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シェルヘンのマーラー/交響曲第5番

マーラー/交響曲第5番
ヘルマン・シェルヘン指揮フランス国立放送管弦楽団
1965年 シャンゼリゼ劇場でのライブ録音



これは曰くつきの録音で、その方面では夙に有名だが、これまで聴く機会がなかった。
タワーレコードのメルマガに載っていたので、つい買ってしまった。
タワレコにうまく乗せられた形だ。

収録曲
バッハ/フーガの技法より(シェルヘン編曲)
バリフ/角笛と猟犬
マーラー/交響曲第5番

これは当日のプログラム通りなのだろうが、マーラー5番の”余白”に、そこそこ長い曲が2曲も入っているというのは普通はありえない。この録音ならではの特徴だ。
ちなみにクロード・バリフはメシアンの弟子で、現代音楽を得意としたシェルヘンならではの選曲かも知れない。

問題のマーラー
まず第1楽章
これは割と普通だ。ただ、この指揮者はスイッチが入ると止まらなくなるような傾向があって、そういうところは各所に表れている。

第2楽章
冒頭から物凄いスピードだが、中間部では一転して極端に遅くなる。
この録音の傾向として、速いところは無茶苦茶速く、遅いところは逆に無茶苦茶遅くなる。
後半はまたまた猛スピードで、結果、タイミング的には普通。

第3楽章
一番問題の部分で、わずかに5分半ほどで終わってしまう。(15分の間違いではない)
バッサリカットしまくった上に、猛スピードで駆け抜けるのである。
ただ予備知識なしにこれだけ聴いたら、意外によくまとまった曲に聞こえなくもない。

第4楽章
これはもともとゆったりしたテンポの楽章だからか、とりわけゆっくりとした、非常に耽美的な演奏である。
この楽章を「サロンミュージックのようだ」と揶揄した人もいるようなので、これは一種のあてつけなのかとも思う。
さすがにこれだけテンポの遅いアダージェットは珍しいと思うが、どう料理してもこのアダージェットは美しいと思わざるを得ない。

第5楽章
第3楽章ほどではないが、またまたカットしまくりの楽章である。むしろ違和感の方はこちらの方が強い。
途中何度もびっくりさせられるが、最後のコーダの部分の意味不明なカットはどういうつもりなのだろうか。喧嘩を売っているとしか思えない。
変なカットをしなければ、かなり素晴らしい演奏になっているに違いないのだが。

最期に拍手とブラヴォー、ブーイングの応酬があるという曰くつきの録音だが、その部分は15秒ほどでカットされている。そこはもっと聞きたかったところだ。




ウィーン国立歌劇場管弦楽団との演奏
1953年録音
(写真はネットから)

上の録音から12年前の録音。
ここでも第1、第2楽章はかなり個性的な演奏なのだが、以降は極めて真っ当な演奏である。
フランス国立管との演奏でバッサリ切りまくった第3、第5楽章も普通に演奏している。
第4楽章のアダージェットは逆に極めて速いテンポで、4分も短い。
それはそれで極端だが、アダージェットに関してはこれも非常に魅力的だ。
モノラル録音ではあるが、なかなかの名演奏と言ってもいいように思う。

一部の録音を取り上げて、「爆演指揮者」などというレッテルを貼られることが多いシェルヘンだが、同じ曲を振った2枚を聴き比べても、一筋縄ではいかない指揮者だと思う。
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