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新国立競技場の基本設計案を見て

昨日、新国立競技場の基本設計案が、運営主体である「独立行政法人 日本スポーツ振興センター」から公表された。
今回公表されたのは54ページからなる概要版である。

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20140528/664609/

そのプロセスに色々と問題が指摘されている建設計画だが、コンペの実施から時間を追って振り返って見よう。
コンペの要綱が発表されたのが2012年の7月だった。
「世界でいちばんのものをつくろう」
と、理想は高らかで、応募資格は恐ろしくハードルが高く、生半可な実績ではとても応募できない。
国家プロジェクトに相応しい立派な国際コンペを行うのかと期待したが、その実は違っていた。
募集期間は9月25日まで、当選発表が11月と言う。
これだけ大規模な国際コンペなのに、そのハードスケジュールに驚かされた。

実際にはコンペではなかった。(英語表記では“COMPETITION”と書いてはあったが)
「デザインコンクール」と銘打っているのがそもそもおかしいと思ったが、要するに設計案を求めるのではなく、デザインを求めただけであった。
当選したザハ・ハディドは、結局設計者に選ばれていない。デザイン監修者という、あいまいな立場なのである。
設計者はあくまでも、日建設計・梓設計・日本設計・アラップのJVなのである。


ザハ・ハディドによる当選案はこちら
http://www.jpnsport.go.jp/newstadium/Portals/0/NNSJ/first.html

実はこのCGは、コンペ応募案のものとは違っている。

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20131126/641949/?SS=imgview&FD=661797226

http://10plus1.jp/monthly/2013/12/issue01.php


ザハ・ハディドは、イラク出身のイギリスの女性建築家。
その、あまりにもトンがった設計から、実現しない建築家として有名。
コンペ時の案から段々にザハらしさが消え、収まるところに収まったような基本設計案をどう見たらいいのだろうか。

意地悪な見方をすれば、大々的に世界から先端的なデザインを募集し、それを元に国内の優秀な組織設計事務所が手堅くまとめるというプロセスが初めから決まっていたように見える。
世界一のスタジアムを作る、という理想も気概も伝わって来ない。
前回の東京オリンピックの時の「国立代々木競技場」とは雲泥の差だ。
あれは丹下健三と田中角栄という稀代の個性がぶつかりあって生まれたことは言うまでもないが、やっぱり高度成長期という時代が生んだのだろうと思う。
あれを作り上げたことで、日本は先進国の仲間入りをしたのである。
時代が違うと言えばそれまでだが、54ページの基本設計案を読みながら、ため息をつくしかなかった。

ただ、これから実施設計に入り、来年10月には着工、42か月で完成させるのだと言う。
そうと決めたらやるのだろう。
そこは日本の凄いところではある。

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