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ワーグナー/歌劇「ローエングリン」(サヴァリッシュ指揮)



ワーグナー/歌劇「ローエングリン」
ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団

配役
 ジェス・トーマス(ローエングリン)
 アニヤ・シリア(エルザ)
 アストリッド・ヴァルナイ(オルトルート)
 ラモン・ヴィナイ(テルラムント)
 フランツ・クラス(国王ハインリヒ)他

バイロイト音楽祭でのライブ
1962年、録音のLP


ワーグナーの主要な作品としては「さまよえるオランダ人」「タンホイザー」に続く作品である。
聖杯の騎士パルジファルの息子ローエングリンと、ブラバント公エルザの物語。
ワーグナーの作品の中では比較的わかりやすく、人気の高い作品である。
純粋な乙女の犠牲によって魂が救済される、というワーグナー的世界観はここでも色濃く表れている。


ところでこの作品までは「歌劇」とされていて、以降の作品(ニーベルングの指環4部作、トリスタンとイゾルデなど)は主に「楽劇」となっている。
ここで「歌劇」と「楽劇」の違いは何かという問題に突き当たる。

日本語訳では同じような感じだが、原語では
 歌劇=Opera
 楽劇=Musikdrama

”Opera”は作品を表す”Opus”の複数形で、単に「音楽作品」、あるいは複数形というところに注目すると「複数の音楽をつなげた作品」のような意味に読み取れる。
古典的なオペラは、独唱、重唱、合唱などを台詞に近いレチタティーヴォでつないでいる構成が一般的で、あくまでも主役は「歌」、ストーリーは二の次であるという場合も多い。
冒頭に演奏される「序曲」にしても、オペラの始まりの合図程度の意味合いしか持たないことも多い。
テレビドラマの主題歌みたいなものである。(テレビドラマの主題歌は、ドラマの内容にはほとんど関係ない場合がよくある)

これに対してワーグナーは、音楽と演劇を一体化した総合芸術として「楽劇」”Musikdrama”を創始した。
序曲も前奏曲という形式に変え、前奏曲が作品全体のイメージを凝縮するようなものに変化して行く。
「ローエングリン」においても、第1幕と第3幕冒頭には、それぞれ性格の異なる前奏曲が置かれ、「楽劇」の要素が垣間見える。

美しい旋律が印象的な「第1幕への前奏曲」、勇壮な「第3幕への前奏曲」はしばしば単独でも演奏され、管弦楽作品としても傑作とされている。
「第3幕への前奏曲」のすぐあとは有名な「婚礼の合唱」である。いわゆる「ワーグナーの結婚行進曲」で、これも飛び切り有名だ。




「第1幕への前奏曲」はチャップリンの「独裁者」で効果的に使われた。

独裁者ヒンケルが地球儀を模したバルーンをもてあそぶ、映画史に残る名場面のバックに使われた。
あのシーンにドナルド・トランプの姿が重なって見える今日このごろである。


「第1幕への前奏曲」は、映画のラスト、床屋のチャーリーが恋人に語りかける場面でも使われている。
そのあたりに、チャップリンのメッセージを感じ取って見たいと思う。
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