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Sanderling



チャイコフスキー/交響曲第4、5、6番
クルト・ザンデルリンク指揮ベルリン交響楽団
1978~9年録音

デジタル録音(PCM録音)を世界で初めて実用化したのは日本コロムビア(後のDENON)である。
CDが発売になる10年前、1972年のことだ。
映像記録用のVTRに記録する方式で、量子化ビット数は13ビット、サンプリング周波数は47.25KHzである。
ちなみに「PCM録音」というのは、日本コロムビアの登録商標だった。

その後色々な変遷はあるが、16ビット、44.1KHzに収まった。
同時期に開発を進めていたソニーの規格が採用された結果である。
この44.1KHzという、いささか半端な数字には面白い理由があるようだ。

ソニーが開発したPCM録音機は、日本コロムビアと同様、磁気テープに記録する方式だった。
磁気テープと言うと、テープレコーダーが思い浮かぶが、固定ヘッド方式では高密度のデジタルデータを記録することが出来ない。そこでVHSビデオデッキの機構を流用することにした。

テレビ信号は、1秒当たり15750本の走査線が走っている。
VHSビデオデッキは、テープに対してヘッドが1回転する間にデータ線が525本記録される。
ただ、回転するヘッドの両端部分は不安定であるため、その部分35本は使わず、残り490本を使用することにした。
PCM録音機では、このデータ線1本にデジタルデータ3個を記録することにしている。
 15750×(490/525)×3=44100
というわけだ。

量子化ビット数の方は、フィリップスが14ビットを提唱したが、ソニーの16ビットが採用された。
ベートーヴェンの交響曲第9番が1枚に収まるように、というカラヤンの主張で、16ビットで直径12cmというCDの規格が決まったという経緯もある。

・・・・・・

さて日本コロムビアによる記念すべきPCM第1号録音は、スメタナ四重奏団によるモーツァルトの弦楽四重奏曲第15番と第17番だった。
スメタナ四重奏団は、その後ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲を録音。デジタル初期の貴重な記録として知られている。

日本コロムビアは、自社のラインナップにオーケストラ録音を拡充させるため、1978年からクルト・ザンデルリンク指揮のベルリン交響楽団を起用し、チャイコフスキーの後期交響曲集の録音を開始する。
ドイツ(当時は東ドイツ)のオーケストラとしては初めてのデジタル録音だった。

この録音は、オーケストラの音質、演奏とも非常に渋い印象を受けるもので、華麗さを求める市場のニーズには合わず、なかなか受け入れられなかった。
今聴いても、「いぶし銀」というと聞こえはいいが、非常に渋い、ある意味地味なチャイコフスキーである。
ザンデルリンクと東欧のオーケストラという組み合わせには、こういう音が似あっているのだろうか。

・・・・・・




ここからは鳥屋さん向けの記事
ザンデルリンク ”Sanderling” という表記を見て気が付いたこと。
Sanderling とは「ミユビシギ」の英語名である。
何となく「サンダーリング」と読んでいたが、ドイツ語読みならば確かに「ザンデルリンク」と読める。
Sanderling の意味を検索すると、「ミユビシギ」とか「千鳥」とか出ている。
ザンデルリンクは「千鳥さん」だったのか。
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