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ホロヴィッツ・ヒストリック・リターン


ホロヴィッツ・ヒストリック・リターン

バッハ(ブゾーニ編)/トッカータ、アダージョとフーガハ長調BWV564
シューマン/幻想曲ハ長調OP17
スクリャービン/ピアノソナタ第9番OP68「黒ミサ」
スクリャービン/詩曲嬰ヘ長調OP32-1
ショパン/マズルカ第21番嬰ハ短調OP30-4
ショパン/練習曲第8番ヘ長調OP10-8
ショパン/バラード第1番ト短調OP23
ドビュッシー/人形へのセレナード(「子供の領分」より)
スクリャービン/練習曲嬰ハ短調OP2-1
モシュコフスキ/練習曲OP72-11
シューマン/トロイメライ(「子供の情景」より)

1965年5月9日、ニューヨーク、カーネギー・ホール


ホロヴィッツという人はかなり神経質な人物だった。
ステージに出る際には、誰かに背中を押してもらわなければ出られなかったとさえ言われている。
そんな性格からか、1953年に行われたアメリカデビュー25周年のリサイタル以降、ステージ活動を全く行わなくなった。
彼のような超一流のピアニストでも、数千人が見守るステージで、たった一人で演奏するということには特別なプレッシャーがあるのだろうと思う。

ホロヴィッツだけではない。
グールドはある時期からライブを一切行わず、録音に専念した。
リヒテルの晩年は、メガネをかけて楽譜を見ながら演奏するというスタイルを押し通した。
アルゲリッチは、1980年代からソロ活動をほとんど行わず、室内楽やデュオに専念している。

事情は色々あるのだろう。大ピアニストたちの心中は我々にはわからないけれど。


ともあれホロヴィッツは、12年の沈黙を経て1965年5月9日に、再びカーネギーホールのステージに立った。
そのライヴ録音は「ヒストリック・リターン」として知られている。

12年ぶりのステージとあって、一大センセーションを巻き起こした。
寒風の中、チケットを求めて行列を作る人々に、ワンダ夫人(トスカニーニの娘)が熱いコーヒーを振舞ったエピソードも有名だ。
「12時間待っています」という人に、ワンダ夫人は「私は12年間待ったのよ」と答えたとか。

相当の緊張だったのだろう。バッハの冒頭、派手に音をはずしているが、その後は持ち直し、次第にホロヴィッツならではの演奏になって行く。特に得意のスクリャービンのソナタは絶品だ。

ただ、プログラム最後の「バラード」(あとの4曲はアンコール)は、疲れたのかホロヴィッツらしからぬ、かなり危なっかしいところのある演奏である。

アンコールの4曲はなかなか気の利いた選曲でもあるし、演奏はさすがだ。
聴いていて気になるのが、フライング拍手が多いことだ。
「オン・テレヴィジョン」でも最後の拍手がフライングである。アメリカの聴衆ってああなのだろうか。

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