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イイジマムシクイ@三宅島


イイジマムシクイ
スズメ目ムシクイ科
体長12cm
撮影 2014.5.31 三宅島

世界で伊豆諸島とトカラ列島の一部でのみ繁殖する世界的希少種。国の天然記念物に指定されている。
三宅島には、3月末から4月上旬にかけて集中的に飛来するという報告がある。
越冬地についてはいまだによくわかっていない。
フィリピンのルソン島で冬季に捕獲された例があり、沖縄や台湾で冬季に観察例があることから、沖縄から台湾、フィリピン周辺が越冬地ではないかと考えられているが、推測の域を出ないようである。
秋の渡り時には静岡から九州の太平洋沿岸で観察されることがあるようだが、春の渡り時期に本州で観察されることは稀で、伊豆諸島への渡りのルートとしては、太平洋上を北上するものと考えられている。
4月~5月ごろ、本州で観察されることがあり、関東地方でも少数の観察例がある。
これらの個体は、渡りのルートを外れて迷行した可能性が高い。
小さくて地味な上に、センダイムシクイに酷似していることから、見逃されている可能性はあると思われる。
逆に本州での誤認例としては、センダイムシクイの他メボソムシクイの例が目立つようである。
識別ポイントは微妙だが、囀りを聞ければ間違いない。
「チョピチョピチョピ、チョリチョリチョリ」と、体の割りに大きな声量で盛んに鳴く。
この時期の三宅島では生息密度が高く、あっちでもこっちでも聞こえるが、他のムシクイ類同様、観察しやすい場所にはなかなか出て来ず、撮影には手ごわい鳥である。
本州の山地でメボソムシクイを聞く状況と、雰囲気としてはよく似ている。
地鳴きはヒタキ類に似た「ヒッ、ヒッ」という声で鳴くことが多い。


ところで三宅島にはホトトギスが非常に多い。
ホトトギスの托卵相手は専らウグイスだが、三宅島においてはイイジマムシクイに托卵する個体がいるようだ。
2日間でカッコウの声は聞かなかったが、ツツドリの声は数回聞いた。
ツツドリの托卵相手は、本州から北海道においてはセンダイムシクイであることが多い。北海道にはホトトギスがいないため、ウグイスは安泰かというとそうでもなく、ツツドリに托卵されると言う。
三宅島のツツドリは、センダイムシクイに近縁のイイジマムシクイに托卵するのかと考えたが、そのような文献は見当たらなかった。


イイジマムシクイは、英名Ijima's Leaf Warbler 学名Phylloscopus ijimae
で、いずれにも「イイジマ」の名が入っている。
これは飯島魁(いいじまいさお)という人の名に由来している。

飯島は1861年、浜松生まれ。
エドワード・モースに師事し、大森貝塚の発掘にも関わった。
東京湾周辺には多くの貝塚があるが、私の地元である茨城県の霞ヶ浦周辺も貝塚の密集地として知られている。
なかでも陸平貝塚(茨城県美浦村)は、1879年に日本人の手による初めての発掘調査が行われた。
その発掘を行ったのが、当時東京大学の学生だった佐々木忠次郎と飯島魁である。
本来、飯島の専門は動物学で、寄生虫の研究でも知られている。
日本鳥学会を創設し、初代会長になった人物で、日本で初めて鳥類目録を作成したことでも知られている。

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