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リヒャルト・シュトラウス/ばらの騎士(ベーム指揮)


リヒャルト・シュトラウス/楽劇「ばらの騎士」
カール・ベーム指揮ドレスデン国立管弦楽団
1958年録音

アナログレコードのデジタル化は遅々として進まないが、今回は少し大物が出て来た。
「ばらの騎士」に初めて出会った思い出のレコード。
同曲ではカラヤン盤が名盤として夙に知られている。
他にも名盤は数多いが、ベーム盤もその中に入れていいと思う。

普通のLPに比べ、重くて固い盤である。
このレコードに関しては、残念ながら盤面があまりいい状態ではなかったので、ベストの状態では聴けないのが残念だ。


リヒャルト・シュトラウスは、「これからはモーツァルトのようなオペラを書く」と言って、これを書いたそうだ。
「フィガロの結婚」を念頭に書いたことは明らかである。


元帥夫人:マリアンネ・シェッヒ
オクタヴィアン:イルムガルト・ゼーフリート
オックス:クルト・ベーメ
ファーニナル:ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ
ゾフィー:リタ:シュトライヒ

マリアンネ・シェッヒという人はよく知らないが、他のキャストは豪華メンバーと言っていい。
主役級でないファーニナルにフィッシャー=ディースカウを起用したところが面白い。
同じベーム盤の「魔笛」でパパゲーノを歌ったのと似ている。(もちろん、パパゲーノは主役級ではある)

第1幕
舞台は18世紀中頃のウィーン。
元帥夫人は夫の留守中、若い貴公子オクタヴィアンと不倫関係にあり、折しも2人でベッドの中でいちゃついている。
そこに、元帥夫人のいとこであるオックス男爵が訪ねて来る。
オクタヴィアンは咄嗟に女装し、小間使いのマリアンデルと名乗る。
(男役の女性歌手が女装するという、明らかにケルビーノを意識している)
オックスは新興貴族ファーニナルの娘ゾフィーと婚約したので、彼女に「銀のばら」を贈る役「ばらの騎士」を紹介してほしいと頼みに来たのである。
元帥夫人はオクタヴィアンを推薦する。
オックスはマリアンデルに色目を使うが、そのあと情報屋のヴァルツァッキとアンニーナ、物売りなどの来客が大勢出て来て、オクタヴィアンは退場する。
テノール歌手が登場して、唐突に朗々と歌い上げるが、美しいけれども中身は空虚な歌という、イタリアオペラに対するシュトラウスの皮肉が込められている。この役はストーリーと関係がなく端役ではあるが、時に大物が起用される。

第2幕
オクタヴィアンはファーニナルの館を訪れ、ゾフィーと運命的な出会いをする。2人はお互いに一目惚れしてしまうのである。(この部分の音楽は、全編で最大の聴きどころ)
続いてオックスが登場するが、ゾフィーは下品なオックスがすっかりいやになってしまう。
オックスの態度に怒ったオクタヴィアンは剣を抜いて決闘となり、オックスはちょっとした怪我に大騒ぎをする。
騒ぎのあと、オックスにマリアンデルからの手紙が届く。これはオクタヴィアンの仕込んだ罠である。(これも伯爵夫人とスザンナが偽の手紙で伯爵を陥れる場面と同じ展開である)
この幕で歌われるオックスのワルツは、(歌詞は下品な内容ではあるが)極めて魅力的だ。
オックスは好色で下品、ケチで弱虫という、最低の人物ではあるが、どこか貴族としての風格や品を感じさせる、人間的な魅力にあふれた人物であることを見事に表現している。
そこに没落しつつある貴族社会への郷愁があるのだろうか。
金の力でのし上がる、成り上がりの新興貴族であるファーニナルとの違いがそこにある。
ファーニナルは、自分の地位をさらに強固にするために、娘をオックスの嫁にしようと画策する、最低の奴だ。オックスの方がよほど魅力的な人物だ。

第3幕
オックスとマリアンデルに扮したオクタヴィアンのやり取り。
オックスはファーニナルにも醜態をさらし、ファーニナルも愛想を尽かしてしまう。
そこへ元帥夫人がやって来て、オックスを諭し、オックスも引き下がる。
元帥夫人は身を引き、なったオクタヴィアンとゾフィーは、愛を誓う。


吉田秀和も、モーツァルト以外では「ばらの騎士」が一番好きと言ったらしい。
自分も同感である。

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