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国立西洋美術館

上野の国立西洋美術館がユネスコの世界遺産に登録される見通しとなった。
「ル・コルビュジェの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献」というのが正式な名称だ。
ル・コルビュジェが残した作品のうち、国立西洋美術館を含む17の作品を一括して登録する。
母国フランスを含めて7か国にまたがっているという、珍しい例となる。


先週、カラヴァッジョ展に行って来たばかりだ。
先週行っておいてよかった。今週末はこのニュースの影響で大混雑になるだろう。
直接の関係はないが、若冲展も今週末が会期中最後の土日になるので、絶望的なほどの混雑になると思われる。



外観




中央に位置する吹き抜けの「19世紀ホール」
コルビュジェによって命名された。
三角形のトップライトから自然光が降りそそぐ。




2階展示室は、中央の吹き抜けを囲む形の回廊になっている。
天井が低くなってい部分は、屋根からの自然光を取り入れる装置だが、現在は人工照明によっている。
中3階に登る階段は、使われたことがない。




奥に見えるのは、フェルメール作とされる「聖プラクセディス」
この作品のみ撮影不可(この写真は展示室全体を撮影したものなので可)
「聖プラクセディス」は個人蔵で、国立西洋美術館が寄託を受けているのものである。(そのために撮影不可なのだと思われる)
フェルメールの作作品であるかどうか、見解が分かれている。
真作であるにしても、イタリアの画家フェリーチェ・フィケレッリの模写であるとされている。




新館増築の際に作られた模型
19世紀ホールと、それを取り囲む回廊状の展示室、そこに自然光を取り入れるための仕組みがよくわかる。

・・・・・・

ル・コルビュジェはペンネームで、本名はシャルル・エドゥアール・ジャンヌレと言う。
フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエと並んで、世界三大建築家と称される。
なおこの名前は発音しにくいので、色々な表記が見られる。
NHKでも、朝日新聞でも「コルビュジエ」を使っているが、自分は慣例として「コルビュジェ」を採用している。

代表作は、サヴォワ邸、マルセイユのユニテ、ロンシャンの教会、ラ・トゥーレット修道院、チャンディガールなど。
国立西洋美術館がコルビュジェの代表作のひとつとされることは、普通はない。
コルビュジェは基本設計を手掛けたのみで、実施設計は前川國男、坂倉準三、吉坂隆正を中心に行われたからである。
実際に見たことがあるが、コルビュジェは3枚ほどのスケッチを残しただけである。
それでもこの建築がコルビュジェの重要な作品として世界遺産に登録されることになったのは、コルビュジェの建築とその思想が日本に与えた影響の大きさが評価されたのではないかと考える。(選定理由にも「近代建築運動への顕著な貢献」とある)
実際、コルビュジェが日本の近代建築に与えた影響の大きさは計り知れない。
それは世界中で、日本において一番大きかったと思われる。
コルビュジェに直接師事した、前述の前川國男、坂倉準三、吉坂隆正を始め、丹下健三もコルビュジェに多大な影響を受けている。
前川や丹下から連なる日本の近代建築の系譜を見れば、コルビュジェという建築家の存在は巨大である。

そう考えた時、前川國男の存在に今一度思いを馳せて見よう。
西洋美術館に増築された新館は、前川によって設計された。
西洋美術館に向かい合う東京文化会館も、若冲展で賑わう東京都美術館も前川の設計である。
今後、西洋美術館を見る人は、コルビュジェの影響をストレートに受けた戦後日本建築の代表的傑作、東京文化会館にもぜひ注目してほしい。
この向かい合う2つの建築は、戦後日本建築の金字塔であると今さらながら思う。
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