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名盤コレクション10 マーラー/歌曲集「子供の不思議な角笛」


マーラー/歌曲集「子供の不思議な角笛」
ジョージ・セル/ロンドン交響楽団
エリザベート・シュヴァルツコップ(ソプラノ=S)
ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン=B)
1969年録音

 1 死んだ鼓手(B)
 2 うき世の暮らし(S)
 3 無駄な骨折り(S+B)
 4 ラインの伝説(S)
 5 少年鼓手(B)
 6 歩哨の夜の歌(B+S)
 7 この歌をひねり出したのはだれ?(B)
 8 高遠なる知性のおほめの言葉(S)
 9 魚に説教するパドヴァのアントニウス(B)
10 塔の中の囚人の歌(B+S)
11 不幸の中の慰め(B+S)
12 美しいトランペットの鳴り渡るところ(S+B)

「子供の不思議な角笛」は、ルートヴィッヒ・アルニムとクレメンス・ブレンターノが収集したドイツの民謡詩集で、ドイツのマザーグースと呼ばれる」こともある。
同時期に編集されたグリム童話と並んで、ドイツの代表的な民族的遺産とされる。
この中にはおよそ600篇のテキストが含まれていて、多くの詩人や音楽家がこれを創作の源としている。

マーラーの「子供の不思議な角笛」は1905年に12曲の歌曲集として出版された。
その後、「三人の天使が歌った」と「原光」をはずし、代わりに「死んだ鼓手」「少年鼓手」の2曲を加えて、曲数は変わらず12曲となっている。
ちなみに、「三人の天使が歌った」は、交響曲第3番の第5楽章に、「原光」は交響曲第2番の第4楽章に転用されている。

「魚に説教するパドヴァのアントニウス」のメロディは、交響曲第2番の第3楽章に使われているほか、この曲集には入っていないが、「子供の不思議な角笛」をテキストとし、のちに交響曲第4番に転用された「天上の生活」も関連が深く、そのため交響曲第2、3、4番を合わせて「角笛交響曲」と呼ばれている。

また、「高遠なる知性のおほめの言葉」のメロディは、交響曲第5番のフィナーレに現れる。
このようにマーラー前期の交響曲との深い関係を考えると、この歌曲集の重要性は明らかだ。


ここに挙げたのは、シュヴァルツコップとフィッシャー=ディースカウと言う、20世紀を代表する大歌手2人をソリストに迎え、セルがロンドン響を指揮したもので、名盤中の名盤として名高いものである。

ところでセルという指揮者は、協奏曲のようにソリストと競演する場合、ソリストに好きなようにやらせて自分は伴奏に徹するという人ではない。
全ては自分が完全にコントロールして、精緻な音楽を創り上げる人である。
セルがシュヴァルツコップとフィッシャー=ディースカウと言う、やや表現過剰なところもある大歌手2人を相手に、どのようにバックをつけるのかが非常に興味深いところだが、ここでのセルは、大歌手を立てるかのように、非常に丁寧にオケを鳴らしている感じが好ましく感じられる。

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ジャンル : 音楽

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