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大植英次/ハノーファー北ドイツ放送フィル静岡公演

2009.6.26

静岡にやって来た。
東静岡駅前にある、静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」に音楽を聴きに来たのである。
大植英次指揮/ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー公演
曲はマーラーの交響曲第9番
もちろん東京公演もあるのに、静岡に来た事情はさて措いて。




グランシップ
磯崎新の設計によって1998年に竣工した。
床面積60630㎡、総工費496億円(新建築1999年1月号による)の巨大複合建築。
実は竣工の翌年、1999年の4月に1度見に来ているので、10年ぶりの再訪である。



巨大な船を模したような低層棟(といっても、30mほどの高さがあるが)には中ホールと劇場が入る。
会議場などが入る高層部分を挟んで、西側の巨大なボリュームの中に大ホール(最大4600人!)が入る。



駅前広場側から見た西側ファサード。
鉈で断ち切ったような異様な姿には、若干違和感を感じてしまうが。。。

公共事業に逆風が吹いている現在、このような建築は最早造られないかも知れない。


今日のコンサートは中ホールである。
キャパシティは最大1200程度だが、今回はステージが大きいので、840程度。
中ホールは木の質感を多用した、オーソドックスな空間で、見た目に心地よい。
写真撮影は憚られるので、HPから。
http://www.granship.or.jp/guide/earth/index.html

席は残念ながら1階の一番後ろである。
バルコニー下はあまり好きではないが、(好きな人はいないだろうけれど)ここはバルコニーが高いので、さほど気にはならなかった。

・・・・・・

19:00開演
5分ほど遅れて大植英次が登場する。
以前、つくばでマーラーの6番(大フィル)を聴いて以来である。
その時は逆に1番前の席で、演奏云々の前に大植のあまりにエネルギッシュな指揮ぶりの方に魅了されてしまったのを思い出す。

大阪公演でのレビューを見聞きしていたので、相当に遅いテンポの演奏らしいということはある程度想像はしていた。
もちろん第3楽章を除けばもともとスローテンポの曲ではある。
特に第4楽章がどんな風になるのか、当然興味はあった。

まず目を惹いたのは、オケの配置である。
向かって左に第1ヴァイオリン、右に第2ヴァイオリンという配置は特に珍しいというものではない。
打楽器を後方左右に分け、最後尾にコントラバスが並ぶという配置は初めて見た。

第1楽章は予想どおり極めて遅いテンポで始まった。
第2楽章のレントラーも、聴いたことのない、遅いテンポで進められる。
第3楽章に至って、遅いテンポに対する違和感が自分の中では支配的になった。(この演奏はダメだ)
ところがこの楽章の後半に至って、何となく心地よい雰囲気になってきた。
第3楽章ラストの狂乱から、しばしの沈黙を経て問題の第4楽章。
これは文句なしに素晴らしい演奏だった。
消え入るような、本当に死に絶えるようなエンディングのあと、40秒以上の長い長い静寂のあと、割れんばかりの喝采に包まれた。

やっぱり自分は大植の術中に嵌ったのだろうか。

冷静に考えて、賛否両論あるだろうと思われる演奏である。

第1楽章 32’50”
第2楽章 20’23”
第3楽章 15’44”
第4楽章 31’00”
トータル 99’57”
楽章の間を含めると、102’36”だった。確かに長い。

バーンスタイン/アムステルダム・コンセルトヘボウ(1985年)盤だとどうだろうか。
第1楽章 29’52”
第2楽章 17’26”
第3楽章 11’48”
第4楽章 29’34”
トータル 88’40”
これは相当長い方で、特にこの第4楽章のテンポには驚いた経験がある。

同じくバーンスタインが、ただ一度ベルリンフィルを振った伝説的録音(1979年)
第1楽章 27’37”
第2楽章 15’59”
第3楽章 12’04”
第4楽章 26’12”
トータル 81’52”

上記の演奏と因縁がありそうな、カラヤン/ベルリンフィル盤(1982年)
第1楽章 28’10”
第2楽章 16’38”
第3楽章 12’45”
第4楽章 26’49”
トータル 84’23”

バルビローリがベルリンフィルに請われて録音した、これも伝説的録音(1964年)
第1楽章 26’49”
第2楽章 14’32”
第3楽章 13’40”
第4楽章 22’57”
トータル 77’58”


平均的には80分程度かと思うので、今回の演奏はやっぱり相当に長い。
言うまでもなく、タイミングだけで良し悪しは測れない。あくまでも参考である。


・・・・・・

閑話休題

9番は大好きな曲だが、こういう消え入るように終わる曲は生で聴くのは若干つらいところもありますね。
異常に集中力と緊張感を強いられるから。
最後の40秒以上に及ぶ沈黙もお約束の感じで、若干演出過剰と思えないこともありませんね。
前の方で必死に咳をこらえている人がいたけれど、あそこで大きな咳やくしゃみでもした日には、ぶち壊しになってしまいますからね。
「百日の説法、屁ひとつ」という喩えもありますから。
5番みたいに、魂が蕩けるほどに美しい4楽章のあとに、肯定的に派手に終わる曲の方が心が開放されていいなあ、なんて。
でも、あの第4楽章のラストの雰囲気なんていうものは、生でなければ感じ取れないものがありますね。
バーンスタイン/ACO盤を聴きながらこれを書いています。
初めて生のクラシックを聴いてから今年で30年になったけれど、音楽はつくづく奥が深いなあ、と思いました。
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