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素数の音楽


素数の音楽
マーカス・デュ・ソートイ
新潮文庫 890円+税

著者マーカス・デュ・ソートイは、現役の数学者として素数を研究する一方、数学の啓蒙活動にも力を入れており、本書は著者初の一般向け数学書である。
無秩序にしか見えない素数の現れ方に潜んでいる規則性を、素数が奏でる音楽に例えたもので、難しいことはともかくとして、天才数学者たちの横顔とその挑戦を描くドキュメンタリーとしても楽しめるものだ。


素数とは1と自分自身以外では割り切れない数のことである。
小さい方から
2 3 5 7 11 13 17 19 23・・・・
という風に続く。
2以上の全ての自然数は、素数か合成数である。
合成数は素数の積の形で表せる。(素因数分解)
素数の現れ方はばらばらで、数が大きくなるほどまばらにはなって行くが、規則性があるようには見えない。
何よりも無秩序を嫌う数学者は、素数の並び方に関する謎を解こうと、挑戦を続けて来た。

素数の話は、問題だけは素人にもわかりやすい。
素数が無限に存在することは、紀元前にユークリッドが証明した。それは数学の専門家でなくても理解できる簡単な証明である。
 「全ての偶数は2つの素数の和で表せる」というゴールドバッハの予想。
 隣り合う2つの奇数がどちらも素数(双子素数)は無限に存在するか。
 完全数と密接な関係があるメルセンヌ素数が無限に存在するか。
などの問題は、問題自体は非常にわかりやすいが、いずれも証明されていない。

ガウスは、素数の規則性そのものではなく、数が大きくなるに従って素数の割合がどう変化するかというところに着目し、素数定理を導き出した。

本書の中心的話題は、数学史上最大の難問とされるリーマン予想の証明に挑む歴史である。
リーマン予想とは、「ゼータ関数の自明でないゼロ点は一直線上にある」という予想で、これだけ聞いても何のことかわからないが、この中に素数の謎を解く鍵が潜んでいるのだそうだ。

素数の話と言うと、現実の生活には何の関係もなさそうだが、実際はそうではない。
今我々はネットショッピングをする際などに個人情報を暗号化してやり取りしているが、そのセキュリティは「十分大きな数の素因数分解は非常に困難である」という事実に依存している。
そのあたりのことは本書にも出て来るが、暗号の話に関してはサイモン・シン著「暗号解読」に詳しいので、いずれそちらを紹介したい。


■素数は無限に存在することの簡単な証明
素数が有限であると仮定する。
その素数を全て掛け合わせ、1を足す。
出来上がった数は素数か、合成数のどちらかである。
素数であれば新しい素数であり、先の前提と矛盾する。
合成数であれば素数の積に分解出来るが、それは必ず新しい素数であり、先の前提と矛盾する。

例えば、素数が2と3の2つだけであるとする。
(2×3)+1=7
これで新しい素数を得る。

3と7だったら
(3×7)+1=22=2×11
新しい素数を2つ得る。

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