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ライナーの「シェエラザード」


リムスキー=コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」(1960年録音)
ストラヴィンスキー/交響詩「ナイチンゲールの歌」(1956年録音)
フリッツ・ライナー/シカゴ交響楽団

ステレオ再生の発想は19世紀にまで遡る。それは電話回線を利用し、2つの電話機を両方の耳に当てて聴くというアイデアだったようだ。
映画の世界では、1940年のディズニー映画「ファンタジア」ですでにステレオが採用されている。

音楽でステレオ録音が本格的に行われるようになるのは1954年ごろだが、初めは磁気テープによる発売だった。
レコード盤の1本の溝に左右2チャンネルの音を記録する規格が統一され、ステレオのLPが発売されるのは1958年のことである。

今から思うと、モノラルに対してステレオの優位性は明らかなようにも思えるが、当時はまだステレオに懐疑的なレーベルも多かった。
ステレオ再生となるとアンプもスピーカーも2台揃えなければならない。モノラル録音の技術は確立されていたし、モノラルで十分という意見も多かったのだと言う。
1970年代に4チャンネルが一時ブームになった時のことはよく覚えている。
同じような葛藤が当時あったのだろう。ただし、ステレオは結局成功したが4チャンネルは大コケだった。

RCAはステレオ録音に積極的なレーベルだった。
そのRCAが発売したステレオ録音のシリーズが「リヴィング・ステレオ」である。
左右のスピーカー・コーンの間に、誇らしげにLIVING STEREOの文字が踊るデザインは、ステレオ時代の幕開けを告げるという意気込みが感じられる。
実際、このシリーズの録音の良さは、今聴いても驚嘆すべきレベルだ。


■リムスキー=コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」

ライナーによるシェエラザードは珍しく、実演で取り上げたのもこの録音の直前に1回あるだけだそうだ。
リムスキー=コルサコフは、管弦楽法の教科書も書いているほどの大家である。
オーケストレーションの大家と言うと、ベルリオーズやラヴェルなどの名前も挙げられるが、リムスキー=コルサコフの特徴はやっぱり色彩感豊かな、華麗なオーケストレーションということが言えるだろう。
絢爛で華麗なサウンドが展開する「シェエラザード」は、ステレオの効果をデモンストレーションするには絶好の楽曲で、そういう意味での選曲だったのだろうと思う。


■ストラヴィンスキー/交響詩「ナイチンゲールの歌」

「ナイチンゲールの歌」は、アンデルセンの原作に基づくオペラで、後に交響詩あるいはバレエとして改作したもの。

舞台は中国
皇帝の御苑で、美しい声で鳴くナイチンゲールが評判だったが、皇帝はその鳥を知らず、家来に探させる。
宮中に赴いたナイチンゲールは、その美しい鳴き声で皇帝を感動させ宮中に留まるが、ある日、日本の皇帝(天皇?)から細工物のナイチンゲールが贈られる。
美しい細工物のナイチンゲールが同じ節で美しい鳴き声を奏で続け人気を集める一方、本物のナイチンゲールはいなくなってしまう。
皆は常に同じ節で鳴く細工物のナイチンゲールに満足し、誰もがその節を覚えてしまう。
それから5年、皇帝は重い病にかかり死の床につく。すでに死神に魅入られていたのだった。
皇帝は細工物のナイチンゲールの声を求めるが、ねじを巻く者はいなかった。
そこに本物のナイチンゲールがやってきて鳴き声を聞かせると、死神は消え、皇帝は死の淵から復活する。

原作がアンデルセンなのでナイチンゲールなのだろうが、中国が舞台となるとナイチンゲールではおかしい。
コウライウグイスなのではないか、などと鳥屋としては余計なことを考えてしまう。

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