FC2ブログ

フォノイコを買う




アナログレコードを再生しようとする時に、フォノイコライザーアンプが壊れているというのは由々しき事態だ。
もっとも若い人には「フォノイコライザーアンプ」がわからないかも知れない。
これを理解するには、アナログレコードの仕組みから話を始めなければならない。

アナログレコードは、音の波形をそのまま塩化ビニール製の円盤に溝をカッティングすることで記録し、それをカートリッジの先端についた針(スタイラスチップ)でトレースすることで再生する。
波形を拾った針は、カンチレバーと呼ばれる金属製のパイプを通じて、カートリッジ内部にあるマグネットあるいはコイルを振動させる。
マグネットを振動させるのがMM型(ムービング・マグネット型)、コイルを振動させるのがMC型(ムービング・コイル型)である。
カートリッジの形式には他にも各種あるが、大別するとその2つの型と考えて良い。

■MM(ムービング・マグネット)型の場合
カートリッジ内部にはコイルが固定されていて、コイルのそばでマグネットが振動する。
コイルのそばで磁力の変化があると、コイルに電流が生じる。
これが「電磁誘導の原理」で、マイケル・ファラデーが発見した。
マイク、スピーカー、モーター、発電機などいずれもこの原理を応用している。
この場合、カートリッジは発電機の一種と考えることが出来る。発電された電流はアンプで増幅され、音楽として我々の耳に届く。

■MC(ムービング・コイル)型の場合
カンチレバーの先にはマグネットではなくコイルが取り付けられていて、マグネットは固定されている。
MM型と逆になっているが、原理は同じである。

MM型は構造が簡単で、出力電圧も高い。
コイルと針がつながっていないので、針の交換が容易である。

MC型は構造が複雑で、製作精度を要求する。
大きなマグネットを使用でき、振動系が軽いことで音質的には上とされている。
出力電圧が低いことと、針交換が出来ないことが難点である。
針交換をする場合には、交換価格を支払って新しいものと交換する方法がとられている。

アナログレコードは、実はフラットな特性で記録されているわけではない。
同じレベルでも低音部ほど振幅が大きくなってしまうので、場合によっては隣の溝と干渉してしまう。
溝間隔を広げると収録時間に影響が出てしまう。
一方、高音部に関してはノイズの影響を受けやすい。
そこでアナログレコードは、低音部を抑え、高音部を強調する特性で記録されている。これをRIAA特性、その曲線をRIAAカーブと言う。
「RIAA」は、正しくはアールアイエーエーだが、便宜的に「リアー」と呼んでいる。

フォノイコライザーアンプは、そのRIAAカーブの反対、つまりロー上げ、ハイ下げのカーブで特性をフラットにするとともに、カートリッジが拾う微細な電流を増幅する役割を担う。
特にMCカートリッジに関しては、MM型の1/10程度の出力しかないので、それに対応したアンプが必要である。
昔のアンプには、フォノイコライザーアンプが普通に内蔵されていたので、「PHONO」端子に繋げばよかった。

アナログプレーヤーを他の端子(CD、TUNER、TAPE、AUX)などに繋いでも、低温がスカスカで高音ばかりシャリシャリ言う、蚊が鳴くような音しか出ない。
反対に他の機器をPHONO端子に繋いてしまうと、とんでもない音が出てスピーカーを壊すことになりかねない。

要するにアナログ再生にはフォノイコライザーアンプが必須であるということである。
今回、DL-103というMCカートリッジを購入したのだが、アンプの切り替えスイッチをMCにしたところ、全く音が出ないという予想外の事態。
家には3台のアンプがあったのだが、結果的に3台とも使えなかった。
即ち、「フォノイコライザーアンプを買わなければならない」ということだ。

単体のフォノイコライザーアンプという製品は少なからず存在する。
その前に、フォノイコライザーアンプを必要とする人というのは、どういう層なのだろうか。
 ずっとアナログ再生をやっているマニア
 デジタルとともにアナログ再生もやっているマニア
 昔はアナログをやっていた世代が、昔の資産を生かしたいと思っている人(私はこれに当たる)
 アナログレコードがまだあるので、聴いてみたいと思うマニアでない人
 アナログ時代を知らず、最近になって興味を持った人
いずれにしても、昔を知っている人はフォノイコライザーアンプの必要性を知っているはずなので、私と同様に悩むだろう。
マニアの人は数10万円のフォノイコを買うのだろうから、ここではあまり考えなくていいのかも知れない。
逆にマニアでない人は、フォノイコ付きの安いプレーヤーか、1万円前後の安いフォノイコを買って、それで満足するのかも知れない。
一番悩むのは私みたいな層だろう。
10万円以上となると敷居が高い、7~8万円程度でいい単体フォノイコが買えないだろうか。
そのような条件で探してみると、
 ラックスマン E-200
 フェーズメーション EA-200
あたりに絞られるようだ。(型番まで似ている)

実際には中古品も考え、ヤフオクで物色して見た。
ヤフオクでは、やっぱりラックスマンの過去の製品がそれなりに出ている。
E-1 E-03 E-06
E-03は6万円前後、E-1は10万円程度、E-06はさすがに10万円程度では難しい。
ラックスマンはCD時代になって30年ほど、この分野の製品をちゃんと出し続けていたことがよくわかる。

結果的に、これならば間違いはなかろうと、新品のE-200を買うことになった。
実勢価格で8万円台。
これでまたアナログの深い世界に少しだけ踏み込むことになる。

関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

papageno620

Author:papageno620
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
フリーエリア