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飛島へ

山形自動車道は、月山ICから先は月山花笠ラインという自動車専用道路になっている。
以前は六十里越街道という、いかにも難所らしい名前がついた、名だたる山岳道路だった。
今では快適な展望道路に変わったが、日本でも有数の豪雪地帯は5月になっても相当の雪が残っている。
何しろ月山のスキー場は、冬は雪が多すぎるため、これから夏までがシーズンという凄い場所なのである。

月山花笠ラインは湯殿山ICから再び山形自動車道となる。
ここから旧道に入り、1キロほどの場所にある集落が、多層民家で有名な田麦俣。




外見的には1層だが、内部は3層にもなっている独特の民家。
群馬県の赤城地方にもよく見られる、養蚕に適した構造なのである。
かつてはこの集落のほとんどがこの多層民家だったが、現存するのは「遠藤家住宅」他二軒と、鶴岡市の致道博物館内に移築された「渋谷家住宅」(国指定重要文化財)のみとなっている。




ここから1キロほど先、日本の滝100選にも選ばれた七ツ滝。
旧道が通れるのはここまで、この先はまだ冬季通行止めである。
このあたりの春はまだ浅い。

・・・・・

さて、再び山形道に乗り、酒田で下りる。
天気はいいが空気がクリアーでなく、鳥海山は全く見えない。
鳥海山はこの旅行中、ついに一度も姿を見せなかった。




酒田港。
今回の旅行は「ニューとびしま」という定期船に乗って飛島へ行くのである。
鳥関係の人にはおなじみだと思うが、日本海に浮かぶ孤島「飛島」は渡り鳥の中継地として有名で、特にGW期間中は、多くのバードウォッチャーが訪れる。
約30キロ沖合いにある飛島までは、1時間30分の船旅である。

・・・・・

8:45、定刻に出港。
沖合いは風速8m程度、うねりがあるので揺れる、という話だった。
もともとこの船はよく揺れるので有名である。
私も同行の娘も、乗り物酔いには縁がないので特に気にしていなかったが、この日の航海は相当派手に揺れた。




船窓も波しぶきがかかって、海鳥ウォッチングどころではない。
ほぼ満員(300人)の乗客の多くがぐったりしてしまう。
ここで何と私の娘が完全に酔ってしまった。
乗り物酔いの経験がない娘も、船は特別だったらしい。
何度も通っている人が、「今までで2番目ぐらいに揺れた」と話していた。
乗り物酔いがいかなるものかを知らない私は全く余裕だったが、多くの乗客が青い顔をして降りてきた。
船酔いは、船を降りればそれまでなので、娘も元気を取り戻す。




船着場にある、飛島マリンプラザという建物。







マリンプラザ前のメインルート。
飛島は面積わずか2.7平方キロで、人口は300人。
学校がひとつあるが、子供がいないので休校中だそうである。
島には勝浦、中村、法木という3つの集落があるが、島の東側に集中している。
日本海の荒波を受ける西側は人が住める環境ではないのだろう。




宿泊施設は勝浦地区に集中している。
島に来る人は、バードォッチャーの他には釣り客が多い。
御積島(おしゃくしま)というダイビングスポットもあり、サメが見られるらしい。
サメと言ってもドチザメというおとなしいサメで、人を襲うようなことはない。
名前からして怖くないサメである。




島の南端にある「館岩」はマリンプラザからほど近い。
ウミネコの繁殖地として、国の天然記念物に指定されている。

島の中央部は小高い丘になっていて、農道が通り、畑が点在している。
緯度が高い割りに、暖流の影響で比較的温暖な島には照葉樹林が広がっている。
ちなみに、飛島の経度は神奈川県の鎌倉と同じ。
鎌倉からまっすぐ440キロ北に行くと飛島に当たる。

ここでのバードウォッチングは、この農道歩きが中心である。
狭い島ではあるが、鳥見となると時間を食う。
半日では西側の海岸線まで回るのは時間的に無理がある。
多くの人は2泊以上でゆっくり探鳥するのだが、うちは1泊、しかも午前の便で帰るため、島での滞在はわずか24時間45分である。
休息の時間も惜しいので、気もそぞろにバードウォッチングを開始した。

・・・・・

館岩の脇の坂を登り、海水浴場を望むあたりでいきなりアクシデントが発生した。
強風にあおられ、三脚に取り付けたプロミナーを倒してしまい、壊してしまったのである。
無用の長物と化したプロミナーをザックに入れると、肩に食い込む重さが身に沁みる。
何より、これから先の探鳥をプロミナーなしでやらなければならない。
これには正直困ったが、悔やんでも仕方がないので、気を取り直して先を進む。

・・・・・

午後3時ごろまでに一周、一旦宿に入る。
再び、いくつかある階段道で農道に出て夕方まで探鳥。
翌日は4時半から7時半まで探鳥。
朝食後の探鳥は、8時から10時ごろまでの短時間しかないので、レンタサイクルを借りて一周した。







島の東端。マリンプラザから3キロほどである。
本来ならば海の向うに鳥海山が見えるはず。

・・・・・

さて、飛島での短い滞在を終え、11時発の便で酒田に戻る。
揺れは昨日ほどではない。
5/4の午前便で帰るバードウオッチャーはほとんどいないようで、帰りはデッキから海鳥ウォッチングを楽しんだ。
揺れる船上からの鳥見はやはり難しい。




カモメ類、たくさんのオオミズナギドリの他には、ハイイロミズナギドリらしきものを見かけた程度だったが、思わぬプレゼントがあった。




いいタイミングではなかったが、かろうじて写ったイルカ。


12時30分。
定刻に到着、ハプニング続きの飛島の旅は終了した。
鳥見の話は別記事にゆずるとして、旅はさらに続く。
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