FC2ブログ

厭な物語


厭な物語
文春文庫 552円+税

収録作品
アガサ・クリスティ/崖っぷち
パトリシア・ハイスミス/すっぽん
モーリス・ルヴェル/フェリシテ
ジョー・R・ランズデール/ナイト・オブ・ザ・ホラー・ショウ
シャーリー・ジャクスン/くじ
ウラジーミル・ソローキン/シーズンの始まり
フランツ・カフカ/判決 ある物語
リチャード・クリスチャン・マシスン/赤
ローレンス・ブロック/言えないわけ
フラナリー・オコーナー/善人はそういない
フレドリック・ブラウン/うしろをみるな

既読のものが何点かあった。
シャーリー・ジャクスンの「くじ」は、この種のバッドエンドの小説としては古典的名作である。
これが入っていたので、編集者の意図が何となくわかった。
以前早川書房から出ていた「異色作家短編集」に入っていた作家である。
正直、シャーリー・ジャクスンのその他の作品はあまり印象に残っていないのだが、「くじ」には衝撃を受けた。後味の悪さでは今でも横綱級の作品だと思う。

パトリシア・ハイスミスもこの種のアンソロジーでは常連の作家だ。
ちなみにハイスミスは映画「太陽がいっぱい」の原作者でもある。映画のエンディングは原作とは異なっている。

ランズデール「ナイト・オブ・ザ・ホラー・ショウ」が何と言っても後味の悪さでは群を抜いている。

解説のあとにブラウンの「うしろをみるな」を配置したところが洒落ている。
この作品はタイトルから連想されるとおり、ある意味非常に怖い作品だが、ブラウンらしい機知に富んだ作品とも言える。

この種のアンソロジーには選者の名前が知りたいところだが、実際は文春の編集者のようである。そのあたりがHP上にあったが、編集者によればターゲットは「翻訳作品を読んだことのない人」だそうだ。初心者向け?
「海外の作品も読んでごらん。こんな面白いものがあるよ」と言ったところなのだろう。

個人的な感想を言うと、厭な物語と言うより、江戸川乱歩の造語による「奇妙な味」のような作品群だと思った。言うほど「厭」な感じではないと思う。
本書を読んで面白かったという向きには、先に挙げた
 異色作家短編集シリーズ(早川書房)
の他にも
 世界短編傑作集-江戸川乱歩編全5巻(東京創元社)
 怪奇小説傑作集全5巻(東京創元社)
 現代短編の名手たちシリーズ(早川書房)
などが面白いかと思う。

関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

papageno620

Author:papageno620
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
フリーエリア