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5/29 リーズ・ドゥ・ラ・サール ピアノリサイタル/水戸芸術館にて

5月22日
音楽評論家、吉田秀和氏が急性心不全のため逝去された。
98歳だった。

吉田氏は、水戸芸術館の館長を開館当時から務めていた。
水戸芸術館の活動は、吉田秀和なくしては考えられない。
ここで水戸芸術館について少し書いてみたいと思う。

水戸芸術館の開館は1990年である。
人口30万人に満たない水戸市が、市の予算の1%を運営費に充てるという、当時の佐川一信市長の大胆な構想で実現した。
旧五軒町小学校の跡地に、都市計画を変更してまで建築した。
設計は磯崎新。
構造は木村俊彦が担当した。
正四面体を28個積み上げた形状のタワーは水戸のシンボルになった。
その工事現場には”Isozaki&Kimura"の文字が踊っていた。
バブルだったと言われればそれまでだが、いい時代だった。あんなものはもう出来ないだろう。
芸術がわかるような政治家は最早どこにもいないだろうから。


私は開館第1回目の記念すべき公演(確か野島稔のピアノリサイタルだったと思う)を聴いているのだが、その時以来何度も吉田氏の姿を目にした。まあ、あの髪型だからどこにいてもわかるのだが。

その水戸芸術館に来たのは、実はかなり久しぶりで、震災以降は初めてである。
吉田館長も楽しみにしていたであろう、リーズ・ドゥ・ラ・サールのピアノリサイタルを聴きに来たのである。



フランスはシェルブール出身の23歳。
ご覧の通りの美貌である。
そこに惹かれたわけではないが、昔よりもミーハーになっている自分に苦笑する。
写真のポスターは水戸のものではないが、今回の来日公演のものである。
7日間に6回というハードスケジュールで、29日の水戸が皮切りである。


■プログラム
 シューマン/子どもの情景OP15
 シューマン/幻想曲ハ長調OP17
  =休憩=
 ショパン/24の前奏曲OP28

ど真ん中の直球、という感じのプログラムである。


演奏に先立ち、吉田秀和館長の死を悼み、
 バッハ(ブゾーニ編)/コラール前奏曲「来たれ、異教徒の救い主よ」BWV659
が演奏された。

アンコールは
 ドビュッシー/前奏曲集第1巻から第4曲「音と香りは夕べの大気の中に漂う」

・・・・・・

凄かった。
何が凄かったかと言うと「雨」である。
コンサートが佳境に入る午後8時代、水戸では53.5mmの雨量を記録した。
2曲目の「幻想曲」が始まったあたりから、どうも空調の音がうるさいのが気になっていたのだが、それは空調ではなく、豪雨の音がコンサートホール会場まで入って来たのである。
水戸芸術館は、ホールとホワイエの間に階段があり、その上がトップライトになっているので、そのガラスに当たる音が原因ではないかと思うが、珍しいこともあるものだと思う。
記録的豪雨の下で、ショパンの「雨だれ」を聴いていたのだ。

コンサートが終わり、帰路につくが、水戸市内は至るところ冠水で渋滞し、結局高速で帰ることになった。
最近の5月の天気はおかしいと、ここ数年思ってはいたが、6日の竜巻に始まり、全く波乱の5月だった。

・・・・・・

肝心の演奏の方だが
はっきり言うと、イマイチ乗り切れない演奏だった。
弱音の繊細な美しさは感じられたのだが。
テクニックに問題があるとは思えない。ちょっとお疲れかな?
幻想曲の第2楽章後半では、一瞬破綻しかけたような。

ショパンの前奏曲集もやや淡泊な印象。
結局、アンコールのドビュッシーが一番よかった。
余計な力が抜けるのか、よくあることではある。
フランス人でもあり、ドビュッシーは結構合っているのではないかと思った。

今回はやや期待外れの感はあったが、今後も注目したいピアニストではある。
彼女のCDも、少し聴いて見たいと思う。
決してその美しすぎる横顔にだけ惹かれたわけではない。
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