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新国立競技場はどこで間違えたのか

迷走を続ける新国立競技場の改築問題は、今日安倍首相が白紙撤回を発表するという形に展開した。
この問題はすでに袋小路に入っており、現行案で突き進むか、白紙撤回かの二者択一を迫られていた状態なので、今日こういう結果が出たことに驚きはない。
安倍首相にして見ると、白紙撤回しても自分に傷はつかないばかりか、むしろ得点源になるとしての政治的パフォーマンスだろう。
森喜郎氏を説得して決断したというイメージも演出して見せた。計算されたパフォーマンスと見ることが出来る。
そもそもこれは首相が決断する事項なのだろうか。いつから日本は独裁国家になったのか。

今更ではあるが、この問題はどこに間違いがあったのかを、オリンピック招致活動と、新国立競技場改築計画の流れを時間軸に沿って考えてみる。

2011年12月13日 野田内閣がオリンピック東京招致を閣議決定
2012年 2月13日 IOCに東京招致の申請ファイルを提出
2012年 5月23日 IOC理事会において正式に候補地に決定
2012年 7月20日 新国立競技場デザインコンクール募集要項の受付開始
2012年 9月 3日 要項に係る質疑回答
2012年 9月25日 上記コンクールの提出期限
2012年10月 8日 技術審査会議
2012年10月16日 一次審査を行い、応募46作品から11作品に絞る
2012年11月 7日 二次審査を行い、当選案決定
2012年11月15日 結果発表
2012年12月26日 安倍内閣発足
2013年 1月 7日 立候補ファイルをIOCに提出
2013年 9月 7日 東京開催が決定
2014年 5月24日 基本設計を公表

東京が正式に候補地となったのは2012年5月。
詳細な開催計画をIOCに提出したのが翌年の1月なので、この約7ヶ月間にメインスタジアムを含む基本構想をまとめ上げる必要があった。
そこでこの間に問題のコンペ(デザインコンクール)が行われたわけだ。
その募集要項を読むと、
 競技の名称は「新国立競技場基本構想国際デザイン競技」
 競技の目的は「新国立競技場の改築に係る基本構想デザイン案を募集する」
とある。
あくまでも「基本構想」の「デザイン案」を募集するとされているだけで、基本設計・実施設計に直結するものではない。
最優秀者はデザイン監修者とし、基本・実施設計者は別に決定することが要綱の中にも書いてある。
コストについては、要綱の中に1300億円という数字が提示されていて、これについては応募者には「意見を求める」とはしている。
募集から提出までわずか2ヶ月、審査期間は1ヶ月半しかないというスケジュールの中で、コストの試算を行うことは不可能だろう。
「コストのことはわからない」とした安藤忠雄氏の説明は無責任にも聞こえるが、わからないでもない。

事業主体であるJSCとしては、詳細な開催計画の中にインパクトのある絵が欲しかったのだろうとは想像できる。
今回の計画を支持する向きには、この案を提示したことによって東京招致が実現したという意見もある。それはそれで良い。
だが、この段階ではあくまでも基本構想なのだから、基本構想としての絵を描いておけばよかったのである。
開催決定後の2013年秋に国際コンペをやれば何の問題もなかったのに、2012年になぜ性急な「デザインコンク-ル」を行ったのか、そこが一番不可解な点である。

今回の実施設計に関わった人には徒労感だけが残っただろう。
すでに莫大な「お金」と「労力」と「2年という時間」と「アイデア」が浪費された。その責任はだれが取るのか。

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