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大型カモメの分類と名称について

撮影 2019.11.9 千葉県銚子市

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(写真は本文とは関係なく、全てウミネコ)


「決定版日本のカモメ識別図鑑」(氏原巨雄・氏原道昭著)はすでに発売になっているので、手に取られた方も多いだろう。
3600円+税と、決して安くはないが、同じ著者による「カモメ識別ハンドブック」は絶版状態なので、今はこれを買うのがベストだろう。
同ハンドブックのシリーズ(文一総合出版)は、シギチのハンドブックも海鳥のハンドブックも絶版になっており、アマゾンの中古本市場では6000~7000円もの値段がついている。

「決定版日本のカモメ識別図鑑」は、「日本産鳥類目録第7版」とは特に大型カモメの分類については一線を画していることはすでに触れた。
当ブログで「決定版日本のカモメ識別図鑑」の分類及び名称を採用することにした理由は、主に「ニシセグロカモメ」と「キアシセグロカモメ」についての記述である。

「ニシセグロカモメ」については、以前の図鑑には「ホイグリンカモメ」という種類が掲載されていたが、現在の図鑑では「ニシセグロカモメ」になっている。
「日本産鳥類目録第7版」では、
 Larus fuscus ニシセグロカモメ
 Larus fuscus heuglini 亜種ニシセグロカモメ
という記述になっていて、基亜種と亜種が同じ和名になっているのはおかしいと、以前にも指摘した。
Larus fuscusはヨーロッパのカモメで、日本では未記録と思われる。にもかかわらず目録に載せられたのも不思議だ。(記録があるカリフォルニアカモメとクロワカモメについては記載されていない)
「決定版日本のカモメ識別図鑑」では、
 Larus fuscus ニシセグロカモメ(未記録種として巻末に記載)
 Larus fuscus heuglini 亜種ヒューグリンカモメ
とし、その矛盾を解消している。
なお従来の「ホイグリン」という読み方に関しては、これだけが唐突にドイツ語風の読み方はおかしいので、英語乃至はラテン語の読みに近い「ヒューグリン」に改めたものと思われる。

「キアシセグロカモメ」についても同様で、「日本産鳥類目録第7版」では
 Larus cachinnans キアシセグロカモメ
 Larus cachinnans mongolicus 亜種キアシセグロカモメ
という記載になっていて、和名では区別が出来ないし、そもそも足が黄色くない種類に「キアシセグロカモメ」の名称はふさわしくないと思う。
これも「決定版日本のカモメ識別図鑑」では、モンゴルセグロカモメはセグロカモメの亜種であるという考えを採用し、
 Larus cachinnans カスピセグロカモメ
 Larus vegae mongolicus (セグロカモメの亜種モンゴルセグロカモメ)
とした。

セグロカモメについてはどうかと言うと、「日本産鳥類目録第7版」では
 Larus argentatus セグロカモメ
 Larus argentatus vegae 亜種セグロカモメ
 Larus argentatus smithonianus 亜種アメリカセグロカモメ
とし、日本で見られるセグロカモメはヨーロッパのセグロカモメの亜種であるとした。(アメリカセグロカモメも亜種扱い)
これに対し、「決定版日本のカモメ識別図鑑」では
 Larus argentatus ヨーロッパセグロカモメ(未記録種として巻末に記載)
 Larus vegae セグロカモメ
 Larus smithonianus アメリカセグロカモメ
とし、全て別種とした。亜種と見るか別種と見るかは研究者によって見解が分かれるところだと思うので、ここでは問題にしない。ただ、ヨーロッパセグロカモメという和名をつけたことでわかりやすくなったのではないだろうか。

カモメの名称についてはいつも問題になるが、「日本産鳥類目録第7版」では
 Larus canus カモメ
 Larus canus kamtschatschensis 亜種カモメ
 Larus canus heinei 亜種ニシシベリアカモメ
 Larus canus brachyrhynchus 亜種コカモメ
という記載。
これに対し、「決定版日本のカモメ識別図鑑」では
 Larus canus ニシカモメ(未記録種)
 Larus canus kamtschatschensis 亜種カモメ
 Larus canus heinei 亜種ニシシベリアカモメ
 Larus canus brachyrhynchus 亜種コカモメ
となっていて、「ニシカモメ」の名称を採用している。
ここでは亜種カモメの英語名に”Kamchatka Gull”の名を採用しているので、個人的には亜種カムチャッカカモメという名称がいいのではないかと思う。

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