11/22/63(スティーヴン・キング)
11/22/63(上下)
スティーヴン・キング
文藝春秋
各2100円+税
タイトル(いちいちにいにいろくさん)はジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された日付。
過去に遡り、ケネディ暗殺を阻止しに行くと言うタイムトラベルものである。
タイムトラベルものは数多くあるが、本書の面白いところは「歴史の改変」に鋭く焦点を当てたところにあると思う。
2段組み、上下巻で1050ページを超える大作
SFであり、現代史を扱った歴史小説であり、多くの部分で恋愛小説でもある。
日本人として残念に思うのは、1950年代から60年代のアメリカ文化をよく知っていればさらに楽しめただろうということだ。
一体、ケネディ暗殺は阻止できるのか。
阻止出来たとして、その後の歴史がどう変わってしまうのか、そのあたりが非常に読みごたえがある。
ラストはさすがだと思った。ラストシーンは絶対に映画向きだと思う。
ケネディ暗殺は、公式にはオズワルドの単独犯行ということになっているが、異論も多く、陰謀説を含めて多くの議論がある。
オズワルド単独犯行説が正しいのかどうかを含め、キング自身の見解があとがきに納められていて、これも非常に興味深い。
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