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餌付け問題(怪しげな新聞記事に関連して)

餌付け問題などと、大それたことを書くつもりはない。
野鳥に対する「餌付け」に関しては色々な議論があるが、実は全く異なる2つの側面があるので、整理してみたい。

ひとつは撮影目的のための餌付けである。
珍鳥が現れると決まって餌付けが試みられる。それはカメラマンによって行われる。
殊更珍鳥でなくても、例えばカワセミの撮影目的のために餌付けをするカメラマンは大勢いる。
バードウォッチャーである我々はそのことにとても違和感を覚える。
もちろん我々もそのような餌付けの恩恵を受けていないわけではない。
珍鳥はやっぱり見たいし、撮影もしてみたい。
でも「餌付け派」のカメラマンには、「餌付けには元手がかかっているのだから勝手に撮るな」という手合いもいるのである。
「オレが餌付けしたおかげで見られたのだろう」と言われればその通りであるが、どう考えてもやっぱり違和感がある。
この「撮影目的餌付け」に対する考え方の違いが、バードウォッチャーと野鳥カメラマンの微妙な反発を生んでいるのは間違いない事実だと思う。
私はきっぱり「反対」である。

ふたつ目はカモ類やハクチョウ類などに対する冬鳥の餌付けである。
茨城県内でも霞ヶ浦や北浦で盛んに行われている。
この餌付けに対しては最近特に批判が多く、やめるべきだという意見が多い。
私はこの種の餌付けに対しては、特に賛成でも反対でもなく、適度に行われるのであれば特に問題視するものではないと考えている。
というのは、反対論の趣旨がかなり的をはずれているとしか思えないからだ。
曰く
「安易な餌付けによってカモ類が餌を自分で探す努力を怠り、生きる能力を失ってしまう。結果、渡りをやめて越冬地に留まる個体が増えてしまう」
というような論点なのだが、本当か?

こんなことを書く気になったのは、最近の新聞記事にこんなものがあった(らしい)からである。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007120502069926.html

これははっきり言ってかなり怪しげな内容で、「留鳥であるオナガやカルガモ」という一文を見ても、野鳥に詳しい人が書いた記事とは到底思えない。
内容に関しても、ちゃんと裏づけを取った記事であるかどうかは大変疑わしい。
「こんな記事なら読者の関心を得やすいかな」と言った軽い感じで書かれた記事である疑いが強い。

私は餌付けによって太ったカモというものを見たことがない。
そもそも、カモの太り具合を判定するのは大変に難しい。
渡りが困難なほどに太ったカモが本当に不忍池にいるのか。
不忍池に限らず多くの餌付け場所を見ているが、夏になっても留まっているカモはごく少数である。
そのような個体が餌付けの影響であるかどうかはわからないし、餌付けが行われていない場所でも少数の越夏個体はいるものである。
あれほど餌付けされやすいオナガガモも、絶対に餌付けを受け付けないコガモも、全く同じ様に夏には姿を消すのである。
霞ヶ浦では、珍しく餌付けされているマガモの越夏個体が存在するが、それはケガによって飛べなくなった個体である。

この記事にある如く、訴えが殺到するほどユリカモメが悪さをしているという話は聞いたことがない。
霞ヶ浦でも餌付けされたユリカモメが盛んに活躍していることは、私のブログでもたびたび紹介している。
ここでのユリカモメの振る舞いが何らかのトラブルになったことは全くないし、餌付けに慣らされたユリカモメが越夏したことは一度もない。

思うに、三浦半島あたりでのトビの振る舞いがヒントになってこういう根拠のない記事になったのであろうということは想像がつくが、新聞記者であるならばもう少しまともな記事を書いたらどうかと思う。

氏原さんの以下の記事も参照ください。
http://ujimichi.exblog.jp/6534951/

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