FC2ブログ

シューベルト/交響曲第9番「大ハ長調」(テンシュテット/BPO)


シューベルト/交響曲第9番ハ長調D944「グレート」
クラウス・テンシュテット/ベルリン・フィル
1983年録音のLP

テンシュテットのシューベルト録音というのは少ない。
詳しいディスコグラフィーなどは把握していないが、正式なスタジオ録音はこれ以外には知らない。
演奏はテンシュテットらしく、端正で爽快な演奏であると思う。


ところでシューベルトの交響曲で厄介なのは、番号付けの問題である。
もとよりシューベルトは自らの作品に番号を振ったわけではなく、後世の人がその作品を整理して付けたものであり、作曲者本人のあずかり知らぬことだ。
シューベルトには、交響曲に限らず、未完の作品が多い。交響曲をでは未完の作品が6曲ほどあるようだ。
そのうち重要とされているのが、いわゆる「未完成 ロ短調D759」と、ホ長調の交響曲である。
以前は完成された交響曲を作曲順に並べ、そのあとに「未完成」を持ってくるということを行っていた。これが20世紀前半の常識だった。
この場合は第7番ハ長調「グレート」、第8番ロ短調「未完成」ということになり、「ホ長調」の作品は番外であった。

1951年に、ドイチュがシューベルトの作品目録を完成させ、未完のホ長調の交響曲D729に第7番、「未完成」D759に第8番、「グレート」D944に第9番の番号を振った。これはLP時代の常識と言える。
だからこの時期に聴き始めた人(私もその一人)は、「グレート」=第9番という感覚が染みついている。

ところが1978年にドイチュ番号の改訂が行われ、D729を番外にし、「未完成」を第7番、「グレート」を第8番とすることになった。
これにより、超メジャーな作品の番号が変更されることになり、大きな混乱を招いたように思う。
個人的には「ホ長調D729」の扱いは別にいいのだけれど、番外にするにしても第7番を欠番にすればよかったのにと思う。

テンシュテット盤も、1983年の録音だがそれまでの慣例通り「第9番」の表記である。
自分としても、第8番ハ長調「グレート」という表記には、未だにしっくり来ないのである。

「グレート」というニックネームにも問題がある。
もともと 第6番ハ長調と比べて、同じ調性ながら規模が大きいため「大きな方のハ長調」という程度の意味合いであり、「偉大な交響曲」みたいな意味はない。
テンシュテット盤のジャケット表示を見てもそんなニュアンスに感じられる。
日本語で「大ハ長調」と表現されることもあるが、個人的にはそういう控えめな表現が好きなので、こんなタイトルにした。

天国的に長い、と表現したのはシューマンである。
晦渋なイメージもあると思うが、噛めば噛むほど味わいが出る、名曲中の名曲。交響曲の歴史の上でも重要な位置を占める作品であると思う。
シューベルトとしては、本当の意味で完成された唯一の交響曲と言っても差し支えない。
彼がもっと長生きしていたら、ベートーヴェンの後継者として偉大な交響曲作曲家になっていたに違いない。そのスタートの曲がこれであると考えると、その短い生涯がは何とも残念だ。

関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

papageno620

Author:papageno620
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
フリーエリア