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インバル/都響 マーラーの5番を聴く

エリアフ・インバル指揮東京都交響楽団
新マーラー・ツィクルス-交響曲第5番
2013.1.20


東京芸術劇場は1990年に竣工した。
設計は芦原義信である。
完成当時から、東京芸術劇場と東京文化会館の役割分担についてはよくわからなかった。

「東京文化会館及び東京芸術劇場条例」によれば、
 東京文化会館の事業は「音楽、歌劇、舞踊等の芸術文化の振興に関すること」
 東京芸術劇場の事業は「音楽、演劇、歌劇、舞踊等の芸術文化の振興に関すること」
とある。
条例の上では、「演劇」が入っているかいないかだけの問題のようだが、実際はどうなのだろうか。


東京文化会館の大ホールはオペラの上演も可能で、コンサートもできる、いわゆる多目的ホールだが、東京芸術劇場の第ホールは音楽専用で、大規模なパイプオルガンを備えている。
東京芸術劇場の中ホールは、演劇やミュージカルなどに向いていると思われるので、いくらかの棲み分けは考えられているのだろうか。

こんなことを考えるのも、日本のモダニズム建築を代表する東京文化会館の使われ方というのが多少気になっているからか。
簡単に言うと、東京文化会館でもたまには聴きたいなと思うのである。今でも第1級のホールだと思うから。


最近、東京近郊の2000席クラスの公演がよく行われるのは、サントリーホール、東京オペラシティ、横浜みなとみらいホールあたりが多いように思うが、これにリニューアルオープンした東京芸術劇場も今後加わって来るだろう。ちなみの今回の公演もリニューアルオープン記念のコンサートとされている。
(あ、ミューザ川崎も忘れちゃいけない。あれは東日本大震災で天井が落下して悲惨なことになった。公演中だったらえらいことになっただろう。これもリニューアルが完成して、4月にオープンする予定。)

大ホールに設置されたパイプオルガンについては、その性能に関して賛否両論があったし、ホールの音響効果に関しても芳しくない意見があった。
何よりもその建築デザインについては、当初から違和感があったことは否めない。




池袋西口に聳える巨大な姿。



背面から見る。
先に見える茶色の建物は、東京都豊島合同庁舎(大江匡設計)



立体トラスで作られた巨大なガラスのアトリウム内に設置されたエスカレーターで5階に向かう。
ホール自体は7階~9階レベルにある。
なかなか実感しにくい巨大さである。



5階部分からアトリウムを見下ろす。


本日のプログラム
■モーツァルト/フルート協奏曲第2番K314(フルート独奏:上野由恵)
-休憩-
■マーラー/交響曲第5番

・・・・・・

モーツァルト/フルート協奏曲第2番K314

マーラーの前半に演奏する曲としては少々唐突だが、こういうのも楽しみでないこともない。
上野由恵という人はまだ若い奏者で、初めて聴く。
第1楽章、第3楽章とも面白いカデンツァを聴かせてくれた。
自由闊達という印象で、好感は持てた。
オケはやっぱりマーラーの準備運動なのか? ちょっとぬるい感じに聞こえてしまったが、これは聴いた席(最前列から2列目)というのもよくなかったのかも知れない。
音響的にはバランスが悪い場所である。

第2楽章では迂闊にも居眠りしてしまった。
退屈したわけではない。この日は歩き疲れたし、気持ちがよかったのである。
何よりこの曲は、30数年前にNHK-FMで聴いて、初めてモーツァルトに興味を持った思い出の曲でもある。(カールハインツ・ツェラーの演奏だった記憶)



マーラー/交響曲第5番

マーラーの作品の中でも特に人気が高く、演奏される機会も多い曲である。
確かに声楽パートがないだけでも公演にはかけやすいだろうし、曲そのものも演奏効果が上がる、要するに聴きごたえがするので、人気が高いのも頷ける。
何と言っても第4楽章「アダージェット」である。我々の世代は、ブルーノ・ワルターが指揮する第4楽章だけを聴いて、マーラーの門を敲いたのである。今では5番そのものが、初心者向けという人までいる。恐ろしい時代である。
ところで第4楽章に関しては、ヴィスコンティの映画「ベニスに死す」で使われたということがよく紹介されている。
最近では、JR東日本の東京駅リニューアルのCMで印象的に使われたので、多くの人の耳に残っているに違いない。



余談になるが
「アダージェット」というのは「アダージョ」より速い、のである。
ラルゲットはラルゴより速く、アレグレットはアレグロよりも遅い、のである。(ちょっとわかりにくいが、間違っていたら指摘してください。)

・・・・・・

全体的に速めのテンポで、インバルとしては手慣れた印象を受けた。
細かいことはともかく、久しぶりにインバルの5番を実演で聴けたのが嬉しかった。

この曲では、何と言ってもトランペットとホルンが主役である。
CDにトランペットとホルンの首席奏者の名前がクレジットされることすらある。(シカゴ響のアドルフ・ハーセスとデイル・クレヴェンジャーなど)
本日は残念ながら、やや不安定なところもあった。特に第3楽章。あれはやっぱり難しいんだろうなと思う。

先に書いたように、今回は前から2列目という、目の前がチェロの3列目の人、というような場所で、管楽器は全く見えない席だった。
金管が上から聞こえてくる感じで、全体のバランスがよくないのである。
だから、このホールの音響がいいのか悪いのか、そのあたりは判断しにくい。


次回はぜひ「第6番」を聴いてみたいと思う。
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