FC2ブログ

エサやり防止キャンペーンの胡散臭さ

前回、カモの餌付けに関する怪しげな新聞記事に関して書いたが、これだけではフェアでない気がしたので、しつこいようだがその続き。
というのは、新聞記事の元になった東京都の”エサやり防止キャンペーン”というのが、かなり科学的根拠を欠いている思われるからだ。
元を槍玉に挙げないのはおかしいと思うので再度取り上げる。
もちろん、お役所のキャンペーンを検証しないで報道するのはもとより問題である。






これは東京都環境局が配布しているチラシ。
東京都環境局のHPから、PDF形式でダウンロードしたものである。
思わず笑ってしまったのは、2枚目に出ているオナガガモの写真である。
私には普通の個体にしか思えないが、東京都環境局によれば「太りすぎでほとんど飛べない個体」なのだそうだ。
このカモがエサやりのせいで太ってしまった鳥であり、それが原因で実際に飛べない個体であるという検証はどこでなされたのか。

もし東京都環境局が言うように、エサやりのために太りすぎのカモが増加し、飛べなくなって渡りにも支障が出ているのであれば、もう少し科学的な検証が必要だろう。
例えば、餌付けされているグループと、されていないグループから相当数のサンプルを取り、その体重を比べる。
個体差とは言えない有意の差が見られれば、餌付けによって体重が増えたという仮定は成り立つかも知れない。
ただ、どれほど体重が増加すると飛べなくなるのかという検証も必要。
実際に渡りをしなくなった鳥がどの程度の割合いるのか、それは餌付けされた個体群に顕著に現れるのかという検証も必要。
気の毒だが、最終的には飛べなくなったカモは解剖して、人間が与えたエサの食べすぎであることを証明すべきだろう。
少なくともそれぐらいの科学的検証を経なければ証明したことにはならないと思う。
こんな1枚の写真だけで納得しろと言われても。。。



そもそもカモの場合、姿勢によってかなり太って見える傾向があり、このぐらいの写真はいくらでも見つけることができる。



これはカモでなくタシギだが、姿勢によってはこれぐらい見え方に違いが出る。
「健康なタシギとメタボなタシギ」とでもタイトルをつければ、鳥に詳しくない人はだまされてしまうかも知れない。

上から撮れば誇張されるので、先の写真は余計に太って見える。
意図的というより、ほとんど悪意が感じられる写真で、「とにかく太って見える写真を探して来い」という台詞まで聞こえるようだ。

私は前の記事にも書いたが、このようなエサやりを積極的に支持しているものではない。
むしろもう少し控えたほうがいいのでは、と考えている。
ドバトや、バリケン、アヒル類など本来野鳥でない種類が増えて、生態系を乱す一因になっているかも知れないからである。
しかしこういうことがきっかけになって、鳥が好きになってくれる子供もいるのであって、一概に否定ばかりするものではないと思う。
ただ、ほとんど根拠を欠いていると思われるキャンペーンが、公的な立場から強権的に行われることに非常に違和感を覚えるのである。
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

papageno620

Author:papageno620
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
フリーエリア