FC2ブログ

”タイミルセグロカモメ”(交雑個体群)

タイミルセグロカモメ(交雑個体群)
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 2019.11.9 千葉県銚子市

DSC00235-001_R.jpg

タイミルセグロカモメは正式に亜種とは認められておらず、このたび発売になった「決定版日本のカモメ識別図鑑」(氏原巨雄・氏原道昭著)でも、ニシセグロカモメの亜種ヒューグリンカモメとセグロカモメの交雑個体群という位置づけとされた。
今後は当ブログでも
 ”タイミルセグロカモメ”(交雑個体群)
という書き方をしたいと思う。

カモメ類に関しては、「日本産鳥類目録第7版」とは異なるが、「決定版日本のカモメ識別図鑑」の記述を採用し、今後は以下のリストを使用する。
煩雑ではあるが、当面は
 アイスランドカモメの亜種カナダカモメ
 セグロカモメの亜種モンゴルセグロカモメ
というような書き方とする。
たたし「カモメ」に関しては、
 ニシカモメの亜種カモメ
などという書き方は誤解を生じるので、単に
 カモメ
と書くことにする。

無題-001

テーマ : 野鳥の写真
ジャンル : 写真

2012年の記事から-タイミルセグロカモメ@銚子



ホイグリンカモメ(亜種タイミルセグロカモメ)
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 2012.1.11 千葉県銚子市

一見して特徴的な個体でした。
背の色は、右のセグロカモメより若干濃く、左のウミネコよりやや薄い感じがします。
色に関しては、天候や光線の具合によっても異なるので、1枚の写真だけでは判断しにくいところがあり、この写真のウミネコも実際より薄い感じに見えます。

寸詰まりの、ずんぐりした体形に見えます。
これは、外側初列風切のP9とP10がまだ伸び切っていないのが原因で、換羽が遅いというホイグリン系の特徴が表れているかと思います。

ホイグリンカモメ@銚子

ホイグリンカモメ
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 2015.11.14 千葉県銚子市






足が黄色く、背の色がかなり濃い個体で、一応ホイグリンカモメではないかと見た。




第3漁港先にいた個体。
これは背の色がセグロカモメと同程度で、いわゆる「亜種タイミルセグロカモメ」と思われる。


なお当ブログでは、当面「ニシセグロカモメ」の名称は使用していない。

亜種タイミルセグロカモメ@銚子


亜種タイミルセグロカモメ
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 千葉県銚子市

セグロカモメの中にも、足に黄色味がある個体はよくいる。
これは比較的はっきりと黄色い個体で、背の色の濃さからしてホイグリンカモメと見てもよさそうな感じはする。

周囲はセグロカモメ、オオセグロカモメ、カモメ

タイミルセグロカモメ

タイミルセグロカモメ
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 千葉県銚子市、茨城県ひたちなか市

新しい日本産鳥類目録第7版には「ホイグリンカモメ」の名はない。
それはニシセグロカモメ Larus fuscus の亜種とされている。(Larus fuscus heuglini)

ヨーロッパの文献によると、ニシセグロカモメは、主にバルト海や北海沿岸、イギリスなどで繁殖し、南ヨーロッパやアフリカ、一部は北アメリカで越冬するようだ。
背の灰色が非常に濃い種類で、オオセグロカモメよりも黒い。(fuscusは「黒い」を意味するラテン語)
一方、ホイグリンカモメは、それよりも東側に当たる、コラ半島からタイミル半島で繁殖するとされている。
背の色はニシセグロカモメよりも薄めで、ウミネコ程度かと思われる。
足の色はどちらも黄色味を帯びているが、その色合いには個体差が多い。
ホイグリンカモメの繁殖域のうち、一番東側のタイミル半島附近で繁殖する個体群を、タイミルセグロカモメと呼んで来た。

タイミルセグロカモメはホイグリンカモメの亜種、あるいはホイグリンカモメとセグロカモメの交雑個体群とする考え方などがあった。
第7版ではその考え方を認めず、ホイグリンカモメをニシセグロカモメの亜種とした。
そういう考え方自体は以前からあるので、それはそれでいいのだが、その亜種名に適切な和名が与えられていないことは問題だと思う。
 ニシセグロカモメ Larus fuscus 
 亜種ニシセグロカモメ Larus fuscus heuglini
これでは仮にLarus fuscusが国内に飛来した場合(あまり確率は高くないと思うが)、名称をどうやって区別するのかわからない。

今日ここに載せた写真は、第7版に従えば「ニシセグロカモメ」とすべきところかも知れないが、以上のことを理解しないと混乱のもとである。
特に初心者の方には、また新しい種類のカモメが出て来たと勘違いされるかも知れない。
みんながフィールドで学名を使っているわけではないので、和名はもう少し親切に付けてほしいものだと思う。
またこれをLarus fuscusと書くと、ヨーロッパのバードウォッチャーからは否定されると思う。
そんなわけで、当ブログでは当面従来通り「タイミルセグロカモメ」の名称を使うことにする。


和名に関して一例を挙げると、クロワカモメは最近オビハシカモメと言う名前に変更されつつあるようだが、クロワカモメという名前は既に人口に膾炙しているもので、特に不適切な名称と言うわけでもなく、変更する理由は特に見当たらない。




2/16
銚子(外川)
ここにいつもいる個体で、足の黄色味が強く、背の黒さもセグロカモメよりも明らかに濃い




同日
銚子
これも足の黄色味が目立つ個体




同個体とオオセグロカモメとの比較




3/1
茨城県ひたちなか市平磯海岸




同日
別個体
やや足の黄色味が薄い個体

亜種タイミルセグロカモメ@銚子



亜種タイミルセグロカモメ
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 2013.3.3 千葉県銚子市

日本産鳥類目録第7版で、ニシセグロカモメの亜種という扱いになったことはすでに何度も書いた。(そろそろ、しつこいと言われそうだが)
ニシセグロカモメの学名は Larus Fuscus である。(学名はイタリックで書くのが決まりだが、読みにくいのでこのままとさせていただく)
Fuscus というのはラテン語で「黒い」を意味する。
確かに海外の図鑑でニシセグロカモメを見ると、オオセグロカモメやウミネコよりもずっと黒い。
写真の個体は比較的濃い方だと思うが、これを Larus Fuscus であると書くと、海外のバードウォッチャーからは「違う」と言われそうだ。
亜種なら亜種で、区別できるような和名を付けてほしいところだ。

タイミルセグロカモメ@銚子



タイミルセグロカモメ
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 2013.2.10 千葉県銚子市

日本産鳥類目録第7版では、ホイグリンカモメはニシセグロカモメの亜種扱いになっているが、亜種タイミルセグロカモメの位置づけがはっきりしないので、当面は従来通り「ホイグリンカモメの亜種タイミルセグロカモメ」という扱いにしたいと思う。

タイミルセグロカモメの立場

タイミルセグロカモメ
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 2012.11.24 千葉県銚子市







背の色はかなり黒いが、足の色はそんなに黄色くはない個体




P9、10が旧羽で、P8が伸長中という個体。
ホイグリンは換羽が遅いというが、これはどうだろうか




セグロ3羽、ウミネコ3羽と



今年改訂になった日本産鳥類目録第7版については、すでに何度か話題にした。
今回は、ちょっと問題がありそうなカモメ類の項目について。


我々は一介の観察者であり、分類などに関しては公的な文献や図鑑によるしかないので、「分類がこう変わりました」と言われれば、そういうものかと思わざるを得ない。
今回の改訂では、目や科の移動も数多くあり、かなり大幅な変更になっている。
図鑑は概ね分類順になっているので、これを覚えかけた初心者の人にとっては、混乱の元だろうとは思う。
だから、新しいリストが出たからと言って、あわてて合わせる必要もないと思うし、逆に、頑なに以前の分類に固執する理由もない。新しい知見はみんなで共有していくのが賢い考え方だと思う。
自分で作っているリスト、仲間うちで鳥合わせに使っているリストについては、時期を見て段階的に変更して行こうかとは思っている。

個人的には、キジの仲間から始まってホオジロの仲間で終わる新しいリストはとても面白いと思ってはいるが、ことカモメ類に関しては、保守的というか、ちょっとどうなのかなという印象がある。

■まず、これまでの第6版に掲載されていたカモメ類(アジサシ類は除く)は以下の通り-アイウエオ順
 アカアシミツユビカモメ
 ウミネコ
 オオズグロカモメ
 オオセグロカモメ
 カモメ
 クビワカモメ
 ゴビズキンカモメ
 シロカモメ
 ズグロカモメ
 セグロカモメ
 ゾウゲカモメ
 ハシボソカモメ
 ヒメクビワカモメ
 ミツユビカモメ
 ユリカモメ
 ワシカモメ
以上16種

■今回、第7版で追加された種類
 アイスランドカモメ
 アメリカズグロカモメ
 カナダカモメ
 キアシセグロカモメ ※1
 チャガシラカモメ
 ニシセグロカモメ ※2
 ボナパルトカモメ
 ワライカモメ

 アイスランドカモメの亜種クムリーンアイスランドカモメ ※3
 カモメの亜種ニシシベリアカモメ ※4
 カモメの亜種コカモメ ※5
 セグロカモメの亜種アメリカセグロカモメ ※6
 ニシセグロカモメの名称不明亜種 ※7
以上8種+5亜種

■なぜか入っていない種類
 カリフォルニアカモメ(観察例が2度あるようだが、多くの人が見ていないから?)
 クロワカモメ(銚子で毎年観察されているのに)


※1 キアシセグロカモメ Larus cachinnans mongolicus
これは従来からある名称だが、Larus cachinnans の亜種扱いで、基亜種 Larus cachinnans は掲載されていない。
氏原図鑑では、
 カスピセグロカモメ Larus cachinnans
 モンゴルセグロカモメ Larus cachinnans mongolicus
で表記されている。
キアシセグロカモメの名称は、Larus michahellis(氏原図鑑ではカザフセグロカモメ)
と紛らわしい上に、殊更足が黄色いという特徴があるとは思えないので、これは従来から好ましくない名称と考えていた。


※2 ニシセグロカモメ Larus fuscus heuglini
一般にはホイグリンカモメの名称が浸透しているが、ニシセグロカモメの亜種扱い。
Larus fuscus はコラ半島からフィンランド、スウェーデンあたりで繁殖する種類で、さらに西側で繁殖する2亜種が知られている。(graellisii及びintermedius -海外の図鑑による)
ホングリンカモメの繁殖域は、Larus fuscus よりも東側、コラ半島からタイミル半島にかけての地域と言われている。
今回の改訂では、ホイグリンカモメは Larus fuscus よりも東側で繁殖する亜種という判断だと思われる。
亜種タイミルセグロカモメは、セグロカモメとホイグリンカモメの交雑個体群ではないかと言われて来たが、これについては改訂版でも亜種の扱いとはしていないようである。タイミルセグロカモメの立場はいかに。


※3 アイスランドカモメの亜種クムリーンアイスランドカモメ
フィールドでは便宜的にカムリアンアイスランドカモメと呼ばれて来た。
亜種名 kumlieni の読みは「クムリエーニ」だと思われるので、「クムリエン」が適切ではないかという意見は以前からあった。何か微妙なネーミング。


※4 カモメの亜種ニシシベリアカモメ Larus canus heinei
これまで和名がなかった亜種。
識別ポイントがはっきりしないので、ウェブ上でも、これと言う情報がなかなかない。
掲載されたということは、確かな観察例があるということなのだろうとは思うが。


※5 カモメの亜種コカモメ Larus canus brachyrhynchus
これは独立種であるという説と、亜種であるという説がある。Olsenでは独立種としている。


※6 セグロカモメの亜種アメリカセグロカモメ Larus argentatus smithsonianus
そもそもセグロカモメが Larus argentatus の亜種扱いというのもどうかと思う。(OlsenではLarus argentatus と Larus vegae は独立種)
アメリカセグロカモメは独立種とするのが趨勢だと聞いてはいたが。


※7 ニシセグロカモメの名称不明亜種 Larus fuscus ssp
Larus fuscus の2亜種に関しては、より西側で繁殖する亜種であることから、日本に飛来している可能性は非常に低いと思う。
とすればこの亜種はタイミルセグロカモメのことか、それともそれは見当違いか。


■当ブログでの扱いについて
ここで急に、ニシセグロカモメとかキアシセグロカモメの名称を使うことは混乱を招くと思うので、当面は従来からの名称を使うことにします。

以下の名称は従来通り使用します。
 ホイグリンカモメ
 亜種タイミルセグロカモメ
 モンゴルセグロカモメ

以下は亜種ではなく、独立種として扱います。
 アメリカセグロカモメ
 コカモメ

クムリーンアイスランドカモメは、まだ名称としてしっくりしないので、従来通りカムリアンアイスランドカモメと表記します。

これも絶対にということではなく、今後新たな知見が加われば柔軟に対応します。

タイミルセグロカモメ@銚子


タイミルセグロカモメ
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 2011.12.6 千葉県銚子市

「タイミルセグロカモメ」と言う名前は、普通の図鑑には載っていないので、珍鳥かと思われるかも知れないので、一応おさらい。

ホイグリンカモメは、シベリアのタイミル半島からコラ半島にかけての地域で繁殖する。
銚子では、亜種ホイグリンカモメが少数見られるほか、亜種タイミルセグロカモメが比較的よく見られる。
亜種タイミルセグロカモメは「カモメ識別ハンドブック改訂版」で新たに提唱された名称で、以前は「ホイグリン系」とか「タイミレンシス」と呼ばれることが多かった。

タイミルセグロカモメはホイグリンカモメとセグロカモメの交雑個体であるという見解もあるので、そのあたりは今後の研究を待ちたいところ。

写真の個体は、足の色はあまり黄色くない。
セグロカモメにしてはやや黄色味が強いという程度かなと思う。もう少し黄色味が強ければ、自信を持ってタイミルと言えるのだが。
背の色はセグロよりも幾分濃い目かなと思う。
嘴の赤斑が大き目の印象で、タイミル的かと思う。
初列風切を見ると、摩耗が進んだ旧羽なので、「換羽が遅い」というタイミルの特徴には合っていると思う。

タイミルセグロカモメ@銚子

ホイグリンカモメ(亜種タイミルセグロカモメ)
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 2011.11.14 千葉県銚子市

ロシアの北極海沿岸、タイミル半島からコラ半島にかけての地域で繁殖すると言われている。
コラ半島と言うのは、フィンランドの反対側にある半島というとわかりやすいだろうか。
タイミル半島はロシアでも最北部にある半島で、その先端にあるチェリュスキン岬は、地球上の大陸での最北端に当たる。
”Olsen”の地図によれば、繁殖地はタイミル半島よりもヨーロッパ寄りで、エニセイ川よりも西の地域であるらしい。
そう考えると、随分遠くから飛んでくるものだと思う。

11月中旬の銚子は、まだカモメの数は少ないが、タイミルセグロカモメは比較的多いように思われた。



右のセグロカモメと比べても、背の色はむしろ薄く見える個体。
左のウミネコと3種類の足の色に注目。




足の色、背の濃さ等、もう少し典型的な個体。
これもあまり背の色は濃くないが。




ウミネコとセグロカモメの中間的な感じ。
ホイグリンカモメは、ウミネコほどの背の黒さと、黄色い足が特徴で、亜種タイミルセグロカモメはそれよりもセグロカモメに近い。




セグロカモメの幼羽もかなり見られたが、背の鱗模様から、タイミルセグロカモメ幼羽ではないかと思われる個体。

タイミルセグロカモメ@銚子

タイミルセグロカモメ
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 2011.10.15 千葉県銚子市



足の色が微妙に黄色味を帯びているので、タイミルセグロカモメ(ホイグリンカモメの亜種)と見た。




肩羽の鱗模様から、タイミルセグロカモメの幼羽~第1回冬羽と見た。

今日は南風が強く、時折雨がパラつく天気だったので、車中に三脚を立てて観察した。
まだほとんどウミネコだが、大型カモメ類も増えて来た印象。

・・・・・・

帰り、またいつもの場所に寄って見る。
前回と同じ場所で、観察条件は最悪。

シギはオグロだけになっていた。15羽程度。
カモは、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、ヨシガモの6種類。
もう少し近ければ面白い観察が出来るのだが。




アオサギの手前に、ハシビロガモの♂エクリプスが2羽。
翼鏡がグリーンに見えるコガモ
その手前に4羽ほどのヨシガモ
左の方にヒドリガモとオグロシギ

タイミルセグロカモメ@ひたちなか

タイミルセグロカモメ
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 2011.1.30 茨城県ひたちなか市

ホイグリンカモメについては、前回記事にしました。
ホイグリンカモメ@銚子

今回は亜種タイミルセグロカモメ
この鳥の特徴は、足の色が幾分黄色味を帯びていて、背の色はセグロカモメ程度であることです。



奥のセグロカモメよりも小さく見えますが、個体差の範囲内だと思います。
手前に見えている初列風切がP8までしか見えません。換羽が遅いという、ホイグリンカモメの特徴が表れておるかと思います。
向こう側に見える最長の風切はP9の旧羽?
風切の換羽は基本的に左右対象だと思いますが、この個体はそうではないようなので、若干左右の換羽の時期にずれがあるのかも知れません。
いずれにしてもこの個体は「換羽が完了していない」ということは言えると思います。




この個体は足の色がさらに微妙な感じで、タイミルかどうか判断が難しい感じです。
向こう側の初列風切を見ると、P10のミラー(大きな白斑)が見えます。P10が伸長中ということがこの写真からわかるので、この個体も換羽途中ということはわかります。

ホイグリンカモメ@銚子


ホイグリンカモメ
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 2011.1.20 千葉県銚子市

ホイグリンカモメは、西シベリアのコラ半島からタイミル半島にかけての地域で繁殖します。
それよりも東側で繁殖するセグロカモメとの交雑個体群とされるのが亜種タイミルセグロカモメです。
以前から「ホイグリン系」、略して「ホイ系」、亜種名から「タイミレンシス」など、さまざまな名で呼ばれて来ましたが、「カモメ識別ハンドブック改訂版」で「タイミルセグロカモメ」という新称が提唱されたので、カモメウォッチャーの間ではこの名前が浸透し始めました。

タイミルセグロカモメは、背の色がセグロカモメ程度で、足の色に黄色味があります。
ホイグリンカモメは背の色がウミネコ程度、足の色は黄色味がより強いのが特徴です。
写真の個体は、タイミルセグロカモメよりもホイグリンカモメに近い感じがするので、一応「ホイグリンカモメ」としました。
背の色は、左のセグロカモメよりも濃く、奥のウミネコに近いようには見えます。
ただ、これは光の当たり方によって見え方が異なるので(この場合は斜光線)、タイミルの個体差の範囲内かも知れません。

タイミレンシス@波崎



ホイグリン系カモメ(亜種タイミレンシス)
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 2010.1.11 茨城県旧波崎町

ホイグリンカモメの背の色は、ウミネコ程度と言われている。
亜種タイミレンシスはそれほどでもなく、セグロカモメ程度からウミネコ程度までと幅広い。
実情は足の色だけで判断しているようなところがないでもない。
黒斑が後頸に集中している傾向もポイントである。

タイミレンシス@銚子


亜種タイミレンシス(左はセグロカモメ)
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 千葉県銚子市銚子漁港

ホイグリンカモメ Larus heuglini はシベリアの北西部(コラ半島からタイミール半島附近まで)で繁殖するセグロカモメの仲間。
コラ半島というのは、フィンランドにほど近い地域なので、ヨーロッパロシアに属するカモメと言える。
越冬地は、中東からインドあたりが中心と思われる。
背の色がウミネコと同程度に濃く、足の色もウミネコのように黄色い。
銚子でもそれらしき個体が見られることもあるが、数は少ないと思う。

ホイグリンカモメの亜種 Larus heuglini taimyrensis は基亜種ホイグリンカモメよりも東側で繁殖する亜種とされる。
越冬地は日本附近が中心で、銚子ではそれなりの数が見られる。
セグロカモメとホイグリンカモメの中間的な個体群であって、背の色も足の色も中間的である。

この亜種の表記をどうすべきか、いつも迷うところである。
「ホイグリン系」という言い方もよく行われるが、当記事のように「亜種タイミレンシス」という場合も多い。
しっくりしないので、「タイミールカモメ」というのはどうだろうか。

タイミレンシス@銚子

タイミレンシス
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 2009.1.24 銚子漁港~波崎漁港

早いもので、1月ももう終わりです。
1月の最終日である明日はまた銚子の予定でしたが、雨のため中止しました。
来週は無理なので、この次は2月11日か14日になるでしょう。

今年のカモメ類は多いのか少ないのか。
長く通っている人は、カモメ類は年々少なくなっているという人もいます。
そのあたりはよくわかりませんが、日によって相当の違いがあることも事実です。
最近は「礁前」にあまりいないことが多いのが気になります。

銚子・波崎にはどんなカモメ類がいるのでしょうか。ちょっとまとめてみます。

小型カモメ類
■ユリカモメ
 銚子ではそんなに多くない。ユリカモメは他でいくらでも見られるのであまり気にしていないせいもあるかもしれない。
■ミツユビカモメ
 今期はまだ少ない。これから増えてくると思うが、もともと大群が見られるわけではない。

中型カモメ類
■ウミネコ
 これは主役なので相当の数がいる。ウミネコは夏でも見られる。
■カモメ
 日によってかなりの差があるが、今年は比較的多い気がする。
 色々なパターンの個体が見られるので面白い。

大型カモメ類
■セグロカモメ
 これは大型カモメの主役。数多くのパターンがある。何度見てもやっぱり難しい。
■オオセグロカモメ
 特に若い個体は難しい。特に第1回冬羽はスレた個体が多い。
■シロカモメ
 最近の銚子にはシロカモメがとても多い気がする。特に第1回冬羽が多い。
■小型シロカモメ
 これは別の種なのか、亜種なのか、個体差もあるだろうしよくわからない。
■アイスランドカモメ
 これは小型シロカモメとの区別が難しい。アイスランドではないかと思われる個体が時々いる。これにも2亜種ある。
■ワシカモメ
 これも比較的多いような気がする。第1回ばかりで、成鳥が少ない。
■ホイグリンカモメ(タイミレンシス)
 足に黄色味があるものは、よく見ると結構多い。
 heugliniと思われるものはほとんどいない。
■カナダカモメ
 ベテランウォッチャーによれば、今年の銚子には多いらしい。
 これがひと目でわかるようになりたいものだ。
■モンゴルカモメ
 今年は、なかなかこれだと思う個体に出会えない。
■アメリカセグロカモメ(通称スミス)
 これも微妙なので、決定的なものの写真を取りたいものである。

やっぱり大型カモメは難しい。ただ難しいとばかり言っていても仕方ない。
カモメに限ったことではないが、大事なのは普通種を普段からじっくり見ておくことだ。
その意味では、銚子に比較的近いところに住んでいるのは幸運なことだと思う。

・・・・・・



タイミレンシス(Larus heuglini taimyrensis)

ホイグリンカモメ(Larus heuglini heuglini)とセグロカモメの中間的な種であると考えればいいのかも知れません。
ホイグリン系などという言い方もあります。

はじめは、嘴の赤斑が大きいのが特徴、というところに注目していたのですが、これで判断するのは困難。
とりあえず足が微妙に黄色いところで判断しています。



第1回冬羽は、肩羽のウロコ模様が特徴とされていますが、この個体は3列風切の白い羽縁が広すぎるような気もします。
そんな微妙な判断が必要な大型カモメ類の識別はやっぱり難しい。

ホイグリンカモメ@銚子


ホイグリンカモメ
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 2008.3.29 千葉県銚子市

ホイグリンカモメの分類は複雑です。
いわゆるホイグリンカモメ(亜種heuglini)は、背がウミネコやオオセグロカモメに近い濃さを持ち、足がウミネコのように黄色いのが特徴です。
一方、亜種taimyrensisはよりセグロカモメに近く、セグロカモメとホイグリンカモメの交雑個体群を指すとも言われていますが、交雑個体に亜種名がついているのはおかしいとして、無効な分類とする人もいます。
亜種heugliniとは言い切れない個体に対しては、ホイグリン系(ホイ系)と言うフィールド用語もあります。
亜種taimyrensisイコールホイ系かと言うと、大体そうかな?という感じで使っていますが、実のところはよくわからず、私も混乱しています。
とりあえず、足がちょっと黄色っぽい場合はホイ系、という風に安易に考えています。
そういう目で見ると、銚子には思った以上にホイ系は多いようですが、heugliniか?という個体はそんなに多くありません。

写真の個体ぐらい足が黄色くて、背が黒いのはheugliniではないか、と考えました。

三番瀬のホイグリン系




ホイグリン系カモメ
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 2008.3.1 千葉県船橋市三番瀬

ホイグリン系という名称は、ホイグリンカモメとセグロカモメの交雑個体、若しくはその中間的な個体、と言った感じで便宜的に使われている名称です。

ホイグリンカモメ(Larus heuglini)は
■足がセグロカモメに比べて黄色く
■背の色がセグロカモメよりも濃く(オオセグロからセグロ程度まで幅広い)
■嘴の赤斑が大きく
■(成鳥冬羽では)頭の黒斑が後頭部に集中し
■額の傾斜がなだらかで角ばった頭で
■換羽が遅く、P10が伸び切っていないものが多い
などの特徴があり、それらの特徴を少しずつ備えていると、ホイ系かな?と言う風に私は見ることにしています。
これはまさしくheugliniだ、という個体にはなかなかお目にかかれませんが、近い個体は比較的多いように思われます。

今日三番瀬で見た個体は、背の色がセグロとほとんど同じ濃さであることなどとても微妙ですが、総合的に判断しました。
飛翔写真からP10がまだ伸び切っていないのがわかると思います。

明日は銚子行きなので、もう少しはっきりした個体が見られるかも知れません。

ホイグリン(系)カモメ

ホイグリン(系)カモメ
チドリ目カモメ科
体長55cm
撮影 2007.12.30 千葉県銚子市銚子漁港

セグロカモメの仲間のうち、西シベリアのコラ半島~タイミル半島にかけて繁殖する種類のようです。
より西の方で繁殖する亜種ホイグリンカモメ(Larus heuglini heuglini)とやや東寄りで繁殖する亜種(Larus heuglini taimyrensis)の2亜種があります。
亜種heugliniの飛来状況はよくわかりません。(ものの本には未記録と書かれているものもあります)
銚子では亜種taimyrensisと見られるものが少数ながら見られます。

亜種heugliniを見たことがないのでよくわかりませんが、背の灰色がウミネコと同じくらいに濃く、足がかなり黄色いらしいです。

亜種taimyrensisは亜種heugliniと他の種類(セグロカモメ?)との雑種の可能性もあり、このあたりのことはちょっと複雑です。

お気楽バードウォッチャーとしては、足がちょっと黄色いセグロカモメを見たら「ホイグリン系、別の言い方をすると亜種タイミレンシス」と思うことにしてます。



頭が角ばっていて、黒い斑が後頭部に集中する傾向があると言われていますが、なかなか微妙。
嘴の赤い斑点が横長で大きく、しばしば上嘴に及ぶ、とも言われていますが、これも微妙。



これは後方のセグロカモメとの比較が出来るので面白い写真です。
セグロカモメよりやや小さく、
背の色がやや濃く、
足の色が黄色っぽい。
という特徴はよくわかるように思います。
プロフィール

papageno620

Author:papageno620
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
フリーエリア