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プロメテウスの罠 明かされなかった福島原発事故の真実


プロメテウスの罠 明かされなかった福島原発事故の真実
朝日新聞特別報道部 学研 1238円+税

朝日新聞紙上で現在も連載中の「プロメテウスの罠」が震災1年を前に単行本化された。
本書は、2011年10月からスタートした連載を、今年の2月分までまとめたものである。
上記の通り、これは現在も連載中であり、以降、続編が刊行されるものと思われる。


原発事故という「人災」を拡大させた要因として、政治の責任ということはいろいろ指摘されてはいる。
それが当時の管総理大臣の資質に帰するような論調が目立つが、本書を一読してみると、必ずしもそうではなく、一番の問題は官僚機構(東電も含めて)の機能不全と当事者能力のなさであったことは明白である。
官僚機構は、自分たちの持っている情報を国民に全く開示せず、被害を拡大させた。
日本の官僚機構は、この期に及んでもなお、縦割りと前例主義についてはかたくなにそれを守っているのである。
本書を読むと、唖然とさせられるような実態が多々あることがわかる。


東電は福島第一原発から撤退(別の言い方をすれば「放棄」)を考えていた。
もしそうなっていたら、2号機の制御不能→爆発→4号機の使用済核燃料の冷却不能→大量の放射性物質拡散→福島第一全体の制御不能→福島第二に連鎖→東日本全域の汚染
という風に進み、今頃茨城県内でこんな記事を呑気に書いている余裕はありえなかった。
まさに日本が滅亡の危機にあったわけだ。

ことここに及んでもなお原発は必要だなどと考えている人の気が知れない。
ドイツでは、「未来の人間に廃棄物だけ残す原発は倫理的でない」という考え方が広まっているらしい。
その思想は新鮮である。

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No title

何の罪もない人々が苦しみを背負う・・・今の状況を見れば、原発はいらないとはっきり言えるはず。
足りなければ節電すればいいのではないでしょうか。
ドイツの思想、なるほどと納得させられますね。

No title

東電はそんなことを考えていたのですか? 信じられません。
そういうことが選択肢の一つになっていたとしたら、もう原発の存続に関して何も発言する権利はありません。
日本はどうして、脱原発を宣言できないのでしょう。
政府、東電は、私達国民が感じた以上に危機感を持って状況に対した
はずなのに、それをどうして提起できないのか不思議でなりません。
一日も早い脱原発を願うばかりです。

No title

えみこちょさん、ありがとうございます。
原発が抱える一番の問題は、過酷事故は起こらない前提で進めて来たために、危機管理が全く行われて来なかったところにあると思います。
そういう事実がポロポロと出てきていますね。

No title

野鳥太郎さん、ありがとうございます。
原発に関して、技術には失敗がつきものなどという専門家がいますが、とんでもないことです。
原発の問題は、シビアアクシデントが許されないことと、廃棄物の処理問題が解決できていないことにありますね。
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