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名盤コレクション126 ワーグナー/楽劇「ニーベルングの指輪」4部作~「神々の黄昏」(ショルティ/VPO)

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ワーグナー/楽劇「神々の黄昏」

配役
 ジークフリート:ヴォルフガング・ヴィントガッセン
 ブリュンヒルデ:ビルギット・ニルソン
 アルベリヒ:グスタフ・ナイトリンガー
 ハーゲン(アルベリヒの息子、グンターの異父弟):ゴットロープ・フリック
 グンター(ギービヒ家の当主):ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ
 グートルーネ(グンターの妹):クレア・ワトソン
 ヴァルトラウテ(ワルキューレの一人):クリスタ・ルートヴィッヒ
ラインの娘
 ヴォークリンデ:ルチア・ポップ
 ヴェルグンデ:ギネス・ジョーンズ
 フロスヒルデ:モーリン・ガイ
3人のノルン(知恵の女神エルダの娘)
 第1のノルン:ヘレン・ワッツ
 第2のノルン:グレース・ホフマン
 第3のノルン:アニタ・ヴェルキ

ゲオルク・ショルティ/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1964年5月


いよいよ4部作の完結編である。
「神々の黄昏」は序幕+3幕で、演奏時間は約4時間半と最も長い。
ここではすでにヴォータンは登場しない。4部作全てに登場する人物はいないということになる。

前作「ジークフリート」で、ジークフリートに槍を折られ、世界を支配する象徴を失ったヴォータンは、神々の終焉を予感し、指輪をラインの娘たちに返すことで世界を救済しようと考える。
ジークフリートはハーゲンに殺されるが、ブリュンヒルデの犠牲によって世界は救済される。
ワーグナー的世界観の集大成と言えるだろう。

「神々の黄昏」の前に
ヴォータンは、世界樹であるトネリコの木を切り倒し、薪としてワルハラ城の周りに積み上げた。
アルベリヒの息子であるハーゲンは、異父兄であるグンターとその妹グートルーネを利用し、奸計を以って指輪を奪おうとしている。
大悪人ハーゲンの登場である。


序幕
3人のノルンが、今まで起きたこと、現在起きていること、これから起こることについて語りながら、運命の縄を編んでいる。(3人のノルンは、それぞれ過去・現在・未来を象徴している)
縄が突然切れ、3人のノルンは世界の終わりだと驚愕し、エルダのもとに去っていく。
夜が明けると、ジークフリートとブリュンヒルデが登場する。
ジークフリートはブリュンヒルデに指輪を渡し、ラインに向かって旅立つ。(夜明けとジークフリートのラインへの旅)
そのまま第1幕へ。


第1幕
■第1場
ギービヒ家の当主グンターとその妹グートルーネ、異父弟のハーゲンが話し合っている。
ハーゲンは指輪を奪うため、グンターとブリュンヒルデ、グートルーネとジークフリートを結婚させようとたくらんでいる。
そこにジークフリートが到着する。

■第2場
ハーゲンはジークフリートから、指輪はブリュンヒルデが持っていることを聞き出す。
ジークフリートはハーゲンに忘れ薬を飲まされ、ブリュンヒルデのことをすっかり忘れてしまい、目の前にいるグートルーネに心を奪われる。
グンターはブリュンヒルデを自分の妻として連れて来てくれれば、妹をやると持ち掛け、ジークフリートは承諾する。

■第3場
ブリュンヒルデのもとへ妹のヴァルトラウテがやって来る。
ヴァルトラウテはヴォータンの意思として、指輪をラインの娘に返すように頼むが、ブリュンヒルデは拒否する。
落胆して去るヴァルトラウテ。
そこに、隠れ頭巾でグンターの姿になったジークフリートが現れる。
火の壁を乗り越えて来た見知らぬ男を見て驚愕するブリュンヒルデ。
ジークフリートは無理やり指輪を奪う。


第2幕
■第1場
ハーゲンの夢の中に、父アルベリヒが現れ、指輪を奪うように言う。

■第2場
ジークフリートがギービヒ家に戻る。
ジークフリートとグートルーネとの対話。

■第3場
ハーゲンが角笛を吹き鳴らし、家臣たちにグンターが結婚式を挙げると告げる。

■第4場
グンターがブリュンヒルデを伴い、2組の結婚式を挙げると告げる。
ブリュンヒルデはジークフリートの姿を認めて驚愕するが、忘れ薬が効いているジークフリートにはわからない。
ブリュンヒルデは、ジークフリートは自分の夫であると訴えるが、ジークフリートは潔白を誓う。

■第5場
裏切られたブリュンヒルデに、ハーゲンは復讐に手を貸すと持ち掛け、ブリュンヒルデはハーゲンにジークフリートの弱点を教えてしまう。
恐れを知らないジークフリートは敵に後ろを見せたことがないので、背中が弱点なのだ。


第3幕
■第1場
狩りに出かけたジークフリートは3人のラインの娘に会う。
娘たちは指輪を欲しがるが、ジークフリートは渡さない。

■第2場
ハーゲンとグンターが現れ、森の中で酒宴となる。
ハーゲンはジークフリートに、記憶を戻す薬を飲ませながら、これまでにあったことを語らせる。
ブリュンヒルデとの出会いまで語ったところで、2羽のカラスが現れ、背後に飛び去る。
あのカラスの言葉もわかるのか、とハーゲンが問うと、ジークフリートはカラスを目で追う。
背中を向けたジークフリートに、ハーゲンは槍を突き立てる。
(ジークフリートの死と葬送音楽)

■第3場
ハーゲンはジークフリートの遺体から指輪を抜き取ろうとするが、死んだジークフリートは渡さない。
グンターとグートルーネはハーゲンを責めるが、ハーゲンはグンターを殺してしまう。
全てを悟ったブリュンヒルデは、ジークフリートの遺体のまわりに薪を積み上げ火を放つ。
指輪を自分の指にはめ、自ら火の中に飛び込む。(ブリュンヒルデの自己犠牲)
するとライン河が増水し、全てを押し流す。
ハーゲンはラインの娘たちに川底に引き入れられ、指輪はラインの娘の手に戻る。
火はヴォータンが積み上げた薪に燃え移り、ワルハラ城は火に包まれる。
神々の世界は終焉し、指輪がラインに戻ったことで世界が救済されたことを暗示し、壮大な物語は幕を閉じる。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション125 ワーグナー/楽劇「ニーベルングの指輪」4部作~「ジークフリート」(ショルティ/VPO)

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ワーグナー/楽劇「ジークフリート」
ゲオルク・ショルティ/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1962年5、10月

配役
 ジークフリート:ヴォルフガング・ヴィントガッセン(T)
 ブリュンヒルデ:ビルギット・ニルソン(S)
 ヴォータン(ここでは「さすらい人」として登場する):ハンス・ホッター(B)
 エルダ:マルガ・ヘフゲン(A)
 アルベリヒ:グスタフ・ナイトリンガー(B)
 ミーメ:ゲルハルト・シュトルツェ(T)
 ファーフナー(大蛇に化けている):クルト・ベーメ(B)
 森の小鳥:ジョーン・サザーランド(S)


いよいよ、「ニーベルングの指輪」の主人公と言うべきジークフリートが登場する。
この巨大な作品は、英雄ジークフリートの生涯とその死を描くのが目的で、ジークフリートはワ-グナー自身の投影であると考えることが出来る。
だからこそ、コジマとの間に生まれた息子にジークフリートという名を付けたのだろう。

「ジークフリート」は1856年に着手されたが、翌年第2幕の途中で中断し、「トリスタンとイゾルデ」に取り掛かる。
「ニーベルングの指輪」4部作の作曲に当たっては、さすがのワーグナーもその巨大さに疲れてしまったらしく、軽い恋愛物語を書こうと思い立ったらしいが、そこはワーグナーのこと、「軽い恋愛物語」で終わるはずもなく、巨大化し「指輪」と並ぶ代表作になった。

中断の間、ワーグナーは長年不倫関係にあったコジマ(フランツ・リストの娘)と正式に結婚した。
そのコジマの誕生日のサプライズに作曲されたのが「ジークフリート牧歌」である。
「ジークフリート牧歌」のメロディは、楽劇「ジークフリート」の第3幕で、ジークフリートとブリュンヒルデの出会いの中で使われている。
作曲年代を考えると、「ジークフリート牧歌」の方が先だが、楽劇「ジークフリート」に使うつもりだった素材を転用したものと考えられていた。
実際には未完の室内楽曲の素材を「ジークフリート牧歌」に転用し、さらに楽劇「ジークフリート」に転用したものと考えられている。
そうであれば、「ジークフリート牧歌」というタイトルは、息子ジークフリートとその母親であるコジマへの感謝を表しているものと考えられる。


「ジークフリート」のあらすじ

「ジークフリート」の前に
「ワルキューレ」には登場しなかった指輪は、大蛇に化けたファーフナーが守っている。
ジークリンデは森でジークフリートを産み落として死んでしまい、ジークフリートはミーメに育てられる。
ミーメは、ジークフリートにファーフナーを殺させ、指輪を手に入れるために育てているのである。


第1幕
■第1場
ミーメが苛立ちながら剣を鍛えている。彼はジークフリートのために剣を鍛えているのだが、ジークフリートは苦も無く粉々に壊してしまうのだ。
そこにジークフリートが戻って来て、またもミーメが鍛えた剣を簡単に砕いてしまう。そしてもっとましな剣はできないのかとののしる。
ミーメはジークフリートに対し、子供のころから育ててやったのに、と愚痴を言う。
ジークフリートは、自分とミーメがなぜこれほど似ていないのかと問い詰め、本当の両親のことを聞き出す。
ミーメはジークリンデから預かったノートゥングの破片を見せ、父親が持っていたものだと教える。
ジークフリートは、ミーメにノートゥングを鍛え直すように命じて出ていくが、ミーメにはどうしてもできないのである。

■第2場
そこにヴォータンが「さすらい人」として現れる。迷惑に思ったミーメは何とかこの男を追い帰そうとするが、さすらい人は自分の首を賭けて知恵比べを持ちかける。
ミーメはさすらい人に3つの謎を出すが、さすらい人は3つとも答えてしまい、反対にミーメに3つの謎を出す。
ミーメは2つまでは答えられたが、3つめの「ノートゥングを鍛え直すことが出来る者は誰か」という問いには答えられなかった。
それは「恐れを知らぬ者だ」と答えを明かしたさすらい人は、ミーメに「お前の首は恐れを学ばなかった者に切られるまで残してやる」と言いおいて去る。
ここでミーメは、ファーフナーを殺して指輪を手に入れるためには、恐れを知らないジークフリートにノートゥングを鍛え直させる必要があるが、その結果として、恐れを学ばないジークフリートに自分が殺されてしまうという、究極のジレンマに陥る。

■第3場
戻って来たジークフリートに、ミーメは「恐れ」というものを教えようとするが、ジークフリートには全くわからない。
ジークフリートは自らノートゥングを鍛え始める。
ミーメは、ジークフリートがファーフナーを斃し、指輪を手に入れたら毒薬を飲ませてジークフリートを殺そうと、姑息なことを考える。
ジークフリートは、ついにノートゥングを完成させ、振り下ろした剣で鉄床は真っ二つになる。

第2幕
■第1場
アルベリヒが大蛇に化けたファーフナーがいる洞窟を見張っていると、さすらい人がやって来る。
さすらい人はアルベリヒに、弟のミーメが連れてくる若者がファーフナーを倒すだろうことと、ミーメが危険なのだと教える。
アルベリヒは、さすらい人は指輪をあきらめたのかと訝る。
さすらい人はファーフナーを目覚めさせ、命と引き換えに指輪を渡すことを提案するが、ファーフナーは応じず、眠ってしまう。
さすらい人は去り、アルベリヒは再び見張りにつく。

■第2場
ミーメとジークフリートがやって来る。
ミーメはジークフリートに「恐れ」を教えようとするが、ジークフリートには一向にわからない。
ジークフリートはミーメを追い払い、森の中で両親のことを想像する。(森のささやき)
鳥の声に心を動かされ、葦笛で鳥の鳴き声を真似してみようとするがうまくいかない。
今度は角笛を吹き鳴らすと、ファーフナーが目を覚ます。
ジークフリートはノートゥングを振るい、ファーフナーを打ち倒す。
その返り血を浴びたジークフリートが思わずその血をなめると、鳥の言葉がわかるようになる。
森の小鳥が、指輪と隠れ頭巾のことをジークフリートに教える。

■第3場
アルベリヒとミーメの言い争いのあと、ジークフリートが現れる。
森の小鳥は、ミーメを信じてはいけないと忠告し、ミーメがジークフリートを殺そうとしていることを示唆する。
そこに現れたミーメは、ジークフリートをに毒を飲ませようとするが、一刀のもとに打ち倒す。
森の小鳥は、岩山で眠っているブリュンヒルデのことを教え、ジークフリートをは岩山に向かう。

第3幕
■第1場
さすらい人が知の女神エルダを地底から呼び起こし、神々の将来について問うが、エルダは明確に答えない。
さすらい人はジークフリートとブリュンヒルデが世界を救済することを予言し、エルダを再び眠らせる。

■第2場
森の小鳥がジークフリートを導いてやって来るが、ヴォータンが使うカラスがいることを察知し、逃げてしまう。
ジークフリートはさすらい人に出会う。さすらい人はジークフリートがファーフナーを殺した経緯などを問うが、ジークフリートはうるさがる。
さすらい人はかつてノートゥングを粉々にしたのは自分だと言うと、ジークフリートはさすらい人が父の仇だと知り、ノートゥングを奮ってさすらい人の槍を真っ二つに折ってしまう。
さすらい人は槍の破片を持って、去って行く。
やがてジークフリートの行く手に燃え盛る炎の壁が現れるが、ジークフリートはものともせずに潜り抜ける。

■第3場
ジークフリートは眠っているブリュンヒルデを見つける。
兜を身に着けている姿を見て最初は男だと思うが、兜を取り去ると女であることがわかる。
ここで初めて「恐れ」のような感情を覚えるジークフリート。
ブリュンヒルデの口に唇を重ねると、ブリュンヒルデは目を覚ます。
2人は互いに惹かれあい、ここから長い愛の二重唱となる。(この中で「ジークフリート牧歌」のモチーフが登場する)


「神々の黄昏」に続く

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション124 ワーグナー/楽劇「ニーベルングの指輪」4部作~「ワルキューレ」(ショルティ/VPO)

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ワーグナー/楽劇「ワルキューレ」
ゲオルク・ショルティ/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1965年10~11月

配役
 ヴォータン(神々の長):ハンス・ホッター
 フリッカ(ヴォータンの妻、結婚の女神):クリスタ・ルートヴィッヒ
 ジークムント:ジェームス・キング
 ジークリンデ:レジーヌ・クレスパン
 フンディング:ゴットロープ・フリック
ワルキューレ
 ブリュンヒルデ:ビルギット・ニルソン
 ゲルヒルデ:ヴェラ・シュロッサー
 ヘルムヴィーゲ:ベリット・リンドホルム
 ヴァルトラウテ:ブリギッテ・ファスベンダー
 シュヴェルトライデ:ヘレン・ワッツ
 オルトリンデ:ヘルガ・デルネシュ
 ジークルーネ:ヴェラ・リッテ
 グリムゲルデ:マリリン・タイラー
 ロスヴァイセ:クラウディア・ヘルマン

「ラインの黄金」は約2時間半とコンパクト(?)だったが、「ワルキューレ」からは4時間ほどの重量級である。
ただ「ラインの黄金」は1幕ものなので、1幕2時間半というのはやっぱり重量級である。
自分は「指輪」を聴くときは、フルトヴェングラーの放送用ライヴに倣い、10日間かけて聴くことにしている。
 「ラインの黄金」は1日目に
 「ワルキューレ」は全3幕を3日間で
 「ジークフリート」も全3幕を3日間で
 「神々の黄昏」は序幕+第1幕、第2幕、第3幕と3日間で聴く。
結局1日目が一番長く、次いで8日目が長いが、あとは大体1時間20分前後なので、意外に楽に聴ける。

「ワルキューレ」は4部作の中でもストーリーや音楽が起伏に富んでいて、よくまとまっているとされる。
クナッパーツブッシュ盤のように、第1幕だけ単独で演奏されることもあり、録音も複数ある。
ショルティ/VPOによる「ワルキューレ」は「ラインの黄金」から7年後の1965年、4部作の最後に録音された。
その結果、ヴォータンはジョージ・ロンドンからハンス・ホッターへ、フリッカはキルステン・フラグスタートからクリスタ・ルートヴィッヒに代わっている。(その2人以外に重複する役はない)


「ワルキューレ」のあらすじ

「ワルキューレ」の前に
ヴォータンと知の女神エルダとの間にブリュンヒルデが生まれる。
ブリュンヒルデには8人の妹がいて、9人姉妹を総称して「ワルキューレ」と呼ぶ。
ワルキューレは、戦場で戦士の生死を司る女神で、死んだ戦士の魂をワルハラ城に連れ帰り、城の警護に当たらせるのがその任務である。
また、ヴォータンは人間の女性との間にジークムントとジークリンデという、双子の兄妹をもうける。
ジークリンデは幼い頃にフンディングにさらわれ、その妻となっている。
ヴォータンはフンディングの家にあるトネリコの木に剣を突き刺し、その剣を持つにふさわしい勇者のみが引き抜くことが出来ると言い残す。
「ワルキューレ」の間、指輪は登場しない。この間、指輪の持ち主ファーフナーは大蛇に化けて指輪を守っている。

第1幕
■第1場
敵に追われたジークムントが一軒の家に助けを求めると、そこはフンディングの家だった。
家にいたジークリンデが介抱し、二人は互いに惹かれ合う。

■第2場
やがてフンディングが帰宅し、ジークムントが敵であることを見破る。
あからさまに敵意をむき出しにするフンディングは、ジークムントに対し、一晩の宿は貸すが、明日の朝決闘することを申し渡す。

■第3場
ジークリンデはフンディングを眠らせ、ジークムントのもとへ。
ジークリンデはトネリコの木に刺さった剣のことをジークムントに教える。
ジークムントはその剣を抜き、「ノートゥング」と名付ける。
このやり取りのどこかで、お互いが実の兄妹であることがわかるのだが、愛し合う関係になった2人は手に手を取ってフンディングの家から逐電する。

第2幕
■第1場
ジークムントとフンディングの戦いを前にして、ヴォータンはブリュンヒルデを呼び、ジークムントを勝たせるように命じる。
そこにフリッカがやって来て、ジークムントを勝たせることに反対する。
結婚の女神であるフリッカは、不義の子であり、実の兄妹の結婚を許すわけにはいかないのである。
ヴォータンは渋々その要求を受け入れる。

■第2場
ヴォータンはブリュンヒルデに、フンディングを勝たせるように命令する。
それが本心でないことがわかっているブリュンヒルデは抵抗するが、ヴォータンは許さず、ブリュンヒルデは諦める。

■第3場
ジークムントとジークリンデの逃避行

■第4場
ブリュンヒルデは、ジークムントは死ぬ運命にあり、その魂をワルハラ城に連れて行くと申し渡すが、ジークムントは拒否する。
ジークムントとジークリンデの深い愛情に心を打たれたブリュンヒルデは、父の命に背いてジークムントを勝たせることを決意する。

■第5場
ジークムントとフンディングの決闘。
ジークムントがノートゥングを構え、フンディングを打ち倒そうとした時、ヴォータンが現れ、槍を突き出す。
ノートゥングは砕け散り、ジークムントはフンディングに殺される。
ブリュンヒルデは驚き、ノートゥングの破片を拾い集め、ジークリンデを連れて逃げる。
ヴォータンはフンディングを殺し、ブリュンヒルデへの怒りをむき出しにする。

第3幕
■第1場
8人のワルキューレが登場する。(ワルキューレの騎行)
(ちなみに映画「地獄の黙示録」で、ヘリコプターが攻撃するシーンでこの曲が使われたのは、ワルキューレが戦場での生死を司る役目であることの暗示である)
そこにジークリンデを連れたブリュンヒルデが助けを求めてやってくるが、ヴォータンの命令に背いたことにワルキューレたちは恐れおののく。
ジークリンデは死にたいと言うが、ブリュンヒルデはジークリンデのお腹の中にはジークムントの子供が宿っていることを教え、ノートゥングの破片を渡し、ジークリンデを逃がす。
怒ったヴォータンがやって来る。

■第2場
ヴォータンはブリュンヒルデの神性を剥奪し、岩山に眠らせ、発見した男のものになるという罰を言い渡す。

■第3場
ヴォータンとブリュンヒルデの長い対話。
ブリュンヒルデは自分の周りを火で囲み、それを乗り越える勇者でなければ自分近づけないようにしてほしいと嘆願する。
ヴォータンは火の神ローゲを呼び、岩山を火で取り囲ませる。(魔の炎の音楽)
(ローゲは登場しないが、岩山を取り囲む炎はローゲそのものの姿と考えられる)

「ジークフリート」に続く

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション123 ワーグナー/楽劇「ニーベルングの指輪」4部作~「ラインの黄金」(ショルティ/VPO)

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ワーグナー/楽劇「ラインの黄金」
ゲオルク・ショルティ/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1958年10~11月

配役
神々
 ヴォータン(神々の長):ジョージ・ロンドン(B)
 ドンナー(雷神):エーベルハルト・ヴェヒター(Br)
 フロー(春の神):ヴァルデマール・クメント(T)
 ローゲ(火の神):セット・スヴァンホルム(T)
 フリッカ(ヴォータンの妻、結婚の女神):キルステン・フラグスタート((S)
 フライア(フリッカの妹、美の女神):クレア・ワトソン(S)
 エルダ(知の女神):ジーン・マデイラ(MS)
ニーベルング族
 アルベリヒ:グスタフ・ナイトリンガー(B)
 ミーメ(アルベリヒの弟):パウル・キューン(T)
巨人族
 ファーゾルト:ヴァルター・クレッペル(B)
 ファーフナー(ファーゾルトの弟):クルト・ベーメ(B)
ラインの乙女たち
 ヴォークリンデ:オーダ・バルスボルク(S)
 ヴェルグンデ:ヘティー・ブリューマッハー(A)
 フロスヒルデ:イラ・マラニウク(S)


オペラOperaは作品を意味するOpusの複数形で、本来は「音楽的作品」という意味で使われたもので、現在その語から連想される「歌で進行する演劇」という意味はないが、日本語の訳語「歌劇」は言い得て妙という感じがしないでもない。

オペラは音楽か、演劇かと問われれば、間違いなく「音楽」だろう。
台本がいくらダメでも音楽が優れていればその作品は残るが、逆は絶対に成立しないからである。
極論すれば、台本はどうでもいいのである。「魔笛」がいい例で、台本にいくら欠陥があっても、音楽は不朽の名作である。

そのような「歌劇」に飽き足りないワーグナーは、音楽と演劇を一体化し、演出や舞台美術、劇場そのものまで包含した総合芸術としてMusikdramaを創出した。これは「楽劇」と訳される。

ワーグナーによる楽劇の集大成が、中世ドイツの叙事詩「ニーベルンゲンの歌」や北欧の神話などを題材に「ニーベルングの指輪」4部作で、4つの楽劇を4夜を費やして上演する。
通して約15時間ほどを要する、史上空前の大作である。
楽劇「ラインの黄金」
楽劇「ワルキューレ」
楽劇「ジークフリート」
楽劇「神々の黄昏」

「ニーベルングの指輪」4部作全曲が初めて発売されたのは、フルトヴェングラー指揮のローマ・イタリア放送交響楽団による、演奏会形式の放送用ライヴだった。(1953年録音)
これは4部作を10日間かけて演奏されている。
その後多くの録音が世に出たが、ほとんどはバイロイト音楽祭のライヴである。

この巨大な作品の全曲スタジオ録音を企てたのは、デッカのプロデューサーだった当時まだ30代前半だったジョン・カルショーである。
50年代、その企画をまかせるべき指揮者はクナッパーツブッシュ以外には考えられなかった。
1957年、まず「ワルキューレ」の録音が開始されるが、第1幕を録音しただけでとん挫した。(この第1幕だけの録音は、今でも名盤として有名である)
録音嫌いのクナッパーツブッシュでは、この壮大な企画は実現しないと見たカルショーは、指揮者をショルティに交代するのである。
カルショーも凄いが、認めたデッカも偉いと思う。そして前人未到の仕事を重戦車のようなパワーで成し遂げたショルティも。
ここにレコード録音史上の金字塔と言われる録音が、7年をかけて完成した。
録音は、4部作の順番通りではなく、
1958年 「ラインの黄金」
1962年 「ジークフリート」
1964年 「神々の黄昏」
1965年 「ワルキューレ」
の順で行われた。


さて楽劇は音楽と演劇は一体であるから、一般のオペラよりもストーリーをよく理解し、台本を追いながらでないと、その世界観に入り込むことが難しい。「ストーリーはよくわからんが、音楽がいいから」と言っていられないのだ。「リング」がとりわけ取っ付きにくい一因だろう。
今回は自分なりに、あらすじをまとめて見ることにした。多少独自の見解もあるかも知れない。

■「ラインの黄金」に入る前に
神々の長であるヴォータンは、片目と引き換えに世界樹であるトネリコの木から1本の枝を折って槍の柄を作り、世界を支配する象徴とした。
ヴォータンは巨人族兄弟に壮大なワルハラ城を作らせる。
火の神ローゲは、その代償としてフライアを差し出すことを約束してしまう。
フライアは黄金のリンゴを育てており、そのリンゴを食べているおかげで神々たちは永遠の若さを得ているのである。
ラインの河底には3人の娘がいて、ラインの黄金を守っている。
地底にはニーベルング族(小人族)がいる。

「ラインの黄金」
■第1場
3人のラインの娘たちが泳いでいると、地底に住むニーベルング族のアルベリヒがやって来る。
アルベリヒは3人に次々に言い寄るが、娘たちはからかうばかりで相手にしないので、アルベリヒは次第に怒りを募らせる。
不意に上から光が射しこんで来て、川底の黄金を照らし出す。
3人の娘たちは、その黄金から指輪を作る者は世界を支配できることと、それが出来るのは愛をあきらめた者だけだということをうっかり話してしまう。
それを聞いたアルベリヒは愛をあきらめることを決意し、黄金を盗んで去ってしまう。

■第2場
ワルハラ城が完成する。
ヴォータンの妻である結婚の女神フリッカは、その代償として妹のフライアを差し出す約束をしたことに対し、ヴォータンを責めるが、ヴォータンにはその気はない。その約束をしたローゲに任せるつもりでいる。
そこにファ-ゾルトとファーフナーの巨人族兄弟がやって来て、フライアを要求するが、ヴォータンは拒否する。
怒った巨人族兄弟と神々が言い争いをしているところにローゲがやって来る。彼はアルベリヒがラインの黄金を手に入れ、指輪を作ったことを明かす。
アルベリヒの財宝を奪い、それをフライアの代わりに報酬として差し出すことを提案し、兄弟も受け入れる。
兄弟はフライアを人質に一旦去る。フライアの黄金のリンゴを食べられなくなった神々は見る間に衰えてしまう。
ヴォータンはローゲとともに地底の国に向かう。

■第3場
アルベリヒはニーベルング族に財宝を集めさせ、弟のミーメには隠れ頭巾を作らせる。その頭巾を被ると何にでも変身することが出来るのだ。
ヴォータンとローゲが地底に降りて来て、ミーメに隠れ頭巾と指輪のことを聞き出し、アルベリヒに会う。
ローゲは奸計を巡らし、アルベリヒをおだて、自分が驚くようなものに変身するよう仕向けると、アルベリヒは隠れ頭巾を被り、大蛇に変身する。
ローゲは大袈裟に驚いて見せ、それならば小さなものに化けられるかと言うと、アルベリヒは蛙に化けて見せる。
すかさずヴォータンが蛙を踏みつけ、アルベリヒを縛り上げてしまう。
そして、地上に上って行く。

■第4場
ヴォータンとローゲはアルベリヒに財宝を要求し、地底からニーベルング族に運ばせる。
アルベリヒは隠れ頭巾も指輪も奪われ、指輪に呪いをかけて去って行く。
そこに巨人族兄弟がフライアを連れてやって来る。
兄弟は、フライアの姿が隠れるまで財宝を積み上げることを要求する。
全ての財宝を積み上げたが、まだ隙間があると言い張り、隠れ頭巾も要求する。
最後に指輪も要求するが、ヴォータンは応じない。
すると、岩の裂け目から知の女神エルダが現れ、呪いがかけられた指輪は手放すように諭す。
ヴォータンは兄弟に指輪を渡し、フライアは解放される。
巨人族兄弟は早速諍いを始め、弟のファーフナーは兄のファーゾルトを殺してしまう。
早くも恐ろしい呪いの威力を見た一同は、ワルハラ城に入城する。(ワルハラ城への神々の入城)
ローゲひとりは神々の没落を予見しているようだ。
黄金を失ったラインの娘たちの、嘆きの歌が河底から聞こえてくる。


「ワルキューレ」に続く

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション122 ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」全曲(フルトヴェングラー/VPO)

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ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」全曲
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団
配役
 レオノーレ:マルタ・メードル(ソプラノ)
 フロレスタン:ヴォルフガング・ヴィントガッセン(テノール)
 ロッコ:ゴットロープ・フリック(バス)
 ドン・ピツァロ:オットー・エーデルマン(バス)
 ドン・フェルナンド:アルフレート・ペル(バリトン)
 マルツェリーネ:セーナ・ユリナッチ(ソプラノ)
 ヤキーノ:ルドルフ・ショック(テノール)
 第一の囚人:アルウィン・ヘンドリックス(テノール)
 第二の囚人:フランツ・ビェルバッハ(バス)
1953年10月13~17日、ウィーン、ムジークフェラインザール(セッション録音)

ベートーヴェンはあらゆる分野に傑作を残したが、オペラにはかなり苦労し、難産の末に唯一のオペラ「フィデリオ」を完成させた。
この作品は、1805年に「レオノーレ」として上演されたが、大失敗に終わる。
翌年、3幕ものを2幕ものとして改訂したが、またも失敗に終わってしまった。
1814年になり、タイトルも「フィデリオ」と改め、序曲も新たに書いたものが今日知られている歌劇「フィデリオ」である。
ちなみにベートーヴェン自身は「レオノーレ」というタイトルにこだわったが、同じ原作による他のオペラが存在したことから、劇場側が難色を示したと言われている。
このオペラは、レオノーレが男装してフィデリオと名乗り、政敵に幽閉されている夫フロレスタンを救いに行く話なので、レオノーレとフィデリオは同一人物だが、タイトルロールとしては確かに「レオノーレ」がふさわしいとは思う。

ベートーヴェンは、モーツァルトが「コシ・ファン・トゥッテ」で、男女の恋愛を茶化したとして非難し、理想の夫婦像を描こうとしてこのオペラを創作したと言われている。
そのため、圧制への抵抗と夫婦愛がテーマとなっており、ベートーヴェンの生真面目さがよく表れてはいるが、台本にかなり無理があることはよく指摘される。

ベートーヴェンはこのオペラに4曲の序曲を書いた。
レオノーレ序曲第1番はベートーヴェン自身が破棄し、のちにOP138として出版された。
レオノーレ序曲第2番OP72aは「レオノーレ」初演の際に使われたもの。
レオノーレ序曲第3番OP72bは改訂の際に書かれた。
フィデリオ序曲OP72cが最終形である。
この中ではレオノーレ序曲第3番が音楽的に最も優れているため、マーラーは序曲第3番を第2幕フィナーレの前に挿入した。
フルトヴェングラーもその方法を踏襲している。
ここなら効果的に収まるし、「1曲余計に聴ける」みたいなお得感もある。
ただ、大臣ドン・フェルナンド到着が2度繰り返されるような違和感がないわけでもない。

フルトヴェングラーは戦時中、「フィデリオ」を頻繁に演奏したらしい。そのことはナチスドイツに対するある種のメッセージも感じられる。
録音が残っているのは4種類で、これは唯一のセッション録音で、台詞はカットされている。
配役は、当時の錚々たるワーグナー歌手陣による。
1950年のザルツブルクでのタイトルロールはフラグスタートが歌っているが、1952年の「トリスタン」での”代役事件”でフラグスタートとEMIが衝突してしまったため、メードルに代わったのだろう。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション121 ブルックナー/交響曲第7番(朝比奈隆/大阪PO、フローリアンライヴ)

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ブルックナー/交響曲第7番ホ長調
朝比奈隆/大阪フィルハーモニー交響楽団
1975年10月12日、ザンクト・フローリアン修道院マルモア・ザール(オーストリア、リンツ)

1975年、朝比奈隆と大阪フィルは初めてのヨーロッパ公演を行った。
スイス各地での公演を終え、10月12日、オーストリアのリンツ郊外にあるザンクト・フローリアン修道院でブルックナー7番の公演が行われた。
ザンクト・フローリアン修道院は、ブルックナーが長くオルガニストを務め、今もその地下に眠っている。ブルックナーの聖地のような場所だ。
リンツでの公演が、市内のブルックナー・ホールではなくこの場所で行われることは、指揮者の朝比奈も日程中に知ったらしい。
会場となったマルモア・ザール(大理石の広間)は、残響時間7秒という特性を持っており、その長さは録音からも実感できる。
会場が狭いということもあり、やや小編成になっており、金管が抑え気味になっている。

午後4時開演。10分後に朝比奈が指揮台に上る。
演奏はかなり遅めのテンポで進み、第2楽章最後の和音が静かに消えた直後、ザンクト・フローリアンの5時の鐘が4つ鳴った。
直後、それに答えるように別の鐘楼から鐘の音が5つ。静寂が空間を満たしたあと、静かに第3楽章が始まった。
この「奇跡」により、朝比奈の7番は「伝説」となった。


長らくLPでしか所有していなかったのだが、今回中古のCDを購入した。

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LPのジャケット

2枚組で、各楽章がLP片面にゆったりと入っていて、音質的には良好だった。
CDはつなげて聴けるので、第2~3楽章間の鐘の音が自然に聴けるのが、LPと違う点だ。
終幕後の拍手は、LPでは6分ほど収録されていたが、1分ほどでカットされている。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション120 フェリアー/バッハ、ヘンデル・アリア集

バッハ
フェリアー/バッハ、ヘンデル・アリア集
カスリーン・フェリアー(コントラルト)

 1 バッハ/ミサ曲ロ短調BWV232~御父の右に座したもう主よ★
 2 バッハ/マタイ受難曲BWV244~懺悔と悔悟は罪の心をふたつに押しつぶし★
 3 バッハ/ヨハネ受難曲BWV245~事終わりぬ★
 4 バッハ/ミサ曲ロ短調BWV232~神の子羊★
 5 バッハ/マタイ受難曲BWV244~主よ憐みたまえ
 6 バッハ/マタイ受難曲BWV244~ああ、ゴルゴダよ、汝ら、みよ、イエスはその手をひろげて
 7 バッハ/カンタータ第11番「神をそのもろもろの国にて頌めよ」BWV11~おお、願わくば留まりたまえ
 8 ヘンデル/オラトリオ「サムソン」~万軍の主よ、帰りたまえ★
 9 ヘンデル/オラトリオ「メサイア」~おお汝、よき音信を告げし者★
10 ヘンデル/オラトリオ「マカベウスのユダ」~天なる父★
11 ヘンデル/オラトリオ「メサイア」~主ははずかしめられたり★
12 ヘンデル/歌劇「セルセ」~オンブラ・マイ・フ

1~4 エードリアン・ボールト/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 1952年10月8日
5 マルコム・サージェント/ナショナル交響楽団 1946年
6~7 レジナルド・ジェイクス/ジェイクス・オーケストラ 1948年11月(初出)
8~11 エードリアン・ボールト/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 1952年10月7日
12 マルコム・サージェント/ロンドン交響楽団 1948年10月7日

★のついた8曲が本来のアルバムで、他の4曲はこのCDにおいて追加されたもの

「バッハ、ヘンデル・アリア集」と題された8曲のアルバムは、1952年10月7日にヘンデルの4曲、翌8日にバッハの4曲が録音された。
その8日、フェリアーに1本の電話がかかる。
それは病院からの電話で、かねて依頼していた健康診断の打合せだった。
奇しくもちょうど1年後、1953年の10月8日に世を去ってしまうフェリアーの最後のレコーディングになった。
最後のレコーディングが、かくも美しく、悲しみに満ちた選曲になっているとは、涙なしには聴けないアルバムである。

このCDでは、40年代に録音されたものを4曲追加している。いわばボーナストラックであり、普通ならばなくてもいいものだが、内容が素晴らしいのでありがたいとすべきものだろう。
なお、5曲目(ペテロの否認のあとに歌われるアルトのアリアで、全曲中最も感動的な1曲)の指揮者レジナルド・ジェイクスについては全く情報不足だが、これは1947年から翌年にかけて録音された全曲盤からの1曲である。

バッハ、ヘンデルとも、現在のオリジナル楽器全盛の軽快な表現とは一線を画しており、50年代前後の特徴をよく表している。今ではなかなか聴けない演奏として貴重である。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション119 メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲(ハイフェッツ、ミュンシュ/BSO)

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メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調
ヤッシャ・ハイフェッツ
シャルル・ミュンシュ/ボストン交響楽団
1959年録音

ミュンシュによるシューベルト、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームスの作品を収めた8枚組のボックスセットを見つけた。
すでに所有しているものとかなりダブってしまうが、未聴のものが数点あったので、安かったこともあり買ってしまった。

その中からメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。
今更何を、という感じの古典的名盤だが、今回改めて聴き直して見た。

ヴァイオリン協奏曲の世界では、
 ベートーヴェン
 ブラームス
 メンデルスゾーン
 チャイコフスキー
の協奏曲を「4大ヴァイオリン協奏曲」と呼ぶ。
「3大ヴァイオリン協奏曲」という場合は、そこからチャイコフスキーを除くのが一般的。つまり、メンデルスゾーンの一曲はベートーヴェン、ブラームスという巨大な存在と並び称されるというわけだ。
メンデルスゾーンの代表作というだけではなく、ロマン派を代表する傑作とされる。
第1楽章冒頭で示されるメランコリックな主題は、誰でも知っている名旋律だが、第1楽章全体は非常に華やかで技巧的な音楽である。
叙情的な第2楽章、明るく軽快な第3楽章という構成のわかりやすさもあり、人気が高いのも頷ける。
ただ、第1楽章のテーマは、ともするとその甘ったるさを敬遠したくなってしまうのだが、ハイフェッツとミュンシュの共演はそのような甘ったるさなどどこを探しても存在しない。頭をガツンとぶん殴られるような演奏なので、逆に安心して聴けるのである。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション118 マーラー/歌曲集「子供の不思議な角笛」(アバド/BPO)

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マーラー/歌曲集「子供の不思議な角笛」

アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(メゾ・ソプラノ)
トーマス・クヴァストコフ(バリトン)
クラウディオ・アバド/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1998年録音

 1 死んだ鼓手(B)
 2 ラインの伝説(MS)
 3 不幸の中の慰め(B)
 4 無駄な骨折り(MS)
 5 歩哨の夜の歌(B)
 6 うき世の暮らし(MS)
 7 塔の中の囚人の歌(B)
 8 この歌をひねり出したのはだれ?(MS)
 9 魚に説教するパドヴァのアントニウス(B)
10 高遠なる知性のおほめの言葉(B)
11 美しいトランペットの鳴り渡るところ(MS)
12 少年鼓手(B)
13 原光(MS)


「子供の不思議な角笛」は、ルートヴィッヒ・アルニムとクレメンス・ブレンターノが収集したドイツの民謡詩集で、グリム童話と並んで、ドイツの代表的な民族的遺産とされる。
この中にはおよそ600篇のテキストが含まれていて、多くの詩人や音楽家がこれを創作の源としているが、マーラーの手になる作品が最も重要である。
マーラーの「子供の不思議な角笛」は1905年に12曲の歌曲集として出版された。
その後、曲集中の「三人の天使が歌った」と「原光」をはずし、代わりに「死んだ鼓手」と「少年鼓手」の2曲を加えて、曲数は変わらず12曲となっている。
「三人の天使が歌った」は、交響曲第3番の第5楽章に、「原光」は交響曲第2番の第4楽章に転用された。

曲順は演奏者の裁量に任されており、男声・女声いずれが担当しても良い。
名高いF=ディースカウ、シュヴァルツコップ盤(セル指揮)のように、男女デュエットを加えることもある。
通常は12曲の演奏が多いが、この盤のように「原光」を含めた13曲とする場合もある。(当盤での「原光」は絶品!)
構成の自由度が高いので、それらを聴き比べるのも一興だ。

F=ディースカウ、シュヴァルツコップ、セル/LSO盤

アンネ・ゾフィー・フォン・オッターは1955年、スウェーデン生まれのメゾ・ソプラノで、幅広いレパートリーと知的な表現で知られる。
トーマス・クヴァストコフは1959年、ドイツに生まれたバリトン歌手。
サリドマイドによる重い障害を持って生まれたが、それを克服し、歌手として成功を収めた。現在は健康上の理由により歌手としての活動からは引退し、教育などの分野で活躍している。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション117 バッハ/管弦楽組曲第3番(フルトヴェングラー/BPO)

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バッハ/管弦楽組曲第3番
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1948年10月22日録音

フルトヴェングラーの管弦楽組曲は、第3番のみ2種類の録音が残っている。
1948年10月22日の放送用録音と、2日後の24日のティタニア・パラストでのライヴである。
この日のコンサートは
 バッハ/管弦楽組曲第3番
 シューベルト/交響曲第8番「未完成」
 ブラームス/交響曲第4番
というプログラムで行われ、3曲とも録音が残っている。
22日はそれに先立って行われた放送用録音で、なぜかシューベルトだけ録音が残っていない。

この年の10月から11月にかけて、フルトヴェングラーは大忙しだった。録音から追って見ると、
10月3日には、ロンドンでウィーン・フィルとのライヴ
17~18日にはハンブルク・フィルに客演
22日にベルリンで放送用録音
24~26日にライヴ
11月2~3日にはロンドンでブラームス第4のリハーサル録音が残っているので、同じプログラムでコンサートが行われたのかも知れない。
そして12~19日にはストックホルム・フィルに客演している。


この録音を「名盤」とするには異論もあるだろう。
確かに現代人の耳には、あまりに大時代に響くだろう。自分だってそう思う。
この曲の後半は本来「舞曲」なのだが、このテンポの動かし方は明らかに間違っているのかも知れない。
だが、じっくりと耳を傾けていれば、フルトヴェングラーの音楽に向き合う真摯さのようなものが伝わって来ないだろうか。
何より、何と美しい「エア」なのだろう。

なお、24日のライヴ録音だが、自分が持っている音源では聞き苦しい雑音が多かったので、ここでは22日の放送録音を選んだ。
またフルトヴェングラーは、1929年に「エア」のみ録音しており、「SP録音初期のフルトヴェングラー」にも収録されている。
SP録音初期のフルトヴェングラー

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション116 バッハ/管弦楽組曲全集(リヒター/ミュンヘン・バッハ管弦楽団)

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バッハ/管弦楽組曲全集
カール・リヒター/ミュンヘン・バッハ管弦楽団
1983年録音

管弦楽組曲第1番ハ長調BWV1066
 序曲
 クーラント
 ガヴォット1&2
 フォルラーヌ
 メヌエット1&2
 ブーレ1&2
 パスピエ1&2

管弦楽組曲第2番ロ短調BWV1067
 序曲
 ロンドー
 サラバンド
 ブーレ1&2
 ポロネーズ ドゥーブル
 メヌエット
 バディヌリ

管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068
 序曲
 エア
 ガヴォット1&2
 ブーレ
 ジーグ

管弦楽組曲第4番ニ長調BWV1069
 序曲
 ブーレ1&2
 ガヴォット
 メヌエット1&2
 レジュイサンス


カール・リヒターは、1926年、牧師の子として生まれた。
11歳の時、ドレスデン聖十字架教会の聖歌隊に入り、初めての音楽教育を受ける。ここでバッハやハインリッヒ・シュッツの音楽に親しんだ。
1946年、ライプツィヒ音楽院に入学。ギュンター・ラミンに師事する。
1951年、ミュンヘンの聖マルコ教会のオルガニストに就任。これを機にミュンヘンに移る。
同年、ハインリッヒ・シュッツ合唱団の指揮者となる。これが指揮者としてのスタートだったようだ。
リヒターはこの合唱団を、バッハのカンターターを演奏する目的でミュンヘン・バッハ合唱団と改称した。
1953年、ソリストを募集してミュンヘン・バッハ管弦楽団を創設する。
以後、バッハ作品を中心に、多くのレコーデイングを行った。

リヒターのバッハは非常に厳格な表現で、ピリオド楽器全盛の現在ではいささか重々し過ぎると感じるかも知れないが、現在でもバッハの演奏ではリヒターを最上とする人が多い。
自分にとってもリヒターは基準である。
初めは重々し過ぎると感じても、聴き進むうちに全く気にならなくなり、リヒターのバッハに惹き込まれていくのである。

ちなみに、フルトヴェングラーは第3番のみ録音を残しているが、相通じるものがあるように思う。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション115 ブラームス/交響曲第1番(フルトヴェングラー/北西ドイツ放送SO)

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ブラームス/交響曲第1番ハ短調OP68
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/北西ドイツ放送交響楽団
1951年10月27日 ハンブルクでのライヴ録音

1945年、指揮者ハンス・シュミット・イッセルシュテットは、イギリス政府からドイツ国内のオーケストラのメンバーを集めて再結成するようにとの要請を受けた。
そして生まれたのが「北西ドイツ放送交響楽団」である。(「ハンブルク北西ドイツ放送交響楽団」と表記する資料もある)
後に「北ドイツ放送交響楽団」となる。この名称ではギュンター・ヴァントの名が連想されるだろう。彼は1982年から90年まで主席指揮者を務めた。
現在は「NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団」となっていて、2017年にオープンした「エルプフィルハーモニー・ハンブルク」を本拠地としている。
「エルプフィルハーモニー・ハンブルク」はヘルツォーグ&ド・ムーロンの設計で話題になった。

1951年10月27日、このオーケストラに初の客演指揮者としてフルトヴェングラーが指揮台に立った。
この日のプログラムは、ハンブルク出身であるブラームスの作品。
 ハイドンの主題による変奏曲
 ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
 交響曲第1番
で、このCDでは二重協奏曲を除く2曲が聴ける。(なぜか二重協奏曲の録音は残っていない)

フルトヴェングラーはブラームスの作品を数多く演奏しており、名盤も多い。
交響曲第1番は10種類の録音が残っている。(他に第4楽章のみの録音あり)
1番は明らかにフルトヴェングラー向きの曲だと思うのだが、全集に収められているVPOとの1952年盤を含めて、個人的には他の交響曲ほど圧倒的な印象を受けなかった。
全部を聴いたわけではないが、1番ではこのハンブルク・ライヴが最も優れているように感じた次第である。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション114 ドヴォルザーク/後期3大交響曲(クーベリック/BPO)

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ドヴォルザーク
交響曲第7番 1971年1月録音
交響曲第8番 1966年6月録音
交響曲第9番 1972年6月録音
ラファエル・クーベリック/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ドヴォルザークの後期3大交響曲をもうひとつ。
本国チェコのクーベリックによる全集からの分売である。
他に交響詩「野ばと」という珍しい曲と、スメタナの「モルダウ」が入っている。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション113 ドイツ・グラモフォン/センテナリー・コレクション 初期録音集1898~1947

ドイツ・グラモフォン/センテナリー・コレクション 初期録音集1898~1947
5枚組CD

発明王トーマス・エジソンが蓄音機を発明したのは1877年のことである。
錫箔を巻いた円筒に記録する方式だった。
前年、エジソンはグラハム・ベルとの電話開発競争に敗れたが、音声を記録することが出来れば電話に頼ることはないと考え、音声の記録・再生に取り組んだのが蓄音機の発明につながったのである。
エジソン自身は、これが音楽の再生に利用されるということはあまり想定していなかったようだ。
実際、エジソンの円筒式蓄音機は性能が低く、音質にはかなり問題があったようだ。

1888年、ベルは錫箔の代わりにワックスを塗った円筒を使用し、録音と再生に別々の針を用いるなどの工夫を施した蓄音機を開発した。
これに触発され、エジソンは改良型の蓄音機を完成させるが、同じころベルの会社で技術者として働いていたエミール・ベルリナーは、円筒式ではなく円盤型の蓄音機を発明した。
大量生産の容易さを考えると、円盤型の優位は明らかで、最終的にはベルリナーの方式が勝利を収めることになる。
ベルリナーの蓄音機は「グラモフォン」と名づけられ、1898年ドイツ・グラモフォン社が創設された。

この5枚組CDは、ドイツ・グラモフォン社が持つ歴史的コレクションの中から、5つのテーマに分けて編集されたものである。
この中で注目すべきは、5枚目のモーツァルト/レクイエムである。
ナチス・ドイツ下で、ユダヤ的な部分を排除するために、歌詞が改変されているのである。

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CD-1 録音のパイオニアたち

エミール・ベルリナーの声(彼の義妹サラ・ハーンへの手紙の朗読からの抜粋)
1897年頃 アメリカ?

スーザ/自由の精神に万歳
ロンドン・ミューニシパル軍楽隊
1898年頃 ロンドン?

グノー(原曲:バッハ)/アヴェ・マリア
アレッサンドロ・モレスキ(ソプラノ・カストラート)
ピアノとヴァイオリン伴奏
1904年4月11日 ローマ

ヴェルディ/歌劇「オテロ」~喜べ
フランチェスコ・タマーニョ(テノール)
ピアノ伴奏
1903年2月7~11日 サンレモ近郊オスペダレッティ

ヴェルディ/歌劇「オテロ」~さらば栄光よ
フランチェスコ・タマーニョ(テノール)
ピアノ伴奏
1903年2月7~11日 サンレモ近郊オスペダレッティ

マペッリ/アヴェ・マリア
フランチェスコ・タマーニョ(テノール)
ピアノ伴奏
1903年2月7~11日 サンレモ近郊オスペダレッティ

蛍の光
ネリー・メルバ(ソプラノ)
コールドストリーム・ガーズ軍楽隊と合唱団
1905年9月 ロンドン

プッチーニ/歌劇「ラ・ボエーム」~愛らしい乙女よ
ネリー・メルバ(ソプラノ)
エンリコ・カルーソー(テノール)
管弦楽伴奏
1907年3月24日 ニューヨーク

プッチーニ/歌劇「ラ・ボエーム」~もう帰らないミミ
エンリコ・カルーソー(テノール)
アントニオ・スコッティ(バリトン)
管弦楽伴奏
1907年3月17日 ニューヨーク

マイアベーア/歌劇「アフリカの女」~おお、パラダイス
エンリコ・カルーソー(テノール)
管弦楽伴奏
1907年2月20日 ニューヨーク

ドニゼッティ/歌劇「愛の妙薬」~人知れぬ涙
エンリコ・カルーソー(テノール)
ピアノ伴奏(推定C・H・H・ブース)
1904年2月1日 ニューヨーク

モシュコフスキー/ギターレOP45
アルフレート・グリューンフェルト(ピアノ)
1907年 ウィーン

J・シュトラウス(グリューンフェルト編)/春の声
アルフレート・グリューンフェルト(ピアノ)
1913年4月29日 ウィーン

クライスラー/愛の喜び
フリッツ・クライスラー(ヴァイオリン)
ハドン・スカイア(ピアノ)
1911年 ニューヨーク

クライスラー/愛の悲しみ
フリッツ・クライスラー(ヴァイオリン)
ハドン・スカイア(ピアノ)
1911年 ニューヨーク

ムソルグスキー/歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」~さらば、我が子よ(ボリスの死)
フョードル・シャリアピン(バス)
管弦楽伴奏
1911年10月15日 サンクト・ペテルブルク

ヴェルディ/歌劇「仮面舞踏会」~希望と喜びに満ちて
ハインリッヒ・シュルスヌス(バリトン)
管弦楽伴奏
1917年 ベルリン

R・シュトラウス/献呈OP10-1
ハインリッヒ・シュルスヌス(バリトン)
リヒャルト・シュトラウス(ピアノ)
1921年 ベルリン?

ベルリオーズ/ローマの謝肉祭
アルトゥール・ニキシュ/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1920年 ベルリン?

メンデルスゾーン/序曲「フィンガルの洞窟」OP26
ブルーノ・ワルター/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1924年 ベルリン


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CD-2 管弦楽録音

ベートーヴェン/「コリオラン」序曲
オットー・クレンペラー/ベルリン国立歌劇場管弦楽団
1927年 ベルリン

モーツァルト/ドイツ舞曲K600-2
エーリッヒ・クライバー/ベルリン国立歌劇場管弦楽団
1927年 ベルリン

ワーグナー/楽劇「ワルキューレ」~ワルキューレの騎行
ハンス・クナッパーツブッシュ/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1928年 ベルリン

プフィッツナー/歌劇「心」~愛のメロディ
ハンス・プフィッツナー/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1932年 ベルリン

ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1935年 ベルリン

レスピーギ/交響詩「ローマの祭り」~チルチェンセス
ヴィクトル・デ・サバータ/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1939年4月 ベルリン

ニコライ/歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
パウル・ファン・ケンペン/ベルリン国立歌劇場管弦楽団
1939年 ベルリン

R・シュトラウス/日本建国2600年祝典序曲OP84
リヒャルト・シュトラウス/バイエルン国立管弦楽団
1940年 ミュンヘン

J・シュトラウスⅡ/喜歌劇「ジプシー男爵」序曲
ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1942年10月21日 ベルリン
マルセル・ポート/アレグロ・シンフォニエッタ
カール・シューリヒト/ベルリン市立O
1943年3月? ベルリン


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CD-3 協奏曲録音

バッハ/ブランデンブルク協奏曲第5番~第1楽章
フリードリヒ・トーマス(フルート)
ジークフリート・ボリース(ヴァイオリン)
フランツ・ルップ(チェンバロ)
アロイス・メリヒャル/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1934年11月21日 ベルリン

ストラヴィンスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ調
サミュエル・ドゥシュキン(ヴァイオリン)
イーゴル・ストラヴィンスキー/ラムルー管弦楽団
1935年 パリ

ブラームス/ピアノ協奏曲第2番~第3楽章
エリー・ナイ(ピアノ)
ティボール・デ・マヒュラ(チェロ独奏)
マックス・フィードラー/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1939年 ベルリン

モーツァルト/コンサート・ロンドK382
ヴィルヘルム・ケンプ(ピアノ)
パウル・ファン・ケンペン/ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
1941年 ベルリン

シューマン/チェロ協奏曲OP129~第3楽章
エンリコ・マイナルディ(チェロ)
パウル・ファン・ケンペン/ベルリン国立歌劇場管弦楽団
1942年 ベルリン

シベリウス/ヴァイオリン協奏曲OP47~第3楽章
アニヤ・イグナティウス(ヴァイオリン)
アルマス・ヤルネフェルト/ベルリン市立管弦楽団
1943年1月26日 ベルリン


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CD-4 ソロ・室内楽録音

ヒンデミット/弦楽三重奏曲第1番OP34~第1楽章
アマル=ヒンデミット・トリオ
ヴァルター・カスパル(ヴァイオリン)
パウル・ヒンデミット(ヴィオラ)
ルドルフ・ヒンデミット(チェロ)
1927年 ベルリン

ワーグナー(ウィルヘルミ編)/アルバムの一葉
ゲオルク・クーレンカンプ(ヴァイオリン)
フランツ・ルップ(ピアノ)
1935年 ベルリン

ドビュッシー/小組曲~メヌエット
ゲオルク・クーレンカンプ(ヴァイオリン)
フランツ・ルップ(ピアノ)
1935年 ベルリン

バッハ/目覚めよと呼ぶ声ありBWV140
ヴィルヘルム・ケンプ(ピアノ)
1936年 ベルリン

パガニーニ/うつろな恋(ネル・コル・ビウ)による変奏曲
ヴァーシャ・プシホダ(ヴァイオリン)
オットー・A・グレーフ(ピアノ)
1938年3月18日 ベルリン

スメタナ/わが祖国より
ヴァーシャ・プシホダ(ヴァイオリン)
オットー・A・グレーフ(ピアノ)
1938年8月23日 ベルリン

シューベルト/12のドイツ舞曲D790
エドゥアルト・エルトマン(ピアノ)
1940年11月 ベルリン

シューマン/交響的練習曲OP13
ゲザ・アンダ
1943年 ベルリン

バッハ/トッカータとフーガニ短調BWV565
ヘルッムート・ヴァルヒャ(オルガン)
1947年8月24日 リューベック、聖ヤコブ教会


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CD-5 モーツァルト/レクイエム他

モーツァルト/レクイエムK626
ティラ・ブリーム(ソプラノ)
ゲルトルート・フライムート(アルト)
ヴァルター・ルートヴィッヒ(テノール)
フレート・ドリッセン(バス)
ブルーノ・キッテル/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ブルーノ・キッテル合唱団
1941年 ベルリン

バッハ/マタイ受難曲BWV244~終結合唱「涙ながらに跪き」
ブルーノ・キッテル/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ブルーノ・キッテル合唱団
1942年8月24日 ベルリン

ブラームス/静かなる夜に
カール・シュトラウベ/ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団
1930年 ベルリン

作曲者不詳(フックス編)/おさなごキリストの子守歌
ギュンター・ラミン/ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団
1940年5月6日 ベルリン

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション112 ドヴォルザーク/後期3大交響曲(セル/クリーヴランドO)

ドヴォルザークの交響曲は全9曲だが、この番号が確定したのは比較的最近のことである。
チャイコフスキーの場合は全6曲で、前半3曲と後半3曲のポピュラリティには歴然とした差があるので、後期3大交響曲と言っても間違いない。
ドヴォルザークの場合は9番の知名度が圧倒的に高く、8番がそれに次ぐが、7番となると急に知名度が落ちるため、後期3大交響曲といういい方はしないようだが、ここではあえてそういう書き方をする。
セルは1960年前後にこの3曲を録音しており、いずれも名演。現在は2枚組で3曲が入ったCDがある。余白に入ったスメタナも聴きものである。

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交響曲第7番ニ短調OP70
ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団
1960年3月18~19日録音

第7番は1884年から1885年にかけて作曲された。
前年の1883年にブラームスの交響曲第3番の初演を聴いて影響を受けた可能性が指摘されている。
そのためか、ブラームス的な重厚さが感じられる曲となっている。
それほど多くの録音を聴いたわけではないが、セルによる演奏は決定盤と言っていいだろう。


交響曲第8番ト長調OP88
ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団
1958年10月24日~11月1日録音

1889年に作曲された。
9番ほどの知名度はないが、9番より高く評価する人も多い。
美しいメロディが印象的な第3楽章、華やかな演奏効果の第4楽章が印象深い。
稀代のメロディメーカー、ドヴォルザークの面目躍如といった作品である。
以前は「イギリス」というニックネームで知られていたが、これはイギリスで出版されたという些細な理由からで、現在はほとんど使われない。


交響曲第9番ホ短調OP95「新世界より」
ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団
1959年3月20日~21日録音

アメリカ滞在中の1893年に作曲された最後の交響曲。
アメリカ滞在は3年間だったが、「新世界」の他、弦楽四重奏曲「アメリカ」やチェロ協奏曲という傑作を書いた。実り多い滞在だったと言えるだろう。
「新世界より」というタイトルは、新世界アメリカから祖国ボヘミアに向けたメッセージという意味合いがあるとされる。
私が聴き始めたころは、交響曲といえば「運命」「未完成」「悲愴」「新世界」が最もポピュラリテイが高かったが、今でもそんなに変わらないかも知れない。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション111 マーラー/さすらう若人の歌(フィッシャー=ディースカウ、フルトヴェングラー/フィルハーモニアO)

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マーラー/さすらう若人の歌
 第1曲 彼女の婚礼の日は
 第2曲 朝の野辺を歩けば
 第3曲 僕の胸の中には燃える剣が
 第4曲 彼女の青い目が

ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/フィルハーモニア管弦楽団
録音:1952年6月24~25日

よく知られている通り、フルトヴェングラーにはマーラーの交響曲の録音はない。
ただ、これは録音が残っていないだけであって、演奏されていないわけではないことには注意を要する。
フルトヴェングラーによるマーラー録音は、「さすらう若人の歌」だけだが、3種類存在するのは興味深い。
 1 ウィーン・フィル、F=ディースカウ 1951年8月19日 ザルツブルグ音楽祭(ライヴ)
 2 フィルハーモニアO、F=ディースカウ 1952年6月24~25日 ロンドン(スタジオ録音)
 3 ウィーン・フィル、アルフレート・ペル 1952年11月30日 ウィーン(ライヴ)

フルトヴェングラーは、51年のザルツブルグ音楽祭でのライヴ録音の際にフィッシャー=ディースカウにマーラーの音楽の美しさを教えられたと語っている。
フルトヴェングラー65歳、フィッシャー=ディースカウは弱冠26歳の若者だった。
天下の大指揮者にそこまで言わせたフィッシャー=ディースカウも凄いが、フルトヴェングラーの謙虚さも偉いと思う。
この時の録音がきっかけで、翌年のスタジオ録音につながることになる。
その5か月後にも取り上げていることから考えると、余程この曲が気に入ったのだろう。ついでに交響曲も録音してくれるとよかったのだが。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション110 グリーク/ピアノ協奏曲(リパッティ、ガリェラ/フィルハーモニアO)

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グリーク/ピアノ協奏曲
ディヌ・リパッティ(ピアノ)
アルチェオ・ガリェラ/フィルハーモニア管弦楽団
録音:1947年9月18~19日

グリークのピアノ協奏曲は、1868年、作曲者25歳の時に書かれた。初期の代表的作品と言える。
グリークの作品の中でも人気が高く、ロマン派のピアノ協奏曲の中でも特に人気があるが、個人的にはそれほど好きではない。
誰でも知っている冒頭のフレーズだが、やっぱりシューマンのピアノ協奏曲に酷似しているし、グリークとしては外連味がありすぎの感じがしなくもない。
そもそもグリークの本領は、北欧的叙情にあふれた歌曲やピアノ曲にあると思う。
だからこそ、確かなテクニックと揺るぎない表現力の中に、叙情性をたたえたリパッティの演奏に惹かれるのである。
リパッティ30歳の演奏。1947年という年は、良い薬が効いて体調が良かったのだろう。比較的多くの録音が行われている。
残念なことに、最後の演奏会までは3年しか残されていない。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション109 マーラー/交響曲「大地の歌」(バーンスタイン/VPO)

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マーラー/交響曲「大地の歌」
レナード・バーンスタイン/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
ジェームス・キング(テノール)
1966年6月録音

「大地の歌」は、全6楽章。
奇数楽章を男声、偶数楽章は女声の独唱が入る。
偶数楽章は男声でも良いとされているが、実際の録音は少ない。
フィッシャー=ディースカウを起用したバーンスタイン盤は、男声によるものでは決定盤と言えるものだろう。
というか、他の男性歌手による録音は知らない。F=D以外の歌手ではどうにも様にならないような気がする。そのあたりはさすがである。
バーンスタインは、ニューヨークフィルによる60年代の全集、3つのオケを振り分けた80年代の全集でも「大地の歌」は録音していない。
交響曲という扱いではなく、あくまでも連作歌曲集という考え方なのかも知れない。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション107、108 ペルゴレージ/スターバト・マーテル(アバド盤、ホグウッド盤)

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ペルゴレージ/スターバト・マーテル

クラウディオ・アバド/ロンドン交響楽団員
マーガレット・マーシャル(ソプラノ)
ルチア・ヴァレンティーニ・テッラーニ(アルト)
レスリー・ピアソン(オルガン)
1983年録音


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ペルゴレージ/スターバト・マーテル
ペルゴレージ/サルヴェ・レジナ ハ短調

クリストファー・ホグウッド/アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック
エマ・カークビー(ソプラノ)
ジェームス・ボウマン(カウンター・テノール)
1988年録音


ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ(1710-1736)は、著名な作曲家の中ではリリ・ブーランジェと並んで、最も短命の作曲家と言えるだろう。
わずか26年と言う短い生涯だったが、死後急速に高まった名声にあやかってか、その作品とされているものの実に8割ほどが偽作であると言う。
ペルゴレージの作品の中では、イタリア・オペラの歴史に大きな転換点を与えたとされる傑作「奥様女中」と、恐らく最後の作品とされる「スターバト・マーテル」が特に有名である。

「スターバト・マーテル」(悲しみの聖母)の詩は、十字架の傍らに佇む聖母マリアの悲しみを歌ったもので、13世紀に作られたものであるとされている。
多くの作曲家によって書かれ、名作が多いが、ペルゴレージの作品は中でも傑作とされる。

アバド盤はロンドン響の弦楽奏者23人によって演奏されたもので、独唱者もベストと言え、この時代では決定盤だったように思う。
その後、オリジナル楽器による演奏が多く出たが、ホグウッド盤はその代表的な名盤と言えるだろう。ここではアルトではなく、カウンターテノールを起用している。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

名盤コレクション106 バッハ/ブランデンブルク協奏曲全曲(レオンハルト指揮)

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バッハ/ブランデンブルク協奏曲全曲

ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調BWV1047
ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調BWV1048
ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV1050
ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調BWV1051

シギスヴァルト・クイケン(バロック・ヴィオリーノ・ピッコロ、ヴァイオリン、ヴィオラ)
ルシー・ファン・ダール(バロック・ヴァイオリン&ヴィオラ)
アンナー・ビルスマ(バロック・チェロ)
ヴィーラント・クイケン(バロック・チェロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ)
アンソニー・ウッドロウ(ヴィオローネ)
クロード・リッパース(バロック・トランペット)
フランス・ブリュッヘン(ブロックフレーテ、フラウト・トラヴェルソ)
パウル・ドンブレヒト(バロック・オーボエ)
アブ・コスター(ナチュラル・ホルン)
ボブ・ヴァン・アスペレン(チェンバロ)他
グスタフ・レオンハルト(指揮、チェンバロ)

録音
第1番 1976年12月
第2番 1977年6月
第3番 1976年7月
第4番 1977年3月
第5番 1976年1月
第6番 1976年7月


ブランデンブルク協奏曲は、6曲からなる合奏協奏曲集である。ブランデンブルク辺境伯クリスティアン・ルートヴィッヒに献呈されたためにこの名があるが、自筆譜には単に「いくつもの楽器による6つの協奏曲」とあるだけである。
素っ気無い表記だが、驚くほど多彩な魅力が詰まったこの曲集の性格を図らずも言い当てているようにも感じられる。
作曲の過程は明らかではないが、かなり長い期間に渡って創作されたものを、6曲にまとめたものだろうと言われている。
作曲の動機に関しては、一種の就職活動だったのだろうと考えられている。自分には何でも出来るという、売り込みだろう。
6曲はそれぞれ多彩な魅力で彩られている。特にチェンバロを主役に据えた、この時代としては画期的な5番と、ヴァイオリンを欠く弦楽合奏と言う意表を突いた6番がユニークである。

1970年代、オリジナル楽器の大家を総動員して行われた録音で、この方面のひとつの規範となりうるもの。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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