FC2ブログ

エゾムシクイ@飛島


エゾムシクイ
スズメ目ウグイス科
体長12cm
撮影 2012.4.29 山形県酒田市飛島

最近は撮影機材が進歩して来たので、場合によっては羽の1枚1枚の特徴がわかるような写真が撮れることがある。
私の機材は大したものではないが、鳥との距離が近ければある程度のことは可能である。

識別が難しいムシクイ類だが、羽の細かい特徴が撮影出来れば、微妙な識別が可能な場合もある。
通常は、鳥を手に取って観察できる標識調査の場合にしか役立たないことなのだが、撮影機材の進歩によって、野外の観察にも役立つ可能性があるということである。

■翼式
折りたたんだ時の初列風切の長さの順番を言う。
スズメ目の鳥の場合、基本的に初列風切の枚数は10枚であるが、一番外側のP10は退化して、ごく短いのが普通である。
そのため、一番外側に見える羽がP9であることに注意が必要である。

参考までに
一般的に初列風切の数え方は、内側、つまり次列風切と接する部分から外側に向かって数える。その場合、一番外側はP10である。
スヴェンソンの「ヨーロッパ産スズメ目の識別ガイド」では、「第*羽」という表記で外側から数えているので逆である。
ただ、あくまでも「P*」と表記する場合は内側から数えるのが基本である。
スヴェンソンが「第2羽」と表記しているのが「P9」であると考えれば良い。

写真の鳥はP7が最長であることがわかる。
残念ながら、P8とP9が見えないので、その長さを比べることが出来ないのが残念ではある。
ここで判断できる可能性があるのは、例えば
 メボソムシクイは「P7よりもP8が長い」ということと
 ムジセッカは「P6とP7が等しい」
ということで、この部分だけでも、エゾムシクイであることが判断できるということである。

■外弁欠刻
風切羽の外弁に、幅が変化する場所があり、その有無によって識別できることもある。
初列風切には、内弁欠刻と外弁欠刻があり、野外の観察では内弁欠刻を見ることは不可能に近いが、写真によっては外弁欠刻が見える場合がある。
ムシクイ類の多くは、P5~8の4枚に外弁欠刻があるが、メボソムシクイのP5にはない。
写真の個体はP5に外弁欠刻が見られるので、メボソムシクイではないことがわかる。

・・・・・・

写真の個体は、そこまで見なくてもエゾムシクイであることは間違いないと思うが、そんな識別ポイントもあるということを知っておいても損はないと思う。
無駄とは思っても、後ろから見た写真を撮っておくと、意外と役立つ場合があるかも知れない。


※参考 BIRDER 2004年6月号 渡辺修治氏による資料
    ヨーロッパ産スズメ目の識別ガイド ラーシュ・スヴェンソン 文一総合出版

関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

No title

おはようございます。

ぱっと見に ウグイスかと思ってしまいました。
難しいですね 鳥の見分け。
まだまだ ウグイス自体も身近に居るものの ジックリ眺めるにいたっていません。
先日とったものが ウグイス煮のようにも見えるし でも ちょっと違う・・そう感じたものがいました。(あまりに写真が悪いので UPできていませんが) もしかしたら?そうなのかな? なんて期待を・・

いつもながら 解説が勉強になります。

ぽち

No title

エゾムシクイ、かなり近くで撮れたようですね。
これくらいはっきりと撮れていると、勉強になります。
なるほど、初列風切のたたんだ時の順番を翼式というのですか。
この長さで識別するのですか。 かなり高度ですね。
でも、見分けにくいムシクイは、ここまで見ないといけないのでしょう。
勉強になります。 ぽちっ!

No title

紙風船さん、ありがとうございます。
渡り途中では、なかなか鳴いてくれないのがつらいですね。
ムシクイ類は鳴いてくれれば何ということはないのですが。
当の鳥たちも、声で判断しているのでしょうね。

No title

野鳥太郎さん、ありがとうございます。
標識調査の場合の識別法ですが、野外の観察でも使える場合があると思って、書いてみました。
プロフィール

papageno620

Author:papageno620
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
フリーエリア