者には16歳以上30歳以下という年齢制限があるため、これに優勝するのは極めて難しい。
数学の最高の賞である、フィールズ賞にも匹敵する狭き門であるとも言えるだろう。

前回までの優勝者は以下の通り
第1回(1927年) レフ・オボーリン(ソ連)
第2回(1932年) アレクサンドル・ウニンスキー(ソ連)
第3回(1937年) ヤコブ・ザーク(ソ連)
第4回(1949年) ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ(ポーランド)、ベラ・ダヴィドヴィッチ(ソ連)
第5回(1955年) アダム・ハラシェヴィッチ(ポーランド)
第6回(1960年) マウリツィオ・ポリーニ(イタリア)
第7回(1965年) マルタ・アルゲリッチ(アルゼンチン)
第8回(1970年) ギャリック・オールソン(アメリカ)
第9回(1975年) クリスティアン・ツィメルマン(ポーランド)
第10回(1980年) ダン・タイ・ソン(ベトナム)
第11回(1985年) スタニスラフ・ブーニン(ソ連)
第12回(1990年) 1位なし
第13回(1995年) 1位なし
第14回(2000年) ユンディ・リ(中国)
第15回(2005年) ラファウ・ブレハッチ(ポーランド)
第16回(2010年) ユリアンナ・アヴデーエワ(ロシア)
第17回(2015年) チョ・ソンジン(韓国)

16人の優勝者のうち、本国のポーランド4人、ソ連-ロシアが6人と過半を占める。
いわゆる西洋音楽の本家筋、ドイツ、オーストリア、フランス、イタリアからはポリーニひとりだけで、ほぼ全てが西洋音楽の周辺国から出ているのは興味深い。
ソ連-ロシアを含め、音楽コンクールでの入賞を国威発揚として積極的に推奨している国が優勝者を輩出するのは、別に不思議ではない。
オリンピックと同じである。コンクールというのは音楽のスポーツ化だからである。
今後は中国が各国のコンクールを席巻することになるかも知れない。実際、出場者数でも中国がトップらしい。
ただ、16人の中で後に大看板になった人と言えば、ポリーニとアルゲリッチであることは間違いない。(次いでツィメンルマンか?)
この2人を優勝者として輩出したことがショパンコンクールの権威を高めることになったと言って差し支えないだろう。


ポリーニとアルゲリッチ
現役のピアニストでは最高の人気と実力を誇る2人だが、あらゆる点で対照的である。
情熱的で熱いアルゲリッチと、あくまでも知的でクールなポリーニと。
好きな曲しか録音しない、という点では一緒だが、アルゲリッチの方が徹底している。
2人のレパートリーは、お互いが避けているのではないかと思われるほど一致しない。
その中で、聴き比べがしやすいのがショパンの前奏曲集である。

ショパンの前奏曲には、24の前奏曲OP28のほか、独立した2曲がある。アルゲリッチ盤はその2曲も含めた演奏である。
ショパンの「24の前奏曲」は、バッハの平均律クラヴィーア曲集に触発され、24の全ての調を網羅した曲集として作曲された。
バッハが、ハ長調-ハ短調-嬰ハ長調-嬰ハ短調と、ひとつずつ上って行くのに対し、ショパンの前奏曲はハ長調-イ短調-ト長調-ホ短調という具合に、平行短調を挟みながら5度ずつ上って行き、ニ短調で終わる。
ショパンの前奏曲は、そのうちの何曲かが独立で演奏されることは少なく、24曲で大きなまとまりを持った1曲という感覚で捉えられることが多い。
急速な曲-ゆったりとした曲、明るい曲-暗い曲、激しい曲-穏やかな曲という、前後の対比が際立つ。
長さもまちまちで、最も長い15番が5分ほど。1分未満の曲もある。


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マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
1974年録音
知的でクールなポリーニの特徴がよく出た演奏。
分析的で、楽曲の構造がよくわかる。
LP時代、一番激しい16番でA面が終了し、B面にかけ替えて対照的な17番からという構成になっていた。
ここで一息入れることで、その対比を際立たせる意図があったと思われる。


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マルタ・アルゲリッチ(ピアノ
1975年録音
情熱的で、デモーニッシュな演奏として比類がない。
アルゲリッチは16番から間髪を入れずに17番に入る。逆に対比を際立たせる手法で、こういうやり方をするピアニストが多い。

ところでアルゲリッチの16番では、明らかに半音違って弾いている部分があるが、楽譜が違うのだろうか。前から気になっているところだ。
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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