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葛西臨海水族園(1989年竣工)

娘が水族館に行きたいというので、久しぶりに葛西に行って来た。
過去の記録を振り返って見ると、1995年に隣の展望広場が出来た時以来なので、約17年ぶりということになる。


葛西臨海水族園は、1989年に竣工した。今年で竣工24年になる。
設計は谷口吉生(以下、敬称略)



1989年と言えば、時はバブルの最盛期である。
この年私はアメリカ西海岸に行ったのだが、ロサンゼルスの高層オフィスや、サンタモニカなどの名だたるリゾートホテルやマンションが軒並み日本企業に買い取られていた時期である。

当然と言えば当然なのだが、谷口はバブルに浮かれなかった。
ほとんどストイックとも言える造形だが、プロポーション、ディテール、材料の吟味に至るまで、その作品に対するこだわりは徹底している。


葛西臨海水族園の設計に当たり、谷口はこのような広大な自然の中に、普通の常識的建築は似つかわしくないとして、周囲の風景との連続ということを設計のコンセプトに据えた。
江戸川を挟んだ反対側には、同じく非日常空間としては巨大な存在であるディズニーランドが見える。
あくまでも閉じた空間として非日常を演出するディズニーランドとは、思い切り対照的な空間にして見ようと考えた。
そうして出来上がった建築は、単純な円形平面の中心に8角形のガラスドームが乗る、という極めてシンプルなものである。



ガラスドームはランドマークとして、この建築の象徴的な存在となっている。
チケットカウンターに向かうと、正面にガラスドームが見える。



チケットカウンターを通ると、正方形を45°回転させた平面で出来たゲート広場に至る。
来館者は、ゆるやかなスロープと階段で、3階レベルに当たる屋上に導かれる。
屋上がこの水族館のエントランスになっているのである。




直径100mの単純な円形平面。
そこは円の3/4が池になっていて、残り1/4が広場になっているという構成。
遠景はディズニーリゾート
シンデレラ城をガラスドームの間に入れたのがおわかりいただけただろうか。






池の水面は、視覚的に海と繋がって、風景との連続性が図られている。
1階部分にあるテントデッキはヨットの帆を模したものである。



一定時間ごとに霧状の噴水が池と海との境界線を曖昧にし、非日常性を演出する。



エントランスドームは意外に大きく、21mの高さがある。
海岸沿いという条件の中で、風圧力に対して非常にシビアな検討を要したであろう、極めてスレンダーな部材で構成されている。



こういう建築なので、全体像がわかりにくいが、上から見るとこんな感じになっている。
葛西臨海公園の大観覧車から。


次回は、この隣にあるもうひとつの谷口建築。
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No title

葛西は野鳥を撮るときだけ行くので、ゆっくり見たことがありませんが、観覧車からの眺めが良いですね。

No title

ありがとうございます。
これが見えるのではないかと思って乗って見ました。
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