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名盤コレクション58 セル/ライヴ・イン・東京

セル/ライヴ・イン・東京
ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団
録音:1970年5月22日 東京文化会館

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1970年、大阪で万国博覧会が開かれたが、その関連行事として多くの海外オーケストラが来日公演を行っている。
中でもジョージ・セル率いるクリーヴランド管弦楽団の初来日は大きな話題になった。
セルとともに、当時45歳のピエール・ブーレーズが指揮者として参加、他にピアニストのゲーリー・グラフマンが同行した。

公演は5月15日から26日まで計11回行われた。
大阪で4公演、東京で3公演、京都、名古屋、札幌で各1公演
指揮はセル8公演、ブーレーズ3公演である。
 5/15 大阪 セル
 5/16 大阪 セル
 5/17 大阪 ブーレーズ
 5/18 大阪 ブーレーズ
 5/20 京都 セル
 5/21 愛知 セル
 5/22 東京 セル
 5/23 東京 セル
 5/24 東京 ブーレーズ
 5/25 札幌 セル
 5/26 東京 セル

ここに挙げたCDは、東京での初日、5月22日に行われた公演をNHKが録音したもので、ファンの間では語り草になっている名演。録音も最良のものと言っていいだろう。

プログラムは
 ウェ-バー/歌劇「オベロン」序曲
 モーツァルト/交響曲第40番
 シベリウス/交響曲第2番
 ベルリオーズ/ラコッツィ行進曲(アンコール)
という、なかなかバラエティに富んだもので、いずれも名演だが、特にシベリウスの交響曲は、何と表現したらよいか全くわからないほどの、空前絶後の名演である。
これほどに熱いエネルギーに満ち溢れたシベリウスは珍しい。それでいてシベリウスの音楽には必ず感じられる、北欧の冷涼な空気感も感じられる稀有の演奏だ。これをライヴで聴けた人は本当にうらやましいと思う。
セルはその完璧なオーケストラ・ドランビングと正確無比な指揮から、機械的で冷たい演奏をする指揮者などと称されることが多かったが、この来日公演で評価が一変した。
やっぱり1回のライヴにまさるものはないのだろうか。
ライヴとスタジオ録音は違う、というのはわかる。だがライヴを聴けない者はどうしたらいいのだろうと、複雑な心境にもなる。

なおこの時の公演では、最終日のベートーヴェンの「英雄」が、ことのほか壮絶な名演であったと言われているが、その録音は残っていない。


来日当日、悪天候のため飛行機が名古屋にダイバートしたことや、前日に公演を行ったカラヤンとホテルで談笑したことなど、色々なエピソードがライナーノーツに書かれている。
このライナーノーツは面白いが、書いたのはソニー・ミュージックのプロデューサー京須偕充(きょうすともみつ)である。京須偕充と言えば、落語専門のプロデューサーだと思っていたので、ここでその名前を見たのは意外だった。


この公演が行われた2か月後の7月29日、秋に初来日が予定されていたジョン・バルビローリが急死し、初来日は叶わなかった。翌日の7月30日、セルが死去し、2日続けて20世紀を代表する巨匠が相次いで亡くなるという悲劇が音楽界を襲う。
1950年代~60年代がクラシック音楽演奏の黄金時代だったことを考えると、月並みな言い方だがひとつの時代が終わった年だったと言えるだろう。
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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