FC2ブログ

フィールド図鑑「日本の野鳥」第2版

20200912_125404_R.jpg
フィールド図鑑「日本の野鳥」の第2版が発売になっているようだ。
第1版が出たのが2017年の12月なので、2年半ほどで第2版が出たことになる。


IMG_0001-001_R_20200913005159533.jpg
所有している第1版
水谷高英氏が全てのイラストを書き、叶内拓哉氏が解説を担当している。
第2版では、紙質を変えて軽量化を図ったほか、イラストの加筆・追加を行ったとのこと。

この図鑑
イラストは非常に高いレベルにあると思うが、問題は解説で、質・量ともに足りない。
COLLISと比べて見れば一目瞭然。あちらは英語なので単純比較は難しいが、控え目に見ても3倍以上の情報量がある。
そもそも叶内氏はカメラマンであって学者ではない。図鑑の解説をまかせるには適任ではないと思う。
出版社側もCOLLISは参考にしているはず。
ここを改良しないと、いつまで経ってもヨーロッパのレベルには追いつかないと思う。

ただ、分布図が世界を対象にしているのは良い点だ。ヨーロッパの図鑑はヨーロッパしか考慮していない。

テーマ : 生物学
ジャンル : 学問・文化・芸術

大型カモメの分類と名称について

撮影 2019.11.9 千葉県銚子市

J33A1573-001_R.jpg

J33A1569-001_R.jpg

J33A1562-001_R.jpg

J33A1552-001_R.jpg

J33A1549-001_R.jpg
(写真は本文とは関係なく、全てウミネコ)


「決定版日本のカモメ識別図鑑」(氏原巨雄・氏原道昭著)はすでに発売になっているので、手に取られた方も多いだろう。
3600円+税と、決して安くはないが、同じ著者による「カモメ識別ハンドブック」は絶版状態なので、今はこれを買うのがベストだろう。
同ハンドブックのシリーズ(文一総合出版)は、シギチのハンドブックも海鳥のハンドブックも絶版になっており、アマゾンの中古本市場では6000~7000円もの値段がついている。

「決定版日本のカモメ識別図鑑」は、「日本産鳥類目録第7版」とは特に大型カモメの分類については一線を画していることはすでに触れた。
当ブログで「決定版日本のカモメ識別図鑑」の分類及び名称を採用することにした理由は、主に「ニシセグロカモメ」と「キアシセグロカモメ」についての記述である。

「ニシセグロカモメ」については、以前の図鑑には「ホイグリンカモメ」という種類が掲載されていたが、現在の図鑑では「ニシセグロカモメ」になっている。
「日本産鳥類目録第7版」では、
 Larus fuscus ニシセグロカモメ
 Larus fuscus heuglini 亜種ニシセグロカモメ
という記述になっていて、基亜種と亜種が同じ和名になっているのはおかしいと、以前にも指摘した。
Larus fuscusはヨーロッパのカモメで、日本では未記録と思われる。にもかかわらず目録に載せられたのも不思議だ。(記録があるカリフォルニアカモメとクロワカモメについては記載されていない)
「決定版日本のカモメ識別図鑑」では、
 Larus fuscus ニシセグロカモメ(未記録種として巻末に記載)
 Larus fuscus heuglini 亜種ヒューグリンカモメ
とし、その矛盾を解消している。
なお従来の「ホイグリン」という読み方に関しては、これだけが唐突にドイツ語風の読み方はおかしいので、英語乃至はラテン語の読みに近い「ヒューグリン」に改めたものと思われる。

「キアシセグロカモメ」についても同様で、「日本産鳥類目録第7版」では
 Larus cachinnans キアシセグロカモメ
 Larus cachinnans mongolicus 亜種キアシセグロカモメ
という記載になっていて、和名では区別が出来ないし、そもそも足が黄色くない種類に「キアシセグロカモメ」の名称はふさわしくないと思う。
これも「決定版日本のカモメ識別図鑑」では、モンゴルセグロカモメはセグロカモメの亜種であるという考えを採用し、
 Larus cachinnans カスピセグロカモメ
 Larus vegae mongolicus (セグロカモメの亜種モンゴルセグロカモメ)
とした。

セグロカモメについてはどうかと言うと、「日本産鳥類目録第7版」では
 Larus argentatus セグロカモメ
 Larus argentatus vegae 亜種セグロカモメ
 Larus argentatus smithonianus 亜種アメリカセグロカモメ
とし、日本で見られるセグロカモメはヨーロッパのセグロカモメの亜種であるとした。(アメリカセグロカモメも亜種扱い)
これに対し、「決定版日本のカモメ識別図鑑」では
 Larus argentatus ヨーロッパセグロカモメ(未記録種として巻末に記載)
 Larus vegae セグロカモメ
 Larus smithonianus アメリカセグロカモメ
とし、全て別種とした。亜種と見るか別種と見るかは研究者によって見解が分かれるところだと思うので、ここでは問題にしない。ただ、ヨーロッパセグロカモメという和名をつけたことでわかりやすくなったのではないだろうか。

カモメの名称についてはいつも問題になるが、「日本産鳥類目録第7版」では
 Larus canus カモメ
 Larus canus kamtschatschensis 亜種カモメ
 Larus canus heinei 亜種ニシシベリアカモメ
 Larus canus brachyrhynchus 亜種コカモメ
という記載。
これに対し、「決定版日本のカモメ識別図鑑」では
 Larus canus ニシカモメ(未記録種)
 Larus canus kamtschatschensis 亜種カモメ
 Larus canus heinei 亜種ニシシベリアカモメ
 Larus canus brachyrhynchus 亜種コカモメ
となっていて、「ニシカモメ」の名称を採用している。
ここでは亜種カモメの英語名に”Kamchatka Gull”の名を採用しているので、個人的には亜種カムチャッカカモメという名称がいいのではないかと思う。

テーマ : 博物学・自然・生き物
ジャンル : 学問・文化・芸術

日本のカモメ識別図鑑

日本のカモメ識別図鑑
氏原巨雄・氏原道昭著
誠文堂新光社 3600円+税

20191103_124145_R.jpg
2015年に発行された「日本のカモ識別図鑑」に続き、「日本のカモメ識別図鑑」が発売になる。
ジャパン・バード・フェスティバルで先行発売されていたので、早速購入した。
詳しく読むのはこれからだが、一見して充実した内容で、これからカモメのシーズンに突入するにあたり、グッドタイミングだと言えるだろう。

カモメの分類に関しては、以前から色々と議論があり、フィールドでも混乱を生じている。
特に大型カモメ類については、自分の探鳥会でも名称については悩ましいことが多い。
本書では、IOC Bird List v9.2による分類に準拠し、新たに和名をつけていて、日本産鳥類目録第7版とは異なっていることには注意が必要だ。
大型カモメ類のについての対照表は以下の通り。
無題-001


大きな相違点としては、カナダカモメがアイスランドカモメの亜種としたことと、アメリカセグロカモメを独立種としたこと。
「キアシ」と「ニシ」の分類については、以前から議論があるとおり、若干複雑である。
他の図鑑と異なる名称と分類を採用することについては、賛否が分かれるかも知れない。
とりあえずそのことを理解した上で、自分としては今後本書の分類と名称を使うことにしたいと思う。

テーマ : 博物学・自然・生き物
ジャンル : 学問・文化・芸術

2012年の記事から-COLLINS BIRD GUIDE


■COLLINS BIRD GUIDE
LARS SVENSSON
KILLIAN MULLARNEY
DAN ZETTERSTRÖM

2010 HarperCollins/London
£17.99

図鑑の紹介も継続的にやろうと思っていたのだが、震災があったために頓挫してしまった。

今回はヨーロッパの代表的な図鑑の改訂版。
とにかくイラストが美しいし、識別ポイントがしっかり押さえられていて、さすがと思わせる内容。
日本の図鑑もこうあってほしいと思わせるのはその値段の安さにもある。
現在のレートで換算すると2150円程度。
日本の主な図鑑が3000円では買えないことを考えると、やっぱりバードウォッチャーの裾野の広さを感じてしまう。
漆黒の地に金文字、キョクアジサシが浮かび上がる表紙のデザインも手が込んでいて、見ているだけでも楽しい。

基本的に日本とヨーロッパはともに旧北区なので、アメリカの図鑑よりも共通の種は多いと思う。

2012年の記事から-BIRDS OF EAST ASIA


■BIRDS OF EAST ASIA
MARK BRAZIL
Princeton University/New Jersey
US$39.95

イギリス出身(だと思う)の鳥類学者マーク・ブラジル氏による、東アジアを網羅した図鑑。
副題にある通り、中国、台湾、朝鮮半島、極東ロシア、日本の5地域に生息する、約1000種内外を扱っている。
氏は北海道在住で、日本産鳥類についてはほとんど全てを観察しているという人。

日本産鳥類はほぼ網羅していると思うし、時折り迷行するアジアの鳥が載っているので、実際に役立つ場合も多いと思う。
数年前ウスハイイロチュウヒが現れた時も、この図鑑で確認できた。
外国の図鑑としては、分布図も見やすいのもプラス。
ただ、識別ポイントを懇切丁寧に書くというような点では、”Collins”や”Sibley”には及ばない。


イラストは13人で描き分けているのだが、実はそこにやや問題がある図鑑である。
複数で描き分けている図鑑には、例えば7人で描いている「630図鑑」があるが、本書ではその出来にばらつきがあるのが残念なところである。
シギ類のイラストは若干問題がある。
特に識別が難しいジシギ類については、これではわからないと言うのが印象。

最も問題なのは淡水ガモ類の絵で、特にオシドリ、オカヨシガモ、ヨシガモあたりの絵は素人レベルと言って差し支えない。
「似てない」というより「違う」というレベルである。
著者のブラジル氏には、そのあたりを何とかしてほしかったと思う。
日本の鳥を熟知している氏であれば、オシドリやヨシガモの魅力は知り尽くしているだろうから。

2012年の記事から-A FIELD GUIDE TO THE WATERBIRDS OF ASIA


■A FIELD GUIDE TO THE WATERBIRDS OF ASIA
日本野鳥の会、東海大学出版会
1993年 2800円

日本野鳥の会による、アジアの水鳥を収録した英語の図鑑。
イラストは谷口高司氏。

アビ類からカモメ類まで一通り入っているが、ミズナギドリ類、アホウドリ類、ウミスズメ類などの海鳥は省かれている。
代表的な海ガモであるクロガモ、シノリガモ、ビロードキンクロなどは入っていない。

見開きの右ページにイラスト、左ページに解説という、よくあるパターンだが、分布図は載っていない。
見ていて楽しいのは、見開きにカモやシギの飛翔図をまとめたページである。
潜水ガモの嘴の拡大図も面白い。
日本の図鑑にもこんなページが欲しい。いや、これは日本の図鑑だった。
ただ、この図鑑は日本で売られているのか、海外で売られているのか、判然としない。アジアの読者向けの本だとは思うが、「P2800E」とあるからには、やっぱり日本の本か?

判型は、文一のハンドブックとほぼ同じで、フィールドでは一番使いやすい大きさだと思う。

2012年の記事から-Birds of Europe,Russia,China,and Japan


■Birds of Europe,Russia,China,and Japan
NORMAN ARLOTT
プリンストン大学出版 ニュージャージー州プリンストン
2009年 US$29.95

アジアからヨーロッパ、つまり、鳥の分布で言う旧北区の鳥に関するイラスト図鑑。
注意してほしいのは、これはアビ目からキツツキ目までで、スズメ目は入っていない。
スズメ目は別巻で1冊あるが、なかなか発行されなかったせいもあり、入手していない。

見開き、右ページにイラスト、左ページに解説がある。
イラストには番号が振ってあるだけで、解説は比較的簡単である。
やや素っ気ないレイアウトだが、240ページのコンパクトサイズに600種類以上掲載しているので、ある程度仕方がないのかも知れない。
本書は、ハンドブックとしてはとてもいいサイズだが、スズメ目編と合わせると、COLLINSと同程度のボリュームになる。
2冊揃えると4000円を超えるので、2分冊のメリットはあまりないようにも思う。

絵は非常に綺麗である。
一部の海鳥とワシタカを除いて、飛翔図は載っていない。

使いにくい点を挙げると、分布図が巻末にまとめてあることで、これでは使えない。
旧北区全体が載っていて、見やすい地図だけに惜しいところだと思う。

決定版 日本のカモ識別図鑑


決定版 日本のカモ 識別図鑑
氏原巨雄・氏原道昭著
誠文堂新光社 3500円+税

待望久しい日本産カモ類の詳細な識別図鑑が刊行された。
著者のブログ等で、カモの図鑑を執筆中であることは数年前からわかっていた。
当ブログでも、以前からカモ類の♂♀、繁殖羽と非繁殖羽、成鳥、幼鳥、エクリプスについて、総合的に開設した図鑑が欲しいということは何度も書いているが、ようやくそのような図鑑を手にすることができた。

数時間前に届いたばかりなので、読み込むのはこれからだが、とりあえずヨシガモのページをざっと読んでみただけでもなるほどと思うところが多々あった。
ヒドリガモやオナガガモのような普通種でも、まだまだ見るべきところは大いにある。明日からの観察がまた楽しみになって来た。

The SIBLEY Guide to Birds


■The SIBLEY Guide to Birds
David Allen Sibley
2000 Knopf/New York
$35


鳥類画家、デイヴィッド・アレン・シブリーによる、北アメリカの鳥類図鑑。
ちなみにデイヴィッド・シブリーは、鳥類学者チャールズ・シブリーとは無関係です。

鳥類の分布域においては、アジアは「旧北区」、北アメリカは「新北区」で、生息する鳥の種類はかなり異なります。
時にスズメ目については、アメリカの鳥と日本の鳥との分布は全く異なり、その意味においてこの図鑑は日本では役に立ちません。
ただ、日本は水鳥については、世界的にもかなり多くの種類が見られるので、カモ類やシギ類に関しては共通するものが多くあります。

シブリー本人が全て描いた図鑑で、絵が素晴らしく、見ているだけでも楽しい図鑑です。
基本的に1ページに1~2種で、右向き。
必要に応じて、♂♀、成幼、夏冬を描き分けています。
そのほとんどの種類について、翼の上面と下面がわかる飛翔図を載せるという徹底ぶりは感動的ですらあります。

スズガモ、コスズガモ、キンクロハジロ、クビワキンクロ、オオホシハジロ、アメリカホシハジロの6種類が、寝ているところの頭の形を並べている箇所など、バードウォッチャーの欲しいところがよくわかっている感じが伺えます。こんな図鑑が日本にも欲しいとつくづく思いました。

海鳥識別ハンドブック


■海鳥識別ハンドブック
箕輪義隆著
2007年 文一総合出版 1470円(税込)

カモメが難しいとか、シギチが難しいとかよく言われますが、海鳥観察にはまた別の難しさがあります。
観察する機会が少ない上に、遠いとか揺れる船の上からとか、観察する条件が極めて厳しいからです。
難しい分野ですが、これもハマると危ないところがあります。

アビ目、カイツブリ目、ミズナギドリ目、ペリカン目、チドリ目が中心。
カモメ類は含んでいません。
アジサシ類はひとまとめになっているので、細かいところは出ていません。
そのうち、アジサシハンドブックが欲しいところです。

ワシタカ類飛翔ハンドブック


■ワシタカ類飛翔ハンドブック
山形則男著 文一総合出版
2008年 1470円(税込)

ワシタカ類は、飛翔姿を下から見上げることが多いので、飛翔姿に絞った図鑑が必要になるわけです。
可能な限り、上面の写真も載せているので、タカの渡り観察には必携の図鑑です。

1997年に最初の版が発行され、2003年に「増補・改訂版」が出ました。左のものがそれです。
最初の版も持っているのですが、現在行方不明。

カモハンドブック


■カモハンドブック
叶内拓哉著
2000年 文一総合出版 1050円(税込)

写真家叶内拓哉氏によるカモの図鑑。
これは、カモメとシギチとは異なり、写真による図鑑です。

カモ類の識別に関する目下の問題は、エクリプスや幼鳥が載っている図鑑が少ないことです。
本書はわかりやすい図鑑だとは思うのですが、もう一段詳しい図鑑が欲しいところです。

シギチドリ類ハンドブック


■シギチドリ類ハンドブック
氏原巨雄・氏原道昭著
2004年 文一総合出版 1260円(税込)

初心者の頃、図鑑でシギ類のページを眺めて途方に暮れた経験は、多くの人に共通しています。
この図鑑によって、シギチがようやくわかるようになったという人、シギチの魅力にはまったという人は多いと思います。

鳥の図鑑には、飛翔図が欲しいものですが、この図鑑では翼を上げたところを斜め後方から描いています。
この描き方だと、翼の上面と下面が同時に見えるとともに、尾羽と腰の模様がわかるというところがうまい方法だと思います。

2006年に2刷が出て、若干加筆されました。

山渓ハンディ図鑑7 日本の野鳥


■山渓ハンディ図鑑7 日本の野鳥
叶内拓哉 山と渓谷社 1998年発行 3150円(税込)

写真図鑑としては「日本の鳥590」と並び称される図鑑です。
こちらは日本の鳥全てにはこだわらず、479種に限定しています。
もちろん、これだけでも通常の観察には十分です。
1種当りの写真が多く、どちらかと言うと識別に役立つ写真を集めているので、識別に関しては「590図鑑」よりも有用という意見もあります。

このシリーズは「野に咲く花」から始まって現在13冊あります。
コストを抑えるためか、紙質が若干悪いのが難点。(変色の心配があるので)

鳥630図鑑


■鳥630図鑑
日本鳥類保護連盟発行 1988年
写真のものは2004年に出た増補改訂版で、3980円(税込)

イラストの図鑑としては、日本野鳥の会のものと並んで代表的なものです。
これは7人で描き分けているもので、絵はとても綺麗です。
630種というのはかなり多いですが、絶滅種や一部外国の鳥も入っているからだと思います。

解説文の中で、特徴的な部分に赤いアンダーラインが入っているのは独自の工夫。
分布図が世界に渡っていて見やすいのは、「日本の野鳥590」と同様です。
これは日本の図鑑のいいところだと思います。

日本の鳥590


■日本の鳥590
真木広造(写真) 大西敏一(解説)
2000年 平凡社 3675円(税込)

写真図鑑の代表的な1冊を。
当ブログで「真木図鑑」と呼んでいるもの。
私としては一番使い込んだ図鑑で、カバーは既になく、表紙もボロボロです。
いわゆる脱サラした真木広造氏が、18年ほどを費やして全て1人で撮影したとい、他に例のない図鑑。

基本的に全て左向きで撮影されており、撮影者のこだわりが感じられます。
野鳥写真家の個人全集的なところがあって、識別よりも写真のクオリティを重視している傾向があります。
このあたりは「山渓図鑑」との違いで、識別のためには「山渓図鑑」の方が良いという意見もあります。そちらは次回に。

分布図がとても見やすいのも特筆すべきところ。

野鳥観察ハンディ図鑑 山野の鳥・水辺の鳥(2分冊)



■野鳥観察ハンディ図鑑 「新」山野の鳥・「新」水辺の鳥(2分冊)
日本野鳥の会発行 1998年

日本野鳥の会発行のコンパクトタイプで、「山野の鳥」「水辺の鳥」の2分冊になっています。
2冊の合計で307種類。
普通に見られる鳥については大体網羅していますが、珍鳥に属する鳥については載っていません。

谷口高司氏によるイラストは非常に綺麗で、必要に応じて飛翔図がついています。
注目点には矢印を付ける、「高野図鑑」のやり方を踏襲しているほか、大きさの比較がわかりやすくなっているのも工夫点のひとつだと思います。

掲載は分類順ではなく、「歩いている鳥」「泳いでいる鳥」など独自の分け方で、2分冊となっているところと合わせて、使い勝手の点からは議論があるところです。
初心者向けにはとてもいい図鑑なので、まずはこれを薦めるという人も多いようです。
1冊550円(税込)という値段もリーズナブル。

2枚目の写真は、2冊を一緒に出来る半透明のカバーに入れたところです。

フィールドガイド 日本の野鳥

前回「カモメ識別ハンドブック」の改訂版を紹介するに当たって、”図鑑”という書庫を新しく作ったので、これから少しずつ紹介したいと思います。

図鑑はバードウォッチャーの道具としては、双眼鏡の次に大切な物。
フィールドに持って行けるハンディタイプの図鑑が数多く出版されています。
もちろん、持ち歩けない卓上型の立派な図鑑も、見ているだけでも楽しいものです。
普段から図鑑を見る習慣をつけていると、フィールドで初めて見た鳥にも素早く反応出来ます。

一般に、写真の図鑑とイラストの図鑑があり、どちらがいいとは言えません。
ただ、識別の役に立てるためには、イラストの図鑑がとりあえずはお薦めです。




■フィールドガイド 日本の野鳥
高野伸二著 日本野鳥の会発行 1982年

まずは最も基本的な図鑑から。
これは1995年に出た増補版で、現在は改訂版が出ています。
当ブログで「高野図鑑」と呼んでいるもの。
失礼ながら、絵には若干難もあります。(著者の高野氏は、もともと専門の画家ではありません)
特徴的な場所に矢印を入れる書き方、必要に応じて飛翔図を載せる、似たような種類を正面図などで比較する手法など、日本の図鑑として画期的なところが数多あり、さすがと思わせる内容だと思います。

高野氏は1984年に亡くなられたので、増補改訂部分に関しては谷口高司氏が書いています。

カモメ識別ハンドブック



カモメ識別ハンドブックの改訂版を、JBFにて入手しました。

旧版「カモメ識別ハンドブック」はカモメウォッチャーにとっては聖書のような存在です。
この本がなかったら、我々のような素人はカモメの観察には向かわなかっただったでしょう。
というか、この本がきっかけでカモメを観察してみようと思った人も多いだろうと思います。私もそのひとりでした。
旧版は2000年の刊行で、すでに10年を経過しています。
カモメの世界は意外に研究が進んでいなかったようで、この10年で蓄積された知見を大幅に盛り込み、現時点では決定版と言える図鑑が上梓されたことはとても喜ばしいことです。


旧版にあった、背の色等による早見表、大型カモメ類第1回冬羽の早見表はなくなりました。
あれは面白いと思っていたのですが、個体差や見え方の違いなどを考えると、早見表では難しいと考えられたのでしょうか。
代わりに、基本9種類の成鳥の識別ポイントが2ページ見開きにまとめられています。

後半には、状況によって違う見え方の解説、換羽状態の見方、違う種類のカモメを1枚で比較出来る写真集があります。
80ページほどに、これだけの内容を盛り込んだ図鑑は他に見当たりません。
願わくば全ての鳥についてこのような内容の図鑑があったら、と思わずにはいられません。

・・・・・・

これまで呼称が曖昧だった数種のカモメについて、当ハンドブックでは新しい名称を採用したので、当ブログでも今後はそれに習いたいと思います。出来ればそれが一般化すればいいと思います。

■タイミルセグロカモメ
Larus heuglini taimyrensis
これまで「ホイグリン系」とか「亜種タイミレンシス」と表現していた亜種の新称。
これはセグロカモメとホイグリンカモメの交雑個体群とされているので、表記が難しい種類のひとつである。
新版では
’タイミルセグロカモメ’
という風に’’で囲む形で表記している。
このあたりは今後の研究課題だろうと思われる。

■カスピセグロカモメ
Larus cachinnans
この種は、旧版では「キアシセグロカモメ」と呼ばれていた。亜種名としては「カスピキアシセグロカモメ」が一部で使われていた。

■モンゴルセグロカモメ
Larus cachinnans mongolicus
便宜的に「モンゴルカモメ」と呼ばれていた。
今後はカスピセグロカモメの亜種モンゴルセグロカモメと考えていいのだろうか。

■アメリカセグロカモメ
Larus smithonianus
亜種名から「スミソニアヌス」あるいは通称で「スミス」などと呼ばれていた。
旧版では「ウスセグロカモメ」を提唱していたが、一部で使われていた「アメリカセグロカモメ」に変更した。

■カザフセグロカモメ
Larus cachinnans barabensis
亜種名から便宜的に「バラベンシス」と呼ばれていたもの。一部で「カザフキアシセグロカモメ」が使われていた。


ただし、以上は私の理解が足りないかも知れず、また今後の研究に寄って変わる可能性があるので、現時点での知見に基づく名称であることをご理解下さい。
プロフィール

papageno620

Author:papageno620
FC2ブログへようこそ!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
フリーエリア