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静岡県富士山世界遺産センター

静岡県富士山世界遺産センター
静岡県富士宮市
設計:坂茂建築設計

静岡県富士山世界遺産センターは、富士山の世界遺産登録を記念して、昨年の12月に開館した。
世界遺産としての「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」を、歴史、文化、自然などの観点から伝えていくための拠点施設と位置付けられている。







JR身延線富士宮駅から徒歩6分ほど。富士山本宮浅間大社の入り口に位置する。
設計は、コンペで選ばれた坂茂(ばん しげる)が担当した。
坂茂は1990年代に、紙管を構造材に使用した建築で注目を集めた。
災害時の仮設住宅の計画などにも積極的に関わり、世界的に活躍する建築家として日本を代表する一人である。







逆円錐型の展示棟は、言うまでもなく逆さ富士のアイコンである。逆さ富士が浅く水を張った広大な水盤に正立の富士を映し出す光景がとりあえずの見どころだろう。
本物の富士は水盤に逆さ富士を映し出す。この競演はなかなか見事だが、今回は若干波が立ってしまったのは残念だった。




大鳥居は富士山信仰のアイコンであることは言うまでもない。
加えて展示棟を形作る富士ヒノキの格子は、世界で活躍する建築家、坂茂を示すアイコンでもある。
「いかにも」というアイコンが散りばめられた光景は、誰しもカメラを向けたくなる。流行の「インスタ映え」の聖地と化している印象がある。




逆円錐型の展示棟は、底部が直径10mの円だが、頂部では長径46m、短径29.2mの楕円になっている。
さりげなく見えるが、構造的には曲芸に近いことをやっている。5階の床(下から見ると庇に見える部分)の剛性で展示棟のバランスを取っているのだろう。この部分は結構な厚みがあるが、斜めにすることで薄くシャープに見せている。よくある手法ではあるが、正面から見た時の角度は絶妙である。










いささか奇を衒った造形にも見えるが、内部空間は合理的である。
展示棟の内部には直径7mのコアがあり、傾斜した壁面に沿ってスロープが最上階(5階)まで続いている。
入館者は壁面に投影される環境映像を見ながら、5階まで擬似登山をする仕掛けだ。




5階は展望ホールになっていて、大きな開口部に本物の富士山が借景として現れるというのは予想通りだが、その光景は感動的ですらある。




床は反射率の高い材料が使われていて、逆さ富士を映し出す。
逆富士型のスツールは展示棟のメタファーであることにも注目。




ここから登って着たスロープを、展示を見ながら下ることになる。
展示の内容は映像中心のイメージ的なものが多く、資料的価値としては若干薄い展示のような気がする。
1階のカフェとミュージアムショップは、もう少し充実させた方がいいように思う。




展示棟と他の部分は、地震時の挙動が大きく異なるため、耐震的には縁を切っているようだ。


開館して間もなく、その強烈で個性的な外観からか、多くの人で賑わっているようだ。
この日は絶好の天気で、富士山を眺めるには最高だったが、水盤に波が立ってしまったのが残念だった。
本当にインスタ映えする写真を撮りたかったら、快晴無風の夜明けか、日没の直後がいいだろう。

なお、「富士山世界遺産センター」という施設は山梨県にもあるので、検索の際には注意のこと。
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