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MIKIMOTO2



銀座MIKIMOTO2
2005年
設計 伊東豊雄

三重県の鳥羽で、うどん屋の長男として生まれた御木本幸吉は、世界で初めて真珠の養殖に成功しました。
ミキモト本店は、銀座通りに面する4丁目にありますが、今回のMIKIMOTO2は有楽町寄り、プランタンの裏にあります。
この外壁は、白だと思っていましたが、微妙な色がついています。
真珠の色だと気がついたのは、現物を見てからでした。

ピュアな抽象性、透明性を追求してきた伊東は、せんだいメディアテークでその建築技法を集大成させたのでしょうか。
以降、まつもと市民芸術館、TOD’S表参道ビルにおいて作風を一変させました。
今回のMIKIMOTO2。「TOD’S」との関連性は誰が見ても明らかですが、「TOD’S」がコンクリートのストラクチャーにガラスを象嵌したのに対し、2枚の鋼板でコンクリートを挟み込むことにより、20cmの壁厚で持たせる構造になっています。
鋼板ですから、当然全て現場溶接です。
建築というより、造船の技術かも知れません。
おそらく伊東は、「せんだい」において、日本の職人の溶接技術のレベルの高さ(それは技術水準のみならず、プロ意識の高さにおいても)に驚嘆し、今回の計画を試みたのではないでしょうか。

「せんだい」の造形は彼にとっては一瞬のひらめき、ちょっと意地悪な言い方をすれば、思いつきだったのではないかと思っています。
造形力においては天才的な伊東は、かつて八代市博物館の造形が絶賛を浴びたことにむしろ失望し、「あの程度のものならいつでもできる」と言ってのけました。
これはわれわれ凡人には理解不可能な感覚です。
せんだいの形は、天才のひらめきによって生み出されたのでしょうが、現場の苦労は想像を絶するものだったろうと思います。

MIKIMOTOにおいても、伊東自身「このような建築が可能なのは日本だけだろう」と言っています。
このような技術力とプロ意識の高さは、いまだ外国に負けていません。
こういうものが可能だということは、一筋の光明のように思えます。

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