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震災17日目

地震当日、去年開港したばかりの茨城空港ターミナルビルの天井が落下する映像が繰り返し報道された。
あのように4辺を固定していない天井のデザイン自体は嫌いではないが、余程振れ止めをきちんと施工していないとこんなことになる。
設計・施工上、これは常識的なことだと思うが、新しい建築なのに守られていないというのは、やっぱりどこかに問題があったと言わざるを得ないのではないか。

うちの方では、建物の倒壊のような被害は少ないものの、こういう天井材の落下がかなり多い。
それも古い建物ではなく、最近出来たばかりの大型店舗で目立つ。
天井材の大半は石膏ボードである。これは9.5mm厚のもので、1㎡当り6kgほどある。軽いものとは言えない。

あるホームセンターでは、天井が広範囲に落下していた。
また、柱の耐火被覆の一部がはがれて鉄骨がむき出しになっていた。これは天井材が衝突することによって起きたと思われる。
煙感知器やスプリンクラーヘッドが宙に浮いている。こんな状態で営業していることに恐れいった。


別のスーパーではやはり天井が一部落下したが、こちらは数日休んで復旧工事をしていた。
そこで目立ったのは、ガラスの防煙垂壁が広範囲で落下していたことである。(落下したのかどうかは定かではない。割れたので撤去したのかも知れないが、いずれにしても危険なことである。)



大きく揺れたために、ガラスが壁や柱に衝突して破損させたことが伺える。ガラス自体も当然破損しただろう。
ガラスの防煙垂壁は、割れても落ちないように線入りになってはいるが、破片が落ちることは避けられない。
建物内で地震に遭ったら、出来るだけ頭の保護を。

・・・・・・

東京都町田市の「コストコ多摩境店」の車路倒壊はもっとおかしい。
町田あたりは震度5弱程度だったはず。
写真を見ると、車路を支える梁と建物本体の柱との接続部分が不自然である。
梁がはずれた建物側に接合部が見えないのである。ちょっとあり得ないディテールのように思われるが、今後詳細が明らかになるだろう。

・・・・・・

今回の地震は、津波被害が余りにも凄まじかったため、地震動による直接の建物被害がどの程度あったのかがあまり伝わって来ない。
宮城県内では栗原市で震度7を記録、青森県内から関東地方までの広い範囲で震度5弱以上の揺れを観測した。
今回観測された最大加速度は、栗原市築館での2933ガルである。

関東大震災の加速度が300~400ガルと言われていて、これまでの耐震設計はそれを基準にして来た。

阪神大震災においては、神戸で818ガルを記録した。
それと比べても、途方もない数値に見える。

2004年10月23日の新潟県中越地震では、同県川口町で2515ガルという加速度が観測された。
これが国内での最高記録だったが、2008年6月14日に起きた岩手・宮城内陸地震では、震源に近い岩手県一関市で、4022ガルの加速度を観測した。
これは世界記録としてギネスブックに認定されている。
今回の築館の記録は国内2番目の記録になる。

上に挙げた2つの地震は大きな被害をもたらした。
しかし、さほど大きな地震ではないにもかかわらず、1000ガルを越えるような加速度を観測するようなこともある。


地震時に建物に働く力は、質量と加速度の積と考えられるので、加速度は重要な指標と見られている。
しかしながら、加速度だけではわからないのが地震時の建物の挙動である。
加速度4000ガルと言えば、重力加速度の4倍だから、建築で言うところの水平震度は4.0になる。
単純に考えたら大抵の建物は倒壊してしまいそうだが、実際にはそうではない。

実際に建物に与えるダメージには、加速度(ガル)も重要だが、速度(カイン)がもっと重要なのではないかと思う。

非常に大雑把に言うと、速度の値は加速度の1/10程度になる
阪神の場合、最大加速度818ガルに対して、最大速度は91カインだった。
おおよそ100カインは大地震の目安と言ってもいいかも知れない。

ところで「カイン」の語源は何だろう。
普通、”kain”と表わされるが、”kine”と言うと、ギリシャ語で「運動」の意味だそうだから、これかも知れない。
「シネマ」の語源と同じと言うことか。

「ガル」の語源はカモメではない。ガリレオの頭文字だそうだ。重力加速度は質量に無関係であることを証明したから?
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