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チャイコフスキー/弦楽セレナード(バルビローリ指揮)


1 チャイコフスキー/弦楽セレナードハ長調OP48
2 アレンスキー/チャイコフスキーの主題による変奏曲OP35a
ジョン・バルビローリ/ロンドン交響楽団
1964年録音

モーツァルトへのオマージュとも言われているチャイコフスキーの作品と、そのチャイコフスキーへの追悼の意味で作曲された、アレンスキーの作品を組み合わせた面白い選曲である。


「弦楽セレナード」は、1880年の作品。
交響曲第4番を作曲したあと、彼はアントニーナ・イワーノヴナ・ミリューコヴァという女性と結婚をする。その結婚の結果、チャイコフスキーは自殺未遂に追い込まれるほどの精神的痛手を受けるのだが、その後しばらくは大曲の作曲から遠ざかり、ヨーロッパ各地を旅するようになる。
その頃、チャイコフスキーは表面的な効果を狙ったヨーロッパ音楽の傾向を嫌い、最も敬愛するモーツァルトの精神に立ち帰るという意図から作曲されたと言われている。
チャイコフスキーのパトロンであり、精神的支柱でもあったフォン・メック夫人への手紙の中で、「強い内的衝動によって書かれたもので、だからこそ真の芸術的な価値を失わないものです」と記している。
ただ、同時期に序曲「1812年」のような曲を書いてもいるから、言動が首尾一貫しているとは言いがたい。
言わばスランプの時期だったが、自分でも納得の作品だったことはこの手紙からも伺える。

曲は4つの楽章から成り、特に第1楽章冒頭の序奏は、いかにもチャイコフスキーらしい、メランコリックでありながらも堂々たるもので、一度聴いたら忘れられない魅力を持ったものだ。
この序奏はこれまでにも様々な場面で使われたが、特に最近では人材派遣会社スタッフサービスのCMで使われたので、今や知らない人はいないだろう。
この序奏は第1楽章の終結部で再現されるほか、第4楽章の終結部でも再現され、全曲を締めくくる。
この作品は「モーツァルトへのオマージュ」と言われてはいるものの、全体的にはチャイコフスキーの特質が前面に出た、極めてチャイコフスキーらしい作品のひとつだと思う。
その特徴は第2楽章の「ワルツ」にもよく表れている。

アントン・アレンスキーは1861年、ロシアに生まれた作曲家。わずか45年の生涯だったが、多くの作品を残している。作風は叙情的な傾向が強く、折衷主義的との批判もある。
作曲をリムスキー=コルサコフに学んだこともあり、初めはリムスキー=コルサコフの影響が大きかったが、後にチャイコフスキーの影響を受けるようになる。
師であるリムスキー=コルサコフによるアレンスキー評は「彼は早晩忘れ去られるだろう」と手厳しい。
「チャイコフスキーの主題による変奏曲」は、弦楽四重奏曲第2番OP35の第2楽章を弦楽合奏用に編曲したもので、チャイコフスキーに対する追悼の意味で作曲されたと言われている。

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