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メボソムシクイ@戦場ヶ原


メボソムシクイ
スズメ目ウグイス科
体長13cm
撮影 2012.5.29 栃木県日光市

高山鳥としては、ライチョウ、ホシガラス、イワヒバリ、カヤクグリが代表的だが、もう少し標高の低いところでは、メボソムシクイやルリビタキがよく見られる。
中でもメボソムシクイは、亜高山帯~高山帯の針葉樹林で繁殖する代表的な夏鳥である。
奥日光でも、この戦場ヶ原の自然研究路で見られることは少ない。
だから、この記事のタイトルを見て意外に思われた方も多いかも知れない。

この鳥の声は、夏山ではどこでも聞かれるが、姿はなかなか見せてくれない。
こんな写真だが、そもそもほとんど撮影したことがない鳥なので、私のブログでも初登場だが、この写真からその識別ポイントを確かめるのはほぼ不可能である。


国内で繁殖するのは、亜種メボソムシクイPhylloscopus borealis xanthodryasだが、主にヨーロッパで繁殖する亜種コメボソムシクイPhylloscopus borealis borealisが旅鳥として少数通過すると言われて来た。
コメボソムシクイは、学名からもわかる通り、メボソムシクイの基亜種である。つまりコメボソムシクイの方が本家(?)みたいな立場である。
その関係は、ハチジョウツグミとツグミの関係と同様である。(ハチジョウツグミの方が基亜種)

夏の山では、最も普通に聞かれる囀りで、「チリチリチリチリ、ジョリジョリジョリ」という声は「銭取り、銭取り」と聞きなされている。
ところでメボソムシクイの中には、「ゼニトリ、ゼニトリ」の4音節ではなく、「ジジロ、ジジロ」と3音節で鳴く鳥(その他「ジジジ、ジジジ」と鳴く鳥も)の存在が以前から知られていた。
それは亜種コメボソムシクイではないかと言われていて、図鑑やCDにもそう表記されているものがある。

■日光野鳥研究会の松田道生氏の論文(2002年の日本野鳥の会神奈川支部の会報)によれば、
ヨーロッパの亜種コメボソムシクイの声は、海外のCDなどを聞くと「ジジロ、ジジロ」ではなく、「チョリチョリチョリチョリ・・・・・・」と長く、比較的一本調子でだんだん大きくなり、ピタリと止まるという特徴がある。
「ジジロ、ジジロ」と鳴くのは、従来言われて来た亜種コメボソムシクイではなく、亜種オオムシクイではないかと思われる。

■BIRDER2010年7月号の記事によると
日本を通過するメボソムシクイの亜種はメボソムシクイの他に、3亜種ほどあることがわかって来た。
 カムチャッカで繁殖する、亜種オオムシクイ
 西アラスカで繁殖する、亜種アメリカコムシクイ
 サハリンで繁殖する亜種(名称不明)
このうち、アメリカコムシクイの囀りは「ジジロ、ジジロ」ではない。
「ジジロ、ジジロ」と鳴くのはオオムシクイとサハリンの不明亜種である。
従来、亜種コメボソムシクイであるとされて来たが、その主は亜種オオムシクイではないかと考えられる。

■今年3月8日の朝日新聞の記事から
山階鳥類研究所研究員が発表した、「ジジロ、ジジロ」と鳴く鳥、及び「ジジジ、ジジジ」と鳴く鳥の正体についての論文
DNA分析の結果、「ジジロ、ジジロ」と鳴くのはカムチャッカで繁殖するもの、「ジジジ、ジジジ」と鳴くのは、アラスカからスカンジナビアで繁殖するものである。
これらはメボソムシクイの亜種ではなく、別種であると考えられる。前者にオオムシクイ、後者にコムシクイの名称を提唱している。

亜種か別種か、という論争は他にもあるが、近い将来オオムシクイという「種」が追加になるかも知れない。
その鳴き方は、色々な音源を聴いた限りでは
「ジッ  ジッ  ジジロジジロジジロジジロ   ジッ  ジッ  ジジロジジロジジロジジロ」
というように聞こえる場合が多い。結構早口である。ジッというのは地鳴きと思われる。

なお、写真の鳥はメボソムシクイであり、オオムシクイではないので、念のため。
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No title

ムシクイ、声は良く聞きますが、なかなか姿を見れません。
小さくて動きも速いので、難しいですね。
それに、かなり高いところばかりです。
よく撮れましたね。 さすがです。
勉強になります。 ぽちっ!

No title

この鳥は、声ばかりでなかなか姿を見せてくれません。
ここで見られたのはかなり意外でした。
普通はいない場所です。
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papageno620

Author:papageno620
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