FC2ブログ

チュウヒ@稲敷



チュウヒ
タカ目タカ科
体長 ♂48cm ♀58cm
撮影 2013.2.22 茨城県旧桜川村

最初見た時には、体型と飛んでいる高さからノスリだと思った。
チュウヒの通常の生態とはちょっと違う。遠くから見たらトビに見えたと思う。

・・・・・・

チュウヒは翼を上げ気味に飛ぶので浅いV字形に見える、というのはよく知られている。
確実とは言えないが、遠方からチュウヒを識別する場合にはその飛び方が参考になる。

チュウヒがなぜ翼を上げて飛ぶのか、その理由はチュウヒの食性にある。
同じ猛禽類でも、オオタカやノスリなどは、見晴らしのいい場所から獲物に狙いを定め、高速で一気に急降下して仕留める、という狩りを行う。
それに対しチュウヒの餌場は葦原であるから、餌は丈の高い草に隠れていて、遠くから見つけることは難しい。そこでよく観察されるように、比較的低い位置をゆっくりと飛びながら餌を探す。
そのため、低速でも失速しにくい翼であることが必要になる。
チュウヒの体長はオオタカとさほど変わらないが、体重はかなり軽い。
つまりチュウヒの翼は、オオタカなどに比べると、面積当りに支えるべき体重(翼面荷重)が少ないので、低速でも飛ぶことが出来るのである。

ところが低速で飛ぶ場合には、横風の影響を受けやすくなる。
横風を受けると体は風と反対側に傾いてしまう。その体勢をすぐに立て直す仕組みがV字形の翼であるのだが、それは飛行機と同じである。


普通、飛行機の翼は、チュウヒと同様に角度がついていて、浅いV字形になっている。これを上反角と言う。
飛行中、例えば右から風が吹いて来ると、機体は左に傾き、左方向に流される。
すると翼は斜め左方向からの風を受けることになるが、右翼と左翼の迎角(風に対する角度)が左翼の方が大きくなり、揚力が増す。
つまり傾いた方の翼にかかる揚力が増加するので、機体の姿勢を自然に元に戻すことが出来る。

自動車も自転車も、前輪は直進安定性を保つように車軸を取り付けるフレームにキャスター角が付けられている。これによって、左に傾けば右に、右に傾けば左に戻るようになっている。
車の場合、カーを切ると、ステアリングが自然に戻ることは通常経験していることである。

低速で飛ぶチュウヒは、風の影響を受けて姿勢が不安定になりがちなので、飛行機と同じように翼に上反角をつけて復元性を増しているのである。実によく出来た仕組みであると感心させられる。

関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

No title

すばらしい解説ありがとうございます。

No title

なるほど、そういうことだったのですね。
詳しい解説ありがとうございます。
同じ猛禽でも進化の仕方がそれぞれなのですね。
チュウヒが軽量というのもその生態に基づくものですか。
勉強になりました。
ナイス!

No title

しっかり読ませていただきました。こんな記事とてもかけません。☆☆
私もトビとの違いはだいだい見分けられますが、飛び方などはさっぱりです。V字に羽を広げている・・・ちょっと違うかもしれませんが、飛行機の羽は後ろ側にV字ですが、理論では前方にV字のほうがいいと聞いたことがあります。本当でしょうか?
昨日、情報をいただきて近かったのでセアカモズを見に行きましたが、人の数に驚きました。千葉や東京など県外の人もたくさん。普通の道を歩けばいいのに、田んぼに平気に入って近道する人には唖然・・・・私のようにただ写真を撮るために飛び回っている人が多いのでしょうか??マナーも守ってほしいものです。

No title

Yasukoさん、ありがとうございます。
それらしい写真を撮影したいところですが、なかなかいいシーンが撮れません。

No title

野鳥太郎さん、ありがとうございます。
チュウヒとオオタカと比べると、違いが顕著に現れるようです。
鳥の進化の面白さを感じます。

No title

てつさん、ありがとうございます。
飛行機の翼の後退角は、衝撃波の発生を遅らせる働きがあると言われています。
確かに前進翼というのもあり、失速しにくいという特徴があるようですが、構造的に難しいようです。
また何か新しい知見を得られたら記事にしたいと思います。
プロフィール

papageno620

Author:papageno620
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
フリーエリア