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名盤コレクション61 R・シュトラウス/歌劇「カプリッチョ」(ベーム/バイエルン放送SO)

リヒャルト・シュトラウス/歌劇「カプリッチョ」全曲
カール・ベーム指揮バイエルン放送交響楽団

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伯爵令嬢:グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)
伯爵(令嬢の兄):ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
フラマン:ペーター・シュライヤー(テノール)
オリヴィエ:ヘルマン・プライ(バリトン)
ラ・ローシュ:カール・リッダーブッシュ(バス)
クレーロン:タティアーナ・トロヤノス(メゾソプラノ)
ムッシュー・トープ:デイヴィッド・ソー(テノール)
イタリアの歌手(ソプラノ):アーリン・オジェー(ソプラノ)
イタリアの歌手(テノール):アントン・デ・リッダー(テノール)
家令:カール・クリスティアン・コーン(バス)
8人の召使:アルベルト・ガスナー、ヨーゼフ・ヴェーバー、ゲオルク・バウムガルトナー、パウル・ハンセン、テオドール・ニコライ、
カール・クライレ、ペーター・シュランナー、ハインリヒ・ヴェーバー(バイエルン放送合唱団員)
3人の楽士:ルドルフ・ケッケルト(ヴァイオリン)、ヴァルター・ノータス(ヴィオラ)、ヘトヴィッヒ・ビルグラム(チェロ)

録音:1971年4月、ミュンヘン

クレメンス・クラウスは1893年、ウィーンの生まれ。
実はウィーン生まれの大指揮者というのは意外に少なく、他にはエーリッヒ・クライバーがいるぐらいだ。クラウスがニューイヤーコンサートを仕切ったのは当然だろう。
そんなわけで、クレメンス・クラウス=シュトラウス・ファミリーの音楽、みたいな印象に見られがちだが、彼が最も得意としたのは、同じシュトラウスでもリヒャルト・シュトラウスの方である。

クラウスはシュトラウスと親交があり、シュトラウスの良き理解者だった。
シュトラウス最後のオペラ「カプリッチョ」は、2人の協働から生まれている。サブタイトルにも「クレメンス・クラウスとリヒャルト・シュトラウスによる音楽についての1幕の対話劇」とある。
「カプリッチョ」というタイトルも、クラウスの提案だという。

シュトラウスは、モ-ツァルトとの確執で名高い作曲家サリエリの「はじめに言葉、あとに音楽」というオペラの存在を知り、その翻案として風変わりなオペラの作曲を思い立った。
台本執筆を依頼されたのがクラウスである。
オペラは全1幕で切れ目なく演奏されるが、全体は13景からなる。


あらすじ(Wikipediaの記事から編集)
1775年頃、パリ郊外の城にあるロココ風のサロン。
音楽家フラマンと詩人オリヴィエは、伯爵令嬢マドレーヌに恋している。
2人は伯爵令嬢がどちらを選ぶかで言い争っているが、論争は次第に「音楽か言葉か」ということに発展する。
劇場支配人のラ・ローシュも加わり、大オペラ論争になる。
3人が去ると伯爵令嬢と兄の伯爵が登場し、音楽を賛美する伯爵令嬢を兄がからかう。
伯爵夫人は兄を、女優のクレーロンにぞっこんだから戯曲の方が好きなのね、と冷やかす。

一同で伯爵令嬢の誕生パーティーの打ち合わせをしているところに、パリから女優のクレーロンが到着する。
伯爵はクレーロンと、オリヴィエの書いたソネットを朗読する。
2人が去ると、オリヴィエは伯爵夫人の前でその詩を読み上げ、彼女に献上して愛を打明けようとする。
フラマンはこの詩に旋律をつけて歌にするが、韻がメチャクチャになったとオリヴィエは激怒する。
伯爵夫人は音楽が詩に輝きを与えたと言う。
オリヴィエが去った後、フラマンは伯爵夫人に愛を告白する。
彼女は明日の11時に書斎でと答える。

パーティーが始まる。
バレエやイタリア人歌手の二重唱が披露される。
劇場支配人が、計画中の二つの劇について語ると、一同は嘲笑したり反発したりする。
怒った劇場支配人は、自分の芸術論を熱く語る。
伯爵令嬢はオペラを作ってほしいと言うと伯爵が「今日ここで起こったことをオペラにしよう」と提案する。
皆は納得し、散会となる。

家令は伯爵令嬢に、「明日11時、オペラの結末を聞くために書斎で待っている」とのオリヴィエの伝言を伝える。
フラマンと約束をした同じ時刻と場所である。
どちらを選ぶべきか……伯爵夫人はハープを弾きながら、ソネットを今一度歌い、鏡の中の自分に問いかけるが答えは出ない。
伯爵夫人が部屋を出ると、この結論を暗示するかのようなホルンの動機が響き、幕となる。


オペラのテーマは「言葉が先か、音楽が先か」
なるほど、オペラは音楽なのか、演劇なのかという、根源的な疑問にも通じる。
ポピュラー音楽でも、「詩が先か、曲が先か」という議論は昔からある。そんなことも思い起こさせる。

舞台上で登場人物がオペラ論を戦わせると言う、意表を突いた作品である。
「ナクソス島のアリアドネ」を書いたシュトラウスならではの作品とも言えるだろうか。
シュトラウスは、その芸術論的な問題と、伯爵令嬢の恋愛問題とが並行して展開し、最後に結論を出さず、すべてが未決定で終わるということ、筋の展開は必ずしも上品である必要はないということをクラウスに提案した。

クラウスはこの作品以後もシュトラウスと協働作業を望んだが、シュトラウスは「この作品は自分の生涯の演劇創作の裁量の終結である。人は遺書をひとつしか書けないものだ」として断った。
ある意味では、オペラ作曲家リヒャルト・シュトラウスの到達点であったのだろう。

録音はそれほど多くはない。テーマがオペラ論でとっつきにくいせいだろうか。
ベーム盤はサヴァリッシュ盤と並んで、名盤とされている。
主要な配役に、これでもかという豪華メンバーを揃えている。
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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